GSアフター一章(心閉ざしし者…U)
投稿者名:ルーン
投稿日時:(03/ 2/14)
「だからごめんって。」
「ごめんで済んだら警察は要らないの!!」
「ほんまはた迷惑なやっちゃ。」
「ほんまほんま。」
「ヨコシマ。約束してるんなら言ってくれればいいじゃない。」
横島は、予定時刻通り来た愛子に絞られていた。
他の面々からも助け舟どころか、呆れた視線を投げかけられた。
「今回だけだからね!!!」
「わかったって、おっ演説が始まるみたいだぞ。」
「つまんなそう…」
「まっつまらんやろなぁ。」
「そうそう。校長の話みたいでな。」
なが〜〜〜い演説が終わり成人式も終わった。
途中マナーの悪い連中が、茶々を入れていたが、問答無用で、夢の世界へ連れて行った。
「…死ぬほどつまらなかった。」
「そりゃ気分を味わうだけだからな。」
「よこっち。これから一杯やりにいかへんか?」
「いいねぇ。行こう行こう。」
「うちも行ってええやろ?」
「勿論さ。タマモも来るか?」
「行くわ。」
「よし!!それじゃいこ…」
「よこっちどうした?」
「ごめん俺用事出来た。すまんけど抜けさせてもらうわ。」
「おっおいよこっち!!」
横島は、自分の見たものを疑いつつ走る…
あれは、一体なんだったのかと…
やがて、目標に追いついた…
「おい!!お前!!」
「気がついたかい?」
横島の目の前に立っていた人は、紛れも無い横島だった…
「お前は、一体…」
「俺は、横島忠夫…俺は、お前でお前も俺だ。」
「もしかして、ドッペルゲンガーか?」
「近いかもしれないが、少し違う…」
もう一人の横島は、冷笑を浮かべつつ話し始める。
「俺は、お前の心の分身…お前にしか見れないんだ。」
「俺の心の分身?」
「お前の心深くに巣くっている感情が、溢れ出したものだな。」
「それは…なんなんだ?」
「気がついているんじゃないか?所詮は、お前の心だからな…」
「どういうことだ…」
周りの人は、一人で喋り続ける横島に変な視線を投げかけるが、横島は、気にも留めない。
「ここじゃ人目が多すぎる…別の所に移ろうじゃないか。」
「わかった。」
次に来た所それは、廃校だった。
確かに人どころか、ネズミすら居ない…
「じゃあ話して貰って良いか?」
「ああ良いとも。それは…復讐の念だよ。」
「ふざけるな!!俺が、復讐を望んでるだと!!」
「ああそうだ、俺はお前の心…お前を移す鏡…俺じゃあ何にも出来ないからな…」
「俺に、その憂さ晴らしをしろっていうのか!!!!」
「違う。それは、俺の本心…いや…お前の本心じゃない。」
「じゃあなんで…」
もう一人の横島は、今度はまた語りだす…
「お前にしてもらいたい事は…」
「何だ?」
「お前にしてもらいたい事は、傷跡を消して欲しいそれだけだ…」
「なぜなんだ?」
「俺は、魔族をいや…あいつを助けてもくれなかった世界…あいつを助けれもしなかった…自分全てを憎んでいる…」
憎悪を吐き出すように言う。
「だけど、憎む…ただそれだけしか出来ない…物を壊すどころか、触れる事も出来ず…自分も傷つけられない…そんな生活は、もうまっぴらだ!!」
今度は、何も出来ない自分への怒りをぶつける…
「だから…綺麗さっぱり消して欲しいのか…」
「ああそうだ!!せめて、生まれ変わりたい…それができないなら…消滅したい…」
「もし、俺が復讐をすてて、慈愛に満ちたらどうなるんだ?」
「俺もそうなる…俺は、そういう意味で、生まれ変わりたい…」
「憎むだけよりは、慈愛を感じる方が良いよな…」
「そういうことだ。」
全て、吐き出したように静かになる。
「所で、俺にどうしろって言うんだ?」
「まずは、人間界の傷跡を消して欲しい。」
「どんな傷跡なんだ?」
「ついて来い。話は、それからさ。」
横島は、もう一人の自分についていく。
歩く事三十分…
それから電車に乗って、二時間…
どんどん都会から離れていく…
「まだか?」
「ここだ。いくぞ。」
「おっおい少し待てよ!!」
それから、険しい道を歩く事一時間…
怪しい研究所が現れた。
「ここなのか?」
「ああ…ここでは、より強い人間を作るための生体実験が行なわれている…」
「なんだって!!」
「あの大戦が残した傷跡だ。」
見るからに怪しい場所に位置している研究所…
外見は、普通に薬品などを取り扱っているような所っぽいのだが…
「アシュタロスのような魔神に対抗するために、美神令子よりも強い人間を作りあげ、数で対抗するということらしい…」
「そんな事…非人道的すぎないか?」
「俺に言われてもな…詳しいことは、中のカルテを盗めば良いさ。」
「やっぱり他にもこんな所が…」
「いっぱいあるさ…今分かってるのは、ここだけだが、見つけ次第連絡に来るからな…」
「じゃあ始めるか…」
横島は、もう一人の横島と別れ中に進入する…
しかし、以外にもすぐに見つかってしまった。
念のため「透」で姿を消しておいたのだが…
熱感知式のセンサーに引っかかり、何処からとも無くマシンガンが、出てきて…
発砲して来た。
「のわぁぁぁぁ!!!」
横島は、サイキックソーサーを展開して、何とか防いだ。
「あぶねぇーーー。しかし、これも自分の為だ。」
ちなみに、「透」は意味が無く霊力をくう為に消した。
「カルテ…カルテ…ここかな…」
横島は、ある部屋にもぐりこんだ。
そこは、資料室…勿論ぎっしりとある…
「…ここの奴ら…こんなに実験してやがったのか…」
横島は、無造作に一つの資料を引き出す。
〜〜実験体AMM-3-0064の研究結果〜〜
今、ここに居る実験体で、未完成の物…
今は、自閉症を起こしているが、実験には全く問題が無い…
健康状況は、悪化の一方をたどっている…
ここ三日何も口にしていない。
実験体に、感情を教えた覚えは、無いが自我を目覚めさせつつある…
早めに完成させなくては、ダメだろう。
AMM−3−0064は、貴重な存在なのだから。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
こんなことが、書かれていた。
「こんなのって、あって良いのかよ!!人を物扱いしやがって!!!」
横島は、押し殺した声で、嘆く。
「なりふりなんて、構っちゃ居られない!!頭を潰す!!」
横島は、所長室と思われる場所へと走った。
途中何人かの研究者と出遭ったが、問答無用で、叩き潰した。
「責任者!!出て来い!!」
「何事だ!!!」
部屋に入ると、見るからに悪質な研究をしそうな奴がいた。
「貴様は…」
「俺は、正義の使者ヨコシマンだ!!!」
横島は、とりあえずこう名乗っておいた。
ヨコシマンの正装でないのが至極残念だが…
「喰らえ悪党!!!」
横島は、素早く文珠を精製し「死」と書き込んで投げつけた。
「甘い!!こんな時の対応をしてなかったとでも思っているのか?」
「なっ」
横島の文珠は、所長に当たる前に何かに当たり砕けた。
強力な結界らしきものだ…
そして、所長は、警報を鳴らす。
ビーッビーッ侵入者!!侵入者!!直ちに部隊は、所長室に向かえ!!
「くっ!!考えが、甘かったのか…」
「ふふふっもう逃げられはせんよ。貴様に待っているのは、死だぁ!!ハハハハッ」
「出直すしかないな。」
次の瞬間横島は、「転移」で、逃げた。
所長には、何が起こったのかわからなかっただろう。
・
・
・
「何回失敗してもいい…全てが、救われるなら…」
横島の思い出の深い場所…
東京タワーの頂上で、もう一人の横島が、夕日を見ながら呟く…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
どうもルーンです。
今回は、少し長くまとまったと思っております。
まだ長くかけますかねぇ…
まだかけるのなら、もっと長くしていきたいです。
少し横島の性格が、変ですが…
どのように治したらよいのやら…
とほほほほほ…
今までの
コメント:
- 初めまして。横島らしい行動ですね。途中から自分の傷跡のことより顔も知らない他人のために怒っているあたりが。そういう横島が気に入っています(もちろん馬鹿な行動をして面白い横島も)これからもがんばってください! (あらひ)
- ああっ!?
想像していたものとは違う方向に向かい始めた?!
でも、シリアスな横っちはやっぱ格好ええなぁ・・・ (KAZ23)
- スイマセン、同じくそのまま成人式の会場で痴話喧嘩を始めるのかと思っていました(ダメ)。横島クンが無意識下に溜めていった「負」の感情が形となって現れた、と言うのはなかなか興味深い設定ですね。それが先の大戦で残った「傷跡」の駆除を横島クンに頼むのは良いのですが、果たして片っ端から今回のような人体実験を行なっていた研究所を潰したところで横島クンの「負」の感情が消え失せるかが少し疑問に残りました。自分の中で「負」の感情を無くすための解決法を求めるのではなく、研究所と言った「自分以外のもの」に解決法を求める点と、問答無用で研究所の所長を殺そうとしたところが彼「らしくない」と思ったので中立です。次回も楽しみにしております♪ (kitchensink)
- kitchensinkさん・あらひさん・KAZ23さんコメントありがとうございます。
kitchensinkさんに一言…改正もとい言い訳
あくまで、もう一人の横島は、負の感情を消すという選択肢よりも慈愛をもって、あの時の心の傷跡を癒せるようになるために会いに行ったのです。
ちなみに余談ですが、もう一人の横島君は、横島の心情の変化をもろに受けます。
でわっ!!次回もごきたいくださーーい。(かしこまって、礼) (ルーン)
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