ザ・グレート・展開予測ショー

前途洋々?文化祭 その6


投稿者名:弥三郎
投稿日時:(03/ 2/14)

約2週間ぶりです。いよいよクライマックスを迎えます。

横島が病院を退院したのが文化祭の2日前。
退院するなりライダー姿の企画部門長がやってきた。
「おおい、横島君。すぐに学校に行くから俺のバイクに乗れ!!」
「え゛、部門長、高校生って50cc以上は乗れないんじゃぁ‥‥」
「一か八かで受けたら取れた。16からでも大丈夫じゃない?それよりも早く乗れ!!」
部門長はスペアのヘルメットを横島に放り投げ、自分はSUZUKI GSX-R750に乗り込んだ。
横島が乗り込んだのを見て部門長はバイクを発進させた。
ぎゃろろろん!!
「ぶ、ぶもんちょー!!速度落としてください!!」
「なに、まだ遅い!ニトロ直噴!!」
ぷしゅーー
ばうん!!コアァァァァァァァァァ!!
「ひょえー(涙)!!」
制限速度よりも大きくオーバーさせて2人を乗せたバイクは走り去っていった。

その様子を見ていたルシオラたちは呆然とするしかなかった。
「横島さん、大丈夫でしょうか?」
「事故らなければいいですがノー」
「しかし、部門長のあわてぶり、尋常じゃなかったわね?」
普段は冷静沈着で有名な企画部門長であったがこのときばかりはあわてているようであった。
「何でも、横島さんが立てた企画がメインになるみたいですよ?それの準備が忙しくなっているとか……」
「……病み上がりなのに大丈夫なのかしら…」
ルシオラは横島のことが心配でならないのだ。
そのころ、二人のバイクはとある婦警さんコンビに追いかけられていたとかいないとか。

2日後、文化祭当日の昼下がり。
学校内では大勢の人が集まっている。
そのなかでも、横島が発案したとされる企画物は特にカップルの間で人気があった。
「ヨコシマ、あなた何を考えたの?」
女の子が集まりそうな企画ならともかく、横島がこういった企画を考えるとは誰もが思っていなかったらしい。
ルシオラもその一人である。
「ひでえなぁ。俺は普通に考えただけだぜ?」
「だったら何であんなにカップルが集まっているのよ!!」
どうやらルシオラは未だに横島の考えた企画の内容を知っていないらしい。
無理もない。柳澤教授の講演会で忙しくてパンフレット見ている暇がなかったのだ。
しかも、未だに壊れている川村君が壇上に乱入する騒ぎもあったし。(彼は辻本さんに例の銃で処分された。)
「実言うとな、ルシオラのための企画だったんだ。」
「へ?」
「そんなすっとぼけた顔すんなよ!」
横島は1から説明を始めた。部門長に「ルシオラさんのためにやってみたら?」と言われたこと。
それで色々思案したが思いつかなかったこと。で、光が見えたのはルシオラのさりげない一言からだったこと。
そこで、ルシオラはまた驚いたのだった。
「ええ、私の一言で?」
「ああ、俺がお茶のみに台所に行ったとき、お前、リビングでテレビ見ていたんだ。
 そのとき、テレビで特集やっていたのがウェディングドレスでね。お前はそれを
 みていいなぁ、ってつぶやいていたんだ。」
「あら、あのこと聞かれていたのね。」
ルシオラは舌をちょっと出して、てへへと笑った。
「それで、これだ!と思った訳。ありがとな、ルシオラ。」
横島は少し顔が赤くなっていたが、ルシオラ本人はまるでゆでだこのように顔を真っ赤にさせた。
「い、いえ、どういたしまして……」
「と言うわけで、企画に行ってみるか?」
「い、今ぁ?仕事はどうすんの?」
「ルシオラは終わってるだろ?おれの担当はあと2時間後だからまだ大丈夫。」
言い終わるや否や横島はルシオラの手をとって企画会場に向かった。

比較的、早めに順番が回ってきた二人。更衣室で思い思いのおめかしをして会場に出た。
「わー、見違えるようだなぁ。やっぱり俺が惚れた女だ。」
「あら、あなたこそ。でも、タキシードだったら似合わなかったかも。」
「美神さんと同じこと言うんかい!」
そこで二人はくすくすと笑った。
「ありがと、ヨコシマ。あの時、私の霊基構造が回復しなかったらこのようなことはできなかったわね。」
「ああ、そうだな。でも、今がある。それを大切にしていかなくちゃな。だから、お前の事を守っていきたいと思うんだ。」
「ヨコシマ……」
「ルシオラ……」
二人の距離が短くなり、そして……

短いようで長い時間。二人の唇が離れた。

「ルシオラ、これからもよろしくな。」
「こちらこそ、ヨコシマ。」

「うっ!」
横島がうめいた。
「大丈夫なの、ヨコシマ!!」
「ああ、ちょっと吐き気が……へ?」
なにやら殺気が漂っている。おかしいなと思いつつふり返るとそこには顔は笑っているが額には
イゲタマークを貼り付けているルシオラがいた。
「あの、ルシオラさん?」
「あんたねぇ、キスした後だって言うのにそういう事するわけぇ!」
「ちょっと待て、まだ俺は完全に完治したわけじゃ……」
「問答無用!!」
どむっ!
ルシオラの右ストレートが命中!
しかし、あて所が悪かった。横島は真っ青で今にも吐き出しそうな顔である。
「あ、大丈夫?」
横島の返事は




ろっぱぁー




「きゃーー!!」


その後、白井総合病院。
ピートがルシオラに尋ねる。
「あの、ルシオラさん。横島さん風邪治りかけていたのに何かあったのですか?」
「いや、ちょっとね。あはははは」
乾いた笑い声を上げているルシオラ。
病室のベットには包帯ぐるぐる巻きの横島が横たわっていたそうな。

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