ザ・グレート・展開予測ショー

世界はいつも流れて……(38)


投稿者名:リュート
投稿日時:(03/ 2/14)

 暴走警報が発令しました。暴走度8の超大型暴走がこちらに接近中です、至急退避を!
 俺の脳裏に警報が発令され、おキヌちゃんと逃げる。

「バ、バカなー!夢の中に式神を全部出すなんて……不可能なはずじゃない!!」
「んなこと言ったって出とるだろうが!!」

 俺は走りながらナイトメアに言う。

「うわああー!!」「ひええええ!!」「ううっ!!」
「駄目ーー!!分身をやっつけたら美神さんが!!」

 おキヌちゃんの静止の声も虚しく、式神達が美神さん達に襲いかかる。
 スパコーン!!

「きゃああああああ!!」 

 あ……中学生の美神さんが式神達にはねられて、空を飛んだ。

「そんな理屈や説得が通用する訳無いでしょう……早く退避しないとこっちもヤバイぞ!」
「み、みたいですね……」

 ドカアアンンン!!ドコココッ!!ガガガガンンン!!

「うわあんんん!!!」「きゃあー!きゃあー!」「きゃああ!!」 
「なんとかしないと……」
「美神さんが四人いてもこうなるのか……みんな逃げるだけで必死だな……」

 さすが冥子ちゃんの暴走……って関心してる場合じゃない!今のうちに美神さんを助けて……

「うわっ!あの女ムチャクチャじゃないっ!?このままじゃボクも死んじゃう!もう逃げ……」
「駄目です!逃がしません!!」
「離しなさいよ!このしつこいわね!!この!」 

 ナイトメアが逃げようとすると、なんと、おキヌちゃんがナイトメアにしがみつき逃がさないようにする。

「美神さん!今、助けます!」

 俺はヒョウの体を掴んで一気に引っ張りあげた。
「離しなさいってば!!!」

 ナイトメアはおキヌちゃんを振り払い、叩き落とした。

「おキヌちゃん!!……て、てめええ!!許さねええ!!!!!」

 俺は文珠「飛翔」を使って空を飛び、一気にナイトメアに迫る。

「俺のこの手が真っ白に光る!」

 栄光の手に何故か「制裁」と文字が書かれて光った。

「おキヌちゃんファンの怒りが轟き叫ぶ!爆熱!!ハンズオブグローリー!!」

 バキッ!!ドカカカカカアアンン!!!

「フィギャアア!!」

 俺の怒りの鉄拳制裁に上空から地面に叩き落されるナイトメア。
 ガウウウ!!ガブッ!!

「グアア……ガアアァーーッ!!」 

 地面に思いっきり叩きつけられて動けないナイトメアの喉を、ヒョウが噛みつく。

「大丈夫か?おキヌちゃん!」
「はい……あっ!水面が……!?」

 ん?水面が波立ってるな……ってことは……
 ピカカアアアアンンン!
 ヒョウは赤く光ると、人間に戻った。

「「美神さん!!」」
「もう大丈夫!!夢は奴から取り上げたわ!!夢はナイトメアの武器でエネルギー源なのよ!それを取り上げりゃーあんな奴なんでもないわ!!けど、その前に……冥子!冥子、あたしよ!分かる?もういいから式神達をなんとかして!!」

 美神さんは暴走している冥子ちゃんに近づいて体を揺する。

「れ、令子ちゃん〜〜?ああ〜〜!!令子ちゃん〜〜!!」

 泣き顔から笑顔に変わった状態でしばらく止まり、糸が切れた人形みたいにパタリと倒れそうになる。

「よっと!やれやれ……!っとにもー……助けたんだか助けられたんだか……」

 美神さんは冥子ちゃんを支えた。

「……で何所に逃げるんだい……ナイトメア……」
「さてと、寄生虫を退治しないとね!」 

 俺と美神さん軍団は、逃げようとするナイトメアの前に立ちはだかる。

「ひっ!わ、わかったわ!ボクの負け!!もーしないから許して、許して!!ねっ!?」
「謝って許して貰えるならならGSはいらないわ!ちょっとばかり悪さが過ぎたみたいね。このGS美神令子が……極楽へ行かせてあげるわ!!」

 いや、ちょっとばかりじゃなくてかなり悪いことしてるよ。こいつは極楽じゃなくて地獄の底に行かせてやるさ!!

「夢を取られたらボクなんか低級霊並の力しかないんじゃないっ!?それをよってたかってやっつけることないじゃないっ!?」

 か、哀しい奴……高額の賞金がかかってるプライドを完全に捨てちまってる。

「お願い〜〜!!許して〜〜!!」
「……だ、そうよ。どーするみんな?」

 もちろん答えは決まってますよ、美神さん!

「地獄が」
「あんたを」
「呼んでるわ!」
「ゆわよ!」
「……ということで!!たこ殴り決定!」

 高校から幼稚園の美神さんがそれぞれ答え、俺が最後にしめる。
 バキドココココッコオ!!ドコココココッ!!

「ひっ、あ・・…ひええええーー!!痛いいいい!!そこ駄目!!ぐぎゃあああ!!」

 俺達は第一回ナイトメアたこ殴り大会を開始した。




「はっ……!」
「おおっ……!!気づいたか!!」

 目が覚めると医者が目の前にいた。

「ふぁ〜、よく寝た……!」 

 ああ、なんか物凄く体がボキボキいうな……

「……ごめんね〜〜令子ちゃん〜〜……私〜〜令子ちゃんを助けに来たのに〜〜逆に令子ちゃんを危険な目にあわせてしまったわ〜〜……」

 冥子ちゃんは顔を伏せてしまう。

「……そんな事無いわ!冥子が助けにきてくれたから私は助かったのよ!もっと自分に自信を持ちなさい!」
「れ……令子ちゃん……だから令子ちゃん好き〜〜!!」

 冥子ちゃんは美神さんに抱きついた。
 う〜ん……美神さんがあんなこと言うなんて……

「あっ!ちなみに私も冥子を助けたんだから報酬は山分けでよろしくね!」
「「だああ……」」

 俺とおキヌちゃんはこけてしまった。やはり美神さんは美神さんか……

「それにしても……かったり〜〜頭がボ−ッとする……」
「3日も眠ってたんだ、それぐらい当然だろう」
「へ〜……」
 
 しばらく沈黙……

「「「「3日〜〜!!」」」」
「あー!!あーー!!ごめんなさいーー!!」
 
 俺達が迫ると何故か医者が謝っていた。




 その後……

「短い髪なびかせて〜〜純粋な瞳〜〜」
「この街を式神で飛びまわれば Big dream coming YEAH〜♪」

 冥子ちゃんと俺はカラオケでデュエットしていた。

「おキヌちゃん、次デュエットしない?」 
「それじゃ、この曲がいいです」

 俺達は、3日間眠り続けた元を取るために連日遊び回ったのでした。

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