ザ・グレート・展開予測ショー

モンスタースイーパー (その10):後編


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(03/ 2/15)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
モンスタースイーパー (その10):後編



逃げる。
ひたすら逃げる。
死ぬまで逃げる。
今、私たちは追われている。
街から抜け出し、山賊に襲われ、
私たちは、必死に逃げていた。
「横島に持たせている袋がなけりゃ、いい台詞なんだけどねぇ。」
う、うるさいわね!ゴーゴン!
ただ、今まで私たちを襲った連中を返り討ちにし、
持っていた金品を、ほんの少しだけもらっただけじゃない!
「へ〜。じゃあ、何で袋があんなに大きくなってるんだい?」
・・・・・。
私は、後ろを振り向いた。
息を切らしている横島クンが、人が2人か3人入ってるくらいに、中身が入った袋を担いでいた。
いつの間にか、こうなっていたのだ。
え?アンタが言うと説得力無いって?
うるさいわね!!


ブゥオン!!
「!!」
逃げる私たちの前に、1匹のモンスターが姿を現した。
「待っていたぞ!賞金首!!」
「ちょっと!!何でモンスターが賞金稼ぎをやってるのよ!!」
私は、目の前に現れたモンスター(ウェアウルフ)に対して言った。
「うるせぇ!!モンスターの世界だって、不況で苦しいんだ!!
俺はな、長年勤めていた山脈のモンスター協会から、リストラされたんだぞ!!」
そう言って、ウェアウルフは涙を流す。
モンスターの世界も大変なのね・・・。
おっと、そんなことはどうでもいいんだ。
私は、神通棍を持ち、ウェアウルフに向けた。
「私の逃亡を邪魔するようだったら、この世界一のMSである、この美神令子が、極楽に行かせてあげるわ!!」
「えぇ〜い!!そんなこと分かっとるわい!!出ろ!!」
ウェアウルフがそう言うと、周りから、大勢のモンスターが姿を表す。
トロルやら狂戦士(バーサーカー)やら巨大カエルやら巨大ミミズやら・・・・。
ん?あの黒いのは・・・・。
ガサガサ・・・・
・・・・・・・・・。
「キャーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!」



美神の突然の悲鳴に、戦闘態勢をとっていた横島たちは驚く。
「どうしたんですか!?美神さん!」
「ゴ、ゴキ、ゴキブリーーーーーーーー!!イヤーーーーーーーーー!!!!」
泣き叫び、その場を走り回る美神。
すでに、威厳などはまったく感じられない。
横島は、美神を「眠」の文珠で眠らせる。
「う・・・・・・。」
その場で倒れ、寝息をたてる美神。
その美神を囲んだ状態で、横島たちは敵を見ていた。
ガサガサ
茂みから、巨大なゴキブリが姿を現す。
某有名ホラーアクションゲームで、同じようなものは出てきたが、
実物を見ると、やはり気色悪いものである。
「確かに、泣き叫ぶのも無理はないわな〜。」
すでに、横島の腕には、巨大ゴキブリを見たために、鳥肌が立っていた。
他の皆(ゴーゴン以外)も、鳥肌を立てていた。
横島は、自分の両頬を、両手で叩き、気合を入れた。
「よしっ!いくぞ、皆!!」



バベロスの武器は、弓矢である。
背中に矢筒を背負っており、その中には、数十本もの矢が入っている。
「うわーーーー!!来るな来るなーーーーー!!」
迫ってくるモンスターたちに、叫ぶバベロス。
しかし、手は弓を引いており、その弓から、矢が放たれる。
バシュンッ!!
放たれた矢は、モンスターの急所に命中する。
「あ、鮮やか・・・・・。」
シロは、唖然とした表情で言った。



数十分後・・・・。
約半数の敵を倒した横島たちであったが、すでに限界に来ていた。
「コイツらは、アタシに任せな。」
そう言って、ゴーゴンが前に出る。
そのゴーゴンに、モンスターたちが襲い掛かる。
ゴーゴンは、ニヤリと笑って、呪文の詠唱を始めた。


炎よ、水よ、風よ、土よ
この世の世界を創り上げた幾多の精霊たちよ
我に力を与えよ

我に仇なす、すべての者に
恐怖を与えよ
絶望を与えよ
滅びを与えよ
我の怒りを与えよ!!

「精霊の怒り(アクエリアス・ブレイク)!!」
ゴーゴンがそう叫ぶと、モンスターたちを、地面に現れた光の円が囲む。
その光から、まばゆい光が発せられる。
「ギャアアアアアアアアアアアアア!!!」
モンスターたちの悲鳴が聞こえる。
その悲鳴が収まり、光が消えると、目の前にいたすべてのモンスターたちが消滅していた。



「・・・・・・・なるほど、そういうことかい。」
ゴーゴンは言った。
「どうしたんですか、メドーサさま?」
バベロスが尋ねる。
「空を見てみな。」
「え?空ですか?・・・・・・・!!」
驚愕するバベロス。
空には、紫色の雲が広がっていた。
「め、メドーサさま!!こ、ここは!!」
「間違いないねぇ。アタシたちを賞金首にし、逃亡させるように仕向けたのは、魔王の仕業だ。」
「ど、どういうことなんです!?」
おキヌが聞く。
「ここはねぇ・・・・、魔王の城がある地・・・・、"グラウンド・ヘル"さ。」
「!!」
一同は驚愕する。

「すやすや・・・。金よ金ぇ・・・・・。」
美神は、まだ寝ており、寝言を立てていた。

続く・・・・。

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa