ザ・グレート・展開予測ショー

世界はいつも流れて……(37)


投稿者名:リュート
投稿日時:(03/ 2/14)

 美神さんが四人も……悪夢だな……ってここは夢の中だけど……

「ここにいる四人は『美神令子』を構成する『過去』の代表じゃない!?一人でも殺せばこの女は元に戻れないわよ!?でも……」
「でも?」
「ボクはそんなこと知っちゃこっちゃないし、こいつらだってそうよー!!やれ!あいつらを始末するのよ!!」

 ナイトメアの合図と同時に美神さん達が襲ってくる。

「うわ!シャレになってないぞ!!」

 ビュン!ガキン!!

 俺は高校生の美神さんの神通棍を避けて霊波刀を出す。そして神通棍を出した霊波刀で受け止めた。

「令子ちゃん〜〜!!止めて〜〜!!」

 冥子ちゃんが叫ぶが、美神さん達は止まらず小学生の美神さんが冥子ちゃんをヨーヨーで攻撃をする。
 俺は文珠「鞭」を発動、左手で鞭を操り、ヨーヨーの片方を絡めとる。もう一方のヨーヨーはハイラが防いだ。
 それにしても……小学生の美神さんはスケバンデカみたいだな……ヨーヨー持ってるし……これであのヨーヨーに警察のマークがあれば完璧だ。

「きゃああ〜〜!!令子ちゃ〜〜ん!!」
「ま、まずい……押されてる……って痛いいっ!!」

 俺と高校生の美神さんが鍔迫り合いをしていると、急に心臓が痛くなり集中が出来なくなって霊波刀が消えてしまう。俺はバックステップで神通棍を回避して、辺りを見回す。

「くすくすくす……」

 よく見ると、近くで幼稚園の美神さんがわら人形の心臓に釘を刺していた。

「イタタタタ!!……こらーーっ!そんなもの、よこしなさ……ってどわーーっ」

 俺は幼稚園の美神さんの持っているわら人形を奪おうと駆け寄ると、今度は後ろから中学生の美神さんがバイクに乗って襲ってきたのでそれをギリギリでかわす。

「今度は中学生かよ……」
「なんだか知らないけど……髪が短い」
「なに〜〜?何があったのかしら令子ちゃん〜〜」

 う〜ん、多分母親が無くなった時にショックで髪を切ったんだと思うが。
 中学生の美神さんはバイクを反転させて再びこちらに向かってくる。しかも、その後ろから小学生と高校の美神さんが縦一列で迫ってきた。

「美神さんが3人……ま、まさか!!」

 俺はバイクに乗った中学生の美神が迫るタイミングを測る。
 1歩でもタイミングを間違えば……大怪我ですむのか?
 俺はあと少しまで迫ったバイク目掛けて走りだし、ジャンプする。

「なっ!私を踏み台に!!」

 俺はバイクのサドルに片足で着地して、そのままの勢いでジャンプ第一陣を突破、その次に来た高校生の美神さんの上を飛び越え小学生の美神さんの後ろに着地、霊波刀を出してナイトメアに向かって走る。

「そ……そんな!ボクが考えたレッドストリームアタックが破られたのーー!!」

 レッドストリームアタックって……パクリじゃないか……

「死ね!!このウマヅラーー!!」
「おっと!危ないわね!」

 くそっ!上昇してかわされたか……

「ハイラちゃん〜〜!!」

 冥子ちゃんの声がしたので振り向くと、なんとハイラが小学生の美神さんにヨーヨーで滅多打ちにされていた。

「ハイラ!!……くそっ!!そこを退け!!」
 
 俺は何とかハイラの元に行こうとするが高校生の美神さんが邪魔して通れない。そしてハイラにまたヨーヨーが当たろうとした時、急にヨーヨーが外れる。さらに美神さん達の動きが止まった。

「美神さん達の動きが止まった……」 

 ガルルッ!
 おキヌちゃんの呟きと共に、泉の中からヒョウが這い上がってきた。

「そうか、まだ完全に支配された訳じゃなかったんだ!」
「令子ちゃん〜〜!」

 おキヌちゃんと冥子ちゃんが喜ぶ。

「チイッ!!悪あがきをっ……!!殺るのよ!!全員殺してーっ!!」

 ナイトメアの言葉と同時にまた襲ってくる美神さん達!

「み、美神さん!!」
「このアマ!!落ちなさい!!落ちなさい!!この!この!!」

 ナイトメアはヒョウを足蹴りして泉に落とそうとした。

「令子ちゃん……」

 ブーキキキキーーッ!!!

「えっ!きゃああ〜〜っ!!」

 ドカッ!バタッ……

「あっ!!」
「し、しまった!!」

 俺がヒョウを助けようと冥子ちゃんから離れた隙に中学生の美神さんのバイクが冥子ちゃんをはねる。

「あたしの〜……あたしの親友の令子ちゃんを使ってこんなことするなんて〜〜!」

 バタリと倒れた冥子ちゃんは砂を掴み、ゆっくり起き上がる。

「あんまりだわ〜〜!!えーん……くすんぐすっ……えーん……くすん……令子ちゃん〜〜」

 暴走してない?……いやこれは……嵐の前の静けさ……

「令子ちゃんと私の美しい友情を〜〜……」

 冥子ちゃんの脳裏に美神さんとの出会いのGS試験の記憶や一緒に仕事した時の記憶が流れていく。

「よくも〜〜……」

 そして、ナイトメアとの戦いの記憶が流れ……

「よくも〜〜……よくも〜〜!!よくも〜〜〜〜!!!!!!」

 プッツン!
 その時、俺は確かに聞いた。何かが切れる音を……

「うええええええ〜〜〜〜〜〜〜〜んんんん!!!!!」

 ドッコココココオオオオオオンンンンンン!!

 ふっ……終わっちゃったかな……
 俺は夢の世界に現れた式神達を見てそう思ってしまった。

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