ザ・グレート・展開予測ショー

上下左右、何処何処へ!?2


投稿者名:人生前向き
投稿日時:(03/ 2/18)



 「じゃあね、西条君。ひのめをよろしく♪」


 「はい先生。」


 オカルトGメンの建物の前、ひのめを抱いた西条は横島の顔を見ようともせず、ずいずいと中へと入っていった。ごめんなさいねと、隣から聞こえるが、横島はあえてそれを無視した。外から窓を通じて陽に照らされ、肌にかすかな痛みをおぼえる。この強い紫外線は温暖化となにかしら関係あるのだろうか、今日授業で習ったばかりの温暖化の現象、横島はクーラーの入ってない教室で暑さに苛立ちながら聞くその理由に、自業自得じゃねぇかなど思いながら、半透明の下敷きでその業に立ち向かった。外の景色は面白いほどによく流れる。右手で光を直視せぬよう遮り、美智恵に顔を向けた。


 「どこまでいくんすか?」


 「え〜っと、もうそろそろね。」

 
 「・・・ここらへんって金食い虫の本部がありますよね。」


 「そうね。」


 「手伝いませんよ。」


 「今日は違うの、横島君に会いたいっていうお客様がきているのよ。」


 「おきゃく!?」


 『金食い虫』とは政府の高官たちの隠語であり、オカルトGメンのことを言う。仕事の手伝いで何度と会い仲良くなった一隊員から聞いた話で、オカルトGメンの日本支部設立から数年間、まったく実績を挙げられない状態だったときに付けられた呼び名だったらしい。しかし今は、美智恵・西条らの功績によりその汚名を見事に返上した。いまだその名を使う者もいるとしたら、それはオカルトGメンを快く思っていない者達によってだ。横島がその名を使ったことに関して、真意はあるが他意はなかった。車をやたらと広い本部の駐車場に置き、建物の中に入った。一度しか訪れたことの無い本部は、以前は切羽詰まっていてじっくりと観賞することができなかったが、よくよく見れば『金食い虫』と呼ばれて当然な造りをしていた。庶民兼貧乏派である横島忠夫にしてみればこのぐらい広ければ嫌みにさえならない状態である。その広さに口をポカンとあけて入り口付近で立ち尽くす横島をよそに、美智恵は『INFORMATION』にいる受付嬢と話しかけた。


 「どう調子は。」
 

 「あ、お客様なら紺野部長と十二階の客室でお待ちです。」


 「ありがとう。それよりあなたの待望の君のご感想は。」


 「はぁ、なんというか普通の子ですね。」


 「幻滅した?」


 「いえ、そんなことは。」

 
 「いい子よとても、いくら英雄と呼ばれたって自分の傲慢にならない、それどころか自分の力を過小評価しすぎてこっちの方が歯痒いわ。機会があれば話し掛けてみなさい、彼すっごく喜ぶわよ。」


 美智恵は早くと横島の制服の袖を引っ張りエレベーターの前へと連れていった。後に残った受付嬢はエレベーターを待っている『英雄』の一挙一動を目で追った。オカルトGメン本部は受付嬢として入り口近くにいつも座っている女性もいっぱしのGSであり、物の怪や悪霊が建物内部に入ろうとした時すぐさま対処できるようになっている。このため美智恵の慧眼を知っている彼女は、美智恵が褒めたことに対して驚かされた。そしてもう一つ、美智恵の少年への褒める様子にどこか心酔のようにも感じたが、まさかねと頭を振り職にもどった。



¥短いです!(どぉ〜ん)

 受験も終わり東京から帰ってきた昨日、ははは涙で明日が見えないや。(爆)


 

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