ザ・グレート・展開予測ショー

はじめてのヴァレンタイン(1)


投稿者名:ゲン
投稿日時:(03/ 2/15)

プロローグ
2月14日・・・俗にいう聖ヴァレンタイン・・・この日、リョウは町をぶらついていた・・・

「ふぅ・・・今日はカローの追っ手が来る様子もないし・・・ドイルさんはまた中毒で放心状態になっちまってるし・・・ひまだなぁ・・・まぁ、たまにはいっか」
そう、ここ数ヶ月非常に忙しく、休日などとは縁が遠かったのである
平行世界に行って以来、いきなりドイルとアニーザキスのすんでいたビルが爆破されたり、お寺や、神社だけが被害を受けた地震があったり、リョウの体が、カナタの星に送られてしまったせいで、カローの追っ手が急増したり・・・上げていけばキリがない。なお、住む所を失ったドイルは、星の油に下宿しており、牛乳中毒も前よりは良くなったため、元気なときはリョウと訓練をしたりしてリハビリに励んでいたりするのだが・・・本編にでてくる事はない
「んにしても・・・なんでヴァレンタインだからって、こんなに盛り上がれるんだ?・・・」
リョウが、町の様子を見て愚痴を言う・・・まあ、しょうがないのかもしれない。何せ、10年以上も銭湯を守るためにがんばり続けてきたのである。ヴァレンタインのような娯楽とは、縁遠かったのだろう・・・サヤカとも、一時期交友がなかったそうだし
『・・・ウ殿・・・リョウ殿、聞こえるか?』
そんな愚痴を言っていると、セイリュートから通信が入る
「ん?セイリュートか?どうした?」
『先ほど、町の近くに宇宙船が着陸したのを確認した。インベーダーかもしれないから、すまないが、少し見に行ってくれないか』
「了解。詳しい位置は?」
リョウは、セイリュートから場所を教えてもらうと、そこへ向かって飛んでいった


CASE1  天沼 ゆかり
リョウが飛んでいったころ、以前リョウが仲良くなった少女、天沼ゆかりは学校から下校していた・・・その手の中にはチョコレートと思われるものを持っているのだが、なぜか悩んでいるように見える
一体なんに悩んでいるのであろうか?それを知るために時間を巻き戻してみよう・・・

〜回想〜
1日前、下校時
「ねぇねぇゆかり。明日のヴァレンタインデー、誰かに上げるの?」
ゆかりの友人と思われる女の子が、ゆかりに話し掛ける
「え?別にないけど・・・」
「そうなの?じゃあさ、悪いんだけどチョコ買いに行くの付き合ってくれない?」
別に断わる理由も無く、ゆかりは友達とチョコを買いに行った

「ど・れ・に・し・よ・う・か・な♪」
ゆかりの友人が、楽しそうに選んでいる間、ゆかりもなんとなくチョコを見て回っていた
そうやて見て回っていたチョコの中に、なぜか不意にゆかりの目にとまった物があった・・・普通の、何の変哲も無いハート型のチョコレート・・・気が付いたときには、ゆかりはそのチョコレートを買って、家路についていた

数時間前
「・・・なんで買っちゃったのかなぁ・・・渡す人もいないのに・・・」
ゆかりがぼやく・・・昨日、買ったチョコを持てはやしているのだ
「適当な人にでもあげようかな・・・でもハート型だしなぁ・・・勘違いされるのも嫌だし・・・」
そんなこんなで、ゆかりのチョコは、誰かに渡される事もなく、ゆかりの手の中にあるのである
回想終了

「ふう・・・お父さんにでもあげようかな・・・」
そんな愚痴を言っているゆかりに、気配を殺して近づいてくる影があった
「くっくっくっ・・・この星には、どうやら大量に獲物があるらしいな・・・手始めにあの娘から・・・」
フードをかぶった謎の男が、ゆっくりとゆかりに近づいていく・・・周りには2人のほかに人影は無い・・・
がしっ
「きゃっ」
ゆかりの手が男につかまれる
「まず・・・一つ・・・」
「おらぁっ!!」
ドガァッ
男がつぶやくと同時に何者かが男を蹴り、鈍い音が周囲に響き男が吹っ飛ぶ
「・・・こんなところにいやがったか・・・このインベーダー野郎・・・」
「な、何だてめぇは!?」
「俺か?・・・正義の味方だよ!」
そこに立っていたのは、先ほど宇宙船の調査に向かったはずのリョウであった
「(この子・・・誰?・・・確か・・・いつかあったような・・・)」
リョウの姿をみて、ゆかりがなにかを思い出しそうになる・・・しかし、セイリュートによって記憶が消されているため、どうしても思い出せない
「正義の味方だとぉ・・・?・・・ガキがふざけてんじゃねぇ!」
ゆかりがそんな事を考えている間に、先ほどの男はフードを外しており、隠されていた顔は、某ケムー○星人そっくりであった
「え?ええええ?」
ゆかりがあっけにとられた様な言葉をあげる・・・まあ、普通そうだと思うが・・・
「おい、てめえ、何の目的で地球にきやがった?」
リョウがインベーダーに問い詰める・・・どうやらゆかりには気付いていないらしい
「私がこの星に来た目的か?・・・いいだろう、教えてやる・・・私が地球に来た目的・・それは!」
「それは?」
「それは・・・この星のチョコをすべて奪い尽くすためだぁぁぁ!!」
ズシャァァ
リョウがこける・・・まあ、普通そんな目的で地球に来るとは思わんわな
「な・・・何のために奪うんだよ、チョコなんて!!」
リョウが気をとりなおして問う
「フン、ならば教えてやろう・・・わたしの星ではな、かつてチョコ・・・正確に言えば、この星のものとは少し違うがな、それが常に星の者全員に配給されるほど原料が豊富だった・・・もはや、それなしでは生きられぬほどにな・・・しかし、それも100年前までの話・・・今では、原料もほとんどなくなり、一部の特権階級のやつらしか食べれぬものとなったのだ!!おかげで今私の星では餓死者が毎日のように出ている・・・だから私は他の星から奪い、それを我が星の貧しい住民に配給し続けてきたのだ!!この私の崇高な目的を妨げるものは、誰であろうと許しはせん!!」
言い終わると、ケムー○星人は、リョウへ攻撃を仕掛けてきた・・それにしても、意外とまともな理由である
ガッ
「言い分はわかるがな、だからって何故奪わなくちゃならねぇ!?」
リョウがケムー○星人の攻撃を防ぎながら問う
ヒュッ
ケムー○星人がリョウの反撃をよける
「なぜかだと?私の星ではな、特権階級の住民以外には、金というものが支給されんのだ、おかげで、大半の住民は、配給でなんとか生き延びている状態・・・私が乗ってきた宇宙船は、特権階級の人間が使っていたのであろう、捨てられていた宇宙船を友人と改造して何とか使えるようにしたのだ・・・すべては、我が星の住民を救うために!貴様のような何の心配もなく毎日を生きているようなやつに!私の崇高な理想を妨げられてたまるかぁぁ!!」
ボグゥッ
ケムー○星人が渾身の力を込めてリョウのボディにこぶしを叩き込む
「グッ・・・いってえな!この野郎!!」
バキャッ
「ガッ・・・ハッ・・・」
リョウのけりが側頭部に決まり、ケムー○星人が倒れる
「・・・仲間を救うためだからって・・・犯罪犯してどうすんだよ・・・馬鹿野郎・・・」
リョウのつぶやきが、ゆかりの耳だけに届いた・・・

『それでは、こいつは乗ってきた宇宙船に乗せて、マリーアントワネットで牽引して辺境監視団送るから・・・』
セイリュートが、ケムー○星人のこの語の処理をリョウに伝える
「・・・なぁ、セイリュートあいつの事だけど・・・」
『大丈夫だ、リョウ殿、クロカゲたちに、ちゃんとその旨を伝えるように言っておく。そうすれば、この者の星に援助物資が送られるだろう』
セイリュートの言葉を聞き、リョウの顔が明るくなる
『それでリョウ殿、後にいる・・・ゆかり殿はどうするのだ?』
「・・・え?」
リョウがゆっくりと後ろを向く・・・今まで、本当に気付いていなかったらしい
『それでは、私はもう戻るが、できるだけ我々の正体がばれないように説明してくれ、以前のさやか殿のようになるといけないからな』
ビュンッ
セイリュートの姿が消え、後にはリョウとゆかりだけが残った
「(え〜と・・・なんて言えばいいんだ・・・どうすりゃばれないですむ?)」
「・・・あの・・・ありがとう・・・」
リョウが何を言おうか迷っていると、逆にゆかりから声をかけてきた
「え?あ、いや、たいした事ねぇって。はは・・・そ、それよりも悪かったな、迷惑かけちまって」
「ううん、私は何も怪我もしなかったもの。あなたこそ大丈夫?」
「ん?ああ、平気平気(何せ機械の体だし)いや、怪我が無くてよかったよかった」
リョウが声を上ずらせながら返答する
「・・・ねえ、あなた、名前はなんていうの?」
「え?リョウだけど・・・」
「リョウ君か・・・これ、あなたにあげる。助けてくれたお礼・・・受け取ってくれる?」
ゆかりがチョコをリョウに手渡す
「え?いいのか?・・・その・・・初対面の人間に」
「いいの、あげる人もいなかったからちょうどいいわ」
「・・・そっか、ありがとな」
リョウが微笑みながらチョコを受け取る
「そ、それじゃあ、俺もう行かなきゃなんねぇから・・・ありがとな、チョコ」
「うん、それじゃあね、リョウ君・・・いつか、また縁があったら会おうね」
「・・・ああ」
リョウは、短く別れの挨拶をすると星の湯へと走って帰っていった
「・・・いつかまた会おうね・・・星野君・・・」
ゆかりの言葉は、誰の耳にも聞こえる事は無く、虚空へと散っていった・・・

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あとがき
ごめんなさい(土下座)
予告してたのに・・・14日上映って・・・本当にごめんなさい
今週中には全部あげますから・・・
あ、シロの・・・(3)にコメントくださった方、ありがとうございました
あっちのコメント返しは、シロの・・・(4)で致しますので、お待ちください

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