ザ・グレート・展開予測ショー

GSアフター一章…伍(心閉ざしし者)


投稿者名:ルーン
投稿日時:(03/ 2/17)

ピッピッピッピッ…
単調的な機械音が、室内に聞こえる…
ここは、病室…
ベットには、全身を包帯だらけにされた横島の姿…
すぐ隣に…名前は、ここでは、まだ決まっていないが、ジュリアが座っている。
雪之丞は、静かに出来ないということで、外に放り出された。

「横島の旦那は、大丈夫なんだろうな!!」
「最善の手は、全て施した…後は、横島君の生命力に賭けるしか…」

そして、その医者は、半狂乱に陥る…

「現代医術で、救えないなんて事になったら…私わぁ!!私わぁ!!」

笑気ガスを吸い込みながら、現代医学はーーー!!!とか叫んでいる…
腕は、確かなのだが…

「伊達君!!横島君の容態は、どうなんだい!!」
「最悪だ…横島の旦那は、生と死のせとぎわに居るらしい…」
「今夜が…峠って事ですね…」
「よこしまざーーーん!!わっしわぁ!!わっしわぁ!!」

タイガーの男泣き…
それは、どうでも良いとして、続々とGSチームが集まってきた。
勿論、おキヌとシロも…

「あんた達!!何で、こんなことになったのか、説明しなさいよ!!」

美神を初めとする陣営が問いただしてきた…
横島のみに…何が起こったのかを…

「それは、僕の持っているディスクを見てもらえれば、すぐに分かる…」
「コンピューターならナースステーションにありますよ。」

そこで、皆は、場所を移る。

「いいかい?皆。あけるよ。」

西条は、データを広げた…
其処に有るのは…おびただしい数の名前…

「これが、どうかしたの?」
「まぁ見ていてくれたまえ。」

西条が、さらにクリックで、先に進む…

アメル=M=マッケンジー 二十六歳 男性
カルフォル二ア州にて、捕獲…
霊能の種類は、特殊A…
実験結果…
彼の能力精神感応をパワーアップさせるべく薬を投入…
しかし、耐え切れず、精神崩壊…廃人と化す…
仕方が無いので、処分…



こんなことが、次々と書かれていた…全部で、約1500人位は、有った。

「こんなこと…」
「酷すぎます…こんなの…」
「横島は、これを止めるために…?」
「先生は、悪行をただすべく体をはって…」

などなど…各々の感想を言う…

「だけど…なんで、あんた達だけで、行ったのよ!!!」
「お宅等だけで、無傷で、勝てる自信があったワケ?」
「君達の行為は、あまり賢いとは…言いがたい。」

次々と出てくる不満…
それを西条が…

「確かに皆の気持ちも分かる…だけどこの人数がちょうどよかったんだ…」
「まぁ奇襲するなら、数が少ない方が、見つかりにくいけど…」

そこに…とても不幸な伝達がくる…
ナースが、一人駆け込んできた。

「皆さん大変です!!403号室の横島さんの容体が急変しました!!」

息も絶え絶えに報告に来た、ナースを尻目に皆は、声を上げる前に飛び出した。
そして…病室に駆け込んだ…

「しなな………いでよ………ねぇ…………お願い………死なないで…」

横島の手をジュリアが、硬く握っている。
瞳から涙を流しながら…

「心臓停止!!」
「っく!!電気ショックだ!!行くぞ!!」

ドフンッドフンッドフンッ
電気ショックを行なうたびに横島の体が、飛び跳ねる…





そして…悪夢の一言が…





「先生!!心音・脈拍共に完全に止まりました…」
「…皆さん…すみません…ご臨終です…」






静かな病室に響く泣き声…
それは、会って間もない…一人の少女の声…




そして、時間が止まってしまったかのように固まる皆…




「横島さんっ!!」
「横島君!!」
「先生!!」
「ヨコシマ!!」




皆、横島の名前を呼び横島と呼ばれていた体に駆け寄る…















そして、体から離れる横島の魂…
「俺が見える…そうか…俺…死じまったのか…」





「もう…どうでも良いや…俺は死んだんだから…はっ…ははっはははっ。」
「本当にそれで良いのか?」
其処に現れるもう一人の横島…
「ああ…それでいい…」
「馬鹿野郎!!!!」

横島は…気力を完全に失っている…
正確には…生気だ。

「俺に何かできる?死んだ俺に。」
「まだ、体に戻れる!!早く戻れ!!」
「戻って何をすんだ?」
「お前が、助けたあの子はどうする!!」
「美神さんが、引き取ってくれる。」

全て、終わった…後は、残っている人に任せればいい…
それが、今の横島の思想…

「それじゃあ、あの子は、救われないぞ…」
「・・・」
「お前に心を開いた…だからあの子は、涙を流せる…」

横島の分身は、離し始める…

「精神で、繋がる事…それは、百回会うことよりも…一年一緒に暮すよりも深く分かり合える…」
「・・・・」
「あの子は、無意識に他人の心を見通してしまう…だから人間の悪い所を見てしまう…」
「・・・・」
「それ故に…心を閉ざした…生まれて、両親が死んで、から十数年…閉ざし続けてきた…」
「・・・・」
「それなのに、お前に勇気を振り絞って、心を開いた!!なのに、お前は、何もしてやらないのか!!」
「・・・・」
「あの子は、このままだと、もっと心を閉ざす…そして、人間を全て信じなくなる。それでも良いのか!!」
「言い訳がないだろ…」

終始無言だった横島が、ようやく口を開く…
決意を秘めた眼差しをもって…

「俺は、戻る!!」
「そうしてくれ。彼女のためにも…あの子を心から愛せ…」

横島は、最後の言葉は、聞かなかったことにした。
そして、横島は…
元の器に戻る…
魂の紐をたどって…

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やっとおわったーと思ったら…まだ後一話書かないと一章終わらないじゃん…
今回の話が、妙に長引いちゃったからなぁ。
ちなみにジュリアの名前は、次回つけますんで。よろしく!!

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