ザ・グレート・展開予測ショー

モンスタースイーパー(その11):決戦前夜


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(03/ 2/17)

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モンスタースイーパー (その11):決戦前夜




「ガァァ!!」
「ファイヤー・ボール!!」
「こんにゃろ!!」
「ギシャーーーーーー!!」
「ホワイト・ガード!!」
「いくでござるよ!!」
「ブォォォーーーーーーー!!」
「ライトニング・ボルト!!」
「バストーク・メギド!!」
「ゲシャーーーーーー!!」
「うわーーーーー!!来るな来るなーーーーーー!!!」
「キィィィーーーーーーー!!」


私たちは、魔王がいる地"グラウンド・ヒル"にいる。
太陽の明るい光は、紫色の薄気味悪い雲が、完全に遮断し、
地面は荒れており、草1本も生えてない。
そして・・・・・、
敵が多すぎる!!
あぁ、もう!!
1時間の内に、15回もの戦闘があったのよ!!
おかげで休む暇もありゃしない!!
上のセリフは、このグラウンド・ヒルに来てから、83回目の戦闘。
サイクロプスやら、ワイバーンやら、ドラゴンやら、デーモンやら・・・。
上級の魔物が、次々と出てくるのだ。
こっちの体力というものを考えてほしいわね!!
「あ、あんさん鬼や〜・・・・・。」
ドラゴンのブレスによって、黒焦げになった横島クンが言った。


ザク!ザク!ザク!
荒れた大地の次は、雪が降り積もった岩山。
50cmくらい、雪が降り積もっており、移動が困難だった。
「キィィィ!!」
しかも、敵が襲ってくるし!!
何よ!!今度は、ガーゴイルが5匹!?
こっちの都合も考えなさいよ!!
私は、積もっていた怒りを、ガーゴイルたちにぶつけた。

海の人魚より美しきもの
天の女神より可憐なもの
すべての男を魅了せし
素晴しき貴女に 私は願う

その美と魔の力に刃向かいし
すべての醜きものに
貴女と私の力により
美を汚すものを今消し去らん!

「美醜爆(ビューティ・フレア)!!」
チュドーーーーーーン!!
「ギャーーーーーーーーーーー!!」
空中にいたガーゴイルは、一瞬の内に消滅した。
「ふふ、ちょろいもんね。」
ゴゴゴゴゴゴ
「うわーーーーーーーーーー!!!」
雪崩が起きた。
「逃げるわよ!!」
私たちは、雪の上を走っていく。
「美神さんのアホォォォォォォォォォォォォォォ!!!」
ドップラー効果が出た叫びを、横島クンがした。


幾つもの岩山を越えて・・・・・、
私たちは見た。
「あれが、魔王の城さ。」
ゴーゴンが指差す所には、巨大な城がある。
私は、周りを見回す。
なるほど・・・・。岩山に囲まれ、簡単に攻め込めないようになっている。
しかも、城の辺りには森が広がっている。
遠視の呪文で、その森を見ると・・・・。
木はすべて、同じ形になっており、一種の樹海となっていた。
迷い込んだら最後、魔物に食い殺されるしかない。
まさに、自然の要塞だった。
「魔王を倒せば、現代に戻れるんですよね?」
おキヌちゃんが聞いてくる。
「えぇ、そうよおキヌちゃん。魔王を倒せば・・・・、この旅も終わる・・・・。」
私は、目線の先にある、魔王の城を、ただ眺めていた。



マッピングの呪文を使い、私たちは、迷うことなく、森の中を進んでいた。
「美神さん、そろそろ休みませんか?」
おキヌちゃんがそう言う。
後ろを向くと、横島クンと、シロ、タマモ、バベロスは、ヘトヘトの状態だった。
「そうね・・・・。明日は、敵の城に乗り込むんだし・・・・。」
こうして、私たちは、野営をすることにした。

夜・・・・・。
紫色の雲が晴れ、赤い満月が、姿を現す。
そんな中、私たちは焚き火を囲んで食事をしていた。
・・・・・・・・。
静かな食事・・・・・。
「あぁ!!拙者の肉!!」
「早い者勝ちじゃ!!」
「うぅ!ひどいでござる〜!!」
・・・・・・・・。
えぇ〜い!!
緊張感というものが無いのか!!アンタたちは!!


「・・・・・み、・・・・・・かみ、・・・・・美神。」
皆が寝静まった頃・・・・。
私は起こされた。
「ったく、やっと目覚めたかい。」
目の前に、溜め息をつくゴーゴンがいた。
「何よ。」
「ちょっと、こっちへ来な。」
そう言って、ゴーゴンは私を向こうの方へと連れて行った。
「何の用よ。」
私は、ゴーゴンに聞いた。
「アンタ・・・・、横島のヤツが好きなのかい?」
ズテーーーーーーン!!
私は、その場でコケた。
「ななななな、何を言うのよ!!あんな変態ヤロー、好きなワケないでしょ!!」
「・・・・・・ま、いいよ。」
そう言って、ゴーゴンはニヤリと笑う。
それが、見透かしたような笑みに、私は見えた。
「起こしたのは、アンタに、メフィストのことを教えたくてね・・・・。」
「!!」


「恋人(ラヴァーズ)?」
「そう、それがメフィストが晩年に創り上げた、最強の白魔法さ。」
「しかし・・・、世界中の悪しき心を消すなんて・・・。スケールがでかいわね。」
「アンタほどではないさ。アンタだったら、魔王にでもなりかねないからね。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・・これだけは言っておくよ。魔王は、メフィストが恋人タカシマの犠牲を払って倒した、魔王アシュタロスよりも、何倍に強い。今のままで、勝つことは難しいねぇ。」
「確率は?」
「0,0000000000001%ってところかい。」
「・・・・・・・けど、0%じゃないんでしょ?」
「まぁね。」
「私は勝つわ。私のモットーはね、「自分の現世利益を邪魔するヤツは、神でも魔王でもブッ倒す!!」なのよ!」
「ハハッ!アンタらしいねぇ!」
ゴーゴンは、私の肩をポンと叩いた。
「ま、最後まで協力してやるよ。アタシも、タダで死ぬのは嫌だからねぇ。じゃ、おやすみ・・・・。」
そう言って、ゴーゴンは、皆の寝ている所へと戻った。
・・・・・・・・。
決戦前夜は、こうして更けていった・・・・。

・・・・続く。

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