ザ・グレート・展開予測ショー

マッド・サーカス(その2)


投稿者名:DIO
投稿日時:(99/ 8/10)

とりあえず第2話書きあがりましたので読んでやってください。(その1)書いてから賛成も反対も入れられてないのが少し寂しいッス。




 暗闇の中、ナイフの雨が美神たちを襲う。超感覚を持つシロとタマモはともかく美神とおキヌちゃんにはどこから飛んでくるかなどもちろんわからない。
美「これじゃ時間の問題だわ!!どうすれば 」
タ『伏せて!』
 タマモは得意の狐火で辺りが見えるようにした。ナイフを投げていたのは昼間のナイフ投げの芸人であった。
美「クッ!」
美神は霊体ボウガンをセットした。

美「芸人が客にナイフ向けてんじゃないわよ!」
 美神は次に飛んできたナイフを紙一重で交わし、すれ違いざまボウガンのトリガーを引いた。
『グッ!』
 敵はボウガンの矢の的となり、その動きを止められた。
キ「何なんでしょう、この人たち。」
美「――――とりあえず人間じゃないってことだけは確かだわ。」
 のんびりと話す間もなく、新手が現われた。トラにライオンにクマ、ムチのしなる音まで聞こえてくる。
「グォーッ!ガーォッ!」
美「ジャグリングの次は猛獣使いってワケ?!」
猛獣たちが飛びかかってくる。生身の人間が反応できる動きじゃない。シロとタマモが必死に2人をかばうが、ここは長引けば不利だ。
 キ「ネクロマンサーの・・・・」
 笛を使い、猛獣たちを逆に操ろうとした。敵は人間じゃない。ならばこの動物たちも妖怪に決まってる。
 だが猛獣たち以外の何者かが笛をはたき落とした。
キ「キャッ!」
 おキヌちゃんを襲ったのは、ピエロの姿をしたやつだった。美神がすかさずそいつに神通棍でキツーイ一発をかました。
 美神の一撃でピエロの顔は、いやその仮面にひびが入った。
『――――みんなそこまでよ。お客様に手を出しちゃダメだわ!』
 ピエロもナイフ野郎も動きを止めた。奥からカツンカツンと足音を立てて、ボス格と思われるやつが出てきた。遅れて猛獣使いも姿をあらわした。
 現われたのは真っ赤なシルクハットとマンとを身につけた女だった。かなりの霊圧を感じさせる。
『ようこそ、美神令子さん。この私、シルバーのサーカスへ。確か昼間もいらっしゃっていましたね。』
 その名前を美神は知っていた。
美「――――シルバー!?・・・・あんたが『闇のサーカス』の悪魔シルバー?!」
シ『さすがに博識ですわね。光栄だわ。』
キ『なんです、その『闇のサーカス』って。」
美「・・・悪魔シルバー、かつて『闇のサーカス』と呼ばれる一団を率いてヨーロッパを荒らしまわった悪魔族の一人よ。・・・こいつが日本にきてたなんて。」
 予想もしなかった相手だった。いや、サーカスのテントに横島が入っていった時点で気づいてもよかったかもしれない。
シ『あら、ひどい言われようね。私たちはサーカス団、客を楽しませるのが仕事ですよ。』
美「ナイフ投げつけられて喜ぶやつがどこにいんのよ!!」
シ『フフ、それは謝るわ。このコ達元気がよくてね。ほら、新入りのこのコなんか特に』
 シルバーはピエロの仮面に手をかけた。その仮面の下から出てきた顔は、
キ「よ、横島さん!!」
 そのピエロは間違いなく横島だった。いや、まあいつものことだし、別に驚くようなことじゃないんだが。
美「あのバカ、2話続けて同じネタをするなんて・・・・・・。うちの丁稚をどうしようってのよ。」
シ『先にうちのクラウンを殺ったのはあなたなのよ、美神令子さん。このコはその代りに引き抜かせてもらったの。』
美「私があんたたちのピエロを殺った・・・?どういう意味よ!」
シ『わかる必要はないわ。それより、』
 彼女は手を一振りした。美神は瞬時に殺気を感じ取った。、連中は再び美神たちを襲いだした。
美「で、結局こうなんのね!」
シ『『闇のサーカス』特別公演、存分に楽しんでね。』
 さっきから散々てこずらせてくれたやつらがいっぺんにかかってきたのだ。いくら美神でもそうそう反則技を思いつけるもんじゃない。―――――もちろん横島も攻撃に参加している。
タ『どうするの?!』
美「どうするって、横島クンを敵に回して、まともに戦ってらんないのは前回ではっきりしちゃってるし、ここは」
 美神は携帯していた手榴弾のピンに手をかけた。
美「逃げるッ!!」
 美神は手榴弾を使用し、そのドサクサにまぎれて全員での脱出を試みた。手榴弾に見せかけた閃光弾でも煙幕でもなく、本物の手榴弾である。こんな女の元で、果たしてタマモは人間社会の常識を正しく学習できているんだろうか。
美「とにかく体制立て直さなきゃ・・・キャッ!」
 美神達がテントの外に出ると、足元がベチャッとなっていて、身動きが取れないようになってしまった。
タ『な、何よこれ!』
き「じ、地面がべたついて」
横島が『粘』の文珠を使ったのだのだ。もがけばもがくほど身動きは取れなくなる。
美「私たちはゴキブリじゃないわよ!!」

横「ショーの途中で席を立つなんてマナー違反ですよ、美神さん。」
シロ『横島先生ー!正気に戻ってください―!」
 シロは必死に呼びかける。かつてネズミのネクロマンサーに操られたとき、横島はシロの呼びかけで正気を取り戻したことがある。
 だが、それをあざ笑うようにシルバーは言った。
シ『いくら説得しても無駄よ。そのコは私に心奪われたんだから。』
 そう言ってシルバーは緑色の透明な玉を取り出した。玉の中心が星のように光っている。
シ『この玉はこのコの心のある部分をこめたものよ。だからこのコは私のものなの。』
キ「そんな・・・!」
シ『ついでに教えてあげましょうか。ここだけの話、これ実はまだ未完成の術でね。正直なとこ、こないだのバクの一件がなきゃ、うまくいってなかったわ。』
美「なっ・・?!」
シ『一時的とはいえ、心の一部を失ったことでできた精神的空白を埋めるために他の心の部分が肥大しちゃったのよ。心が戻ってきたからって、簡単に元通りになるわけないでしょ。――――とても不安定な状態だったのよ。』
『――――――でも、もう未完じゃないわ。こうして『金の針』が手に入ったからね。』
 彼女は横島の心が入っていると言った玉を胸ポケットにしまい、月の光の中金色に輝く針を取り出した。
美「『金の針』ですって!!」
 『金の針』・・・・・悪魔パイパーの力の源で、人間がやつを倒すことのできる唯一の武器。500年前、一人の僧侶がパイパーから奪いとり、とある教会に保管されていたが、パイパーの所在をつきとめた美神がそれを使って見事パイパーを退治した。その後メドーサに旧事務所を破壊された後もなんとか回収され、倉庫に眠っていたのだ。

美「なるほど、やっと分ったわよ・・・・・・あんたたちのピエロってパイパーのことだったのね!」
シ『フフフ、ご名答よ。パイパーの力がわが『闇のサーカス』に戻ってくれば、私の術は完成するわ。』
シロ『そんなことのために横島先生を―――!』
シ『ついでに、魔界でもすっかり有名人のこのコがうちに来てくれればいい宣伝になるしね。あなたもうちにくる?』
シロ『なめるな―ッ!!』
 シロは足元が粘りつくのをものともせず、シルバーに飛びかかった。怒ったシロの眼には標的以外何者も映らない。
シ『フフ、元気のいいコって好きよ。』
 シロの霊波刀は触れることはできなかった。横島が『壁』の文珠でシルバーをかばったのだ。
シロ『せ、先生!そんな・・・!!』
攻撃を止められたその隙に、猛獣使い野朗のムチがシロを襲う。
シロ『ギャン!!』
キ『シ、シロ!!』
シロの体は『GS美神』のキャラの中でもかなり頑丈なほうだ。だから、恐らく大丈夫と思うが・・・・。
シ『クラウン、フィナーレを飾る役、あなたにあげるわ。』
 シルバーは横島にとどめをさせと言うのだ。横島はためらいの表情を見せなかった。完全に心を奪われているのだ。
 横島はオキヌに向かって歩き出した。彼女を最初に殺そうとしている。4人の中の誰から殺すか、演出で最初と最後に大物を持ってくるというのがあるが、それと同じことを考えているのだろうか。
キ「横島さん!!」
 『粘』の文珠の効果はまだ消えていない。横島は効果の範囲外を歩いてくるが、おキヌは逃げられない。
横「さよなら、おキヌちゃん――」
横島の霊波刀がおキヌちゃんに向かってまっすぐに、そして無情に、振り下ろされた。
美「おキヌちゃん!!」
キ「―――――!」


 やられた、キヌはそう思ったのだが、5秒ほどたってもいっこうに自分に攻撃は加えられずにいた。
キ「――――?!」
 おキヌはおそるおそる眼をあけた。横島の霊波刀はおおきくはずれ、地面に突き刺さっていた。
キ「よ、横島さん?!」
横「・・・・・冗談じゃないわよ」
シ『何?』
横「ヨコシマをあんたなんかの好きにさせるもんですか!!」
えっ、これってまさか――――で以下次号!!!!!




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