ザ・グレート・展開予測ショー

アルバイト ウィズ ヴァンパイア


投稿者名:MAGIふぁ
投稿日時:(03/ 2/15)

 これは横島タイガーが自らの存亡を賭けて戦っていた頃の、もう一人の少年の行動である。



ピートは横島達が多分碌な事にならないだろうと悟っていても何もしなかった。

何故なら、巻き込まれたら自分もヤバいと分かっているからだ。

しかし、友人としてせめて命だけは助かるように神に祈っておこう。

そう思って住んでいる唐巣の教会へと帰ってきた時、ピートは郵便受けに手紙が来ているのに気付いた。

「え〜っと…教会宛てか。何だろう?」



電気ガス水道と電話料金の督促状でした(笑)



「どうしましょうか?先生…」

「どうしようか?ピート君…」

電気とガスは止められてもしばらくは大丈夫だ。電話も同じ。だが水道はヤバい。特にトイレが流せなくなるのがヤバい。

全部合わせて、しめて36,899円。

何とかなるといえば何とかなる金額ではある。

だが、督促状が来た以上早急に何とかせねばならないし、またすぐに次の集金がやってくる。

さらに、今までこれらの料金を回していた食費も確保せねばならない。

余裕を持って6万円くらいは稼ぎたい所である。

しかし、はっきり言って当ては無い。

この教会に持ち込まれる除霊は決まって依頼人に金が無い。

オカルトGメンが日本に出来てからは多少依頼が減ったものの、無くなる事は無い。

これは唐巣神父の人徳と能力の両方が高い証明なのだが、この際救いにはならない。

今必要なのは、経済力のある依頼人か、金になる仕事なのだ。



そして、結局いい考えは出ず、お金持ちも小金持ちも来ずに次の日。

「はぁぁ〜……ん?」

ため息をつきながら学校に向かうピートは、道路工事のお知らせに気付いた。

う〜〜ん…僕は学生だからこういったバイトはダメかも知れないけど…でも、僕って未青年じゃないしな…

考え込むピート、数百歳。

「よし!学校帰りに行くだけ行ってみよう!」

工事を請け負う会社の名前をメモって一先ず学校に向かうピートだった。



そして、放課後。

『まだ』無事だった友人達の幸運が続く事を祈りつつ、バイトの面接に向かうピート。

だが、一目で外人と分かり、しかも学校帰りで学生服だったため、現場監督さんに渋い目で見られてしまう。

だが、神は彼を見放さなかった。

「お?なんじゃピートではないか。お主もバイトか?」

救いの神は黒いコートを纏い、機械の娘を引き連れていた。

「なんだい、カオスさんの知り合いかい?」

「うむ。こいつは雇った方がよいぞ。マリア程ではないが役に立つからの」

「へぇ…アンタがそう言うなら、雇ってみるか」

カオスの登場でトントン拍子にバイトが決定したピート。

「ありがとうございます!カオスさん」

「いや、なに。困った時はお互い様じゃろ?」

ピートの礼に笑って答えるカオス。だが、カオスは以前教会の施し(パンとワイン)を貰いに来ていた事があるので本当にお互い様だったりする。



そしてマリア程ではないが、力があるピートは本当に重宝され、後にカオスの仲介でのビルの工事では空を飛べる事でさらに重宝されて、結構なバイト料を稼ぎ出したらしい。

またピートも、マリアのお陰もあって人外のものにも理解ある職場が気に入ってしまい、以後もちょくちょく顔を出すようになったと言う。学校以外で普通の一般人達にフレンドリーに接してもらえたのが嬉しかったのだろう。



あまりにも居心地のいい職場だったため、彼は将来オカルトGメンとこのまま教会に居続けてのバイト生活のどちらを選ぶかで悩む事になるのだが…

それは余談である。

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa