ザ・グレート・展開予測ショー

横島タイガー極楽大作戦!


投稿者名:MAGIふぁ
投稿日時:(03/ 2/11)



これは極貧少年達の日常の記録である。



キーンコーンカーンコーン…

鐘が鳴り、教師に授業の終わりを、学生達に昼休みの到来を告げる。

「ピートッ!そいつをよこせぇ〜!」

「持つべきものは友達ですノー!」

そしていつものように女生徒がピートに差し入れたお弁当をハイエナのように横取りする横島とタイガー。

彼らの窮状を知っているだけに、何も言えないピートとお決まりのセリフを口にする愛子。

「青春よねー」

……ヤな青春である。



お弁当を食べ終わって人心地ついた彼らは(ピートは薔薇)食後の雑談を始めた。

「しかしお2人ともウチの教会とは違って、事務所の利益は充分以上に出てるんですからいい加減に時給を上げてもらっても…」

「…ピート…俺の上司は美神さんなんだよ…」

「…わっしの所はエミさんなんジャが…」

「………そうでしたね…すみません」

2人から視線を逸らし、謝るピート。美神とエミが安く使える彼らの待遇を改善する理由は無い。少なくとも彼女達の方には無いだろう。

「…そーいや、お前らはいくら貰ってるんだ?俺はアシュタロスの件の後、時給が300円になったけど…」

ふと同じ貧乏仲間の給料が気になって聞いてみる横島。

「上がったんですか…良かったじゃないですか横島さん」

「そうですノー。あの人にしたら大奮発ジャー」

横島の時給が上がった事に驚く2人。

だが、あの事件の事を思い出して納得する。確かに上がって当然だ。

そしてもう一つ納得する。45円しか上がっていないが、それは美神さんだから仕方がないな…と。

「まぁな…お陰で少しだけど生活が楽になったぜ。それよりお前らはどうなんだよ?」

「僕は給料っていうのは無いんですよ。住み込みで修行させてもらっている立場ですし」

「わっしは横島さんよりはマシじゃが…学費を自分で出さんとイカンので、使えるお金は同じ位ですかノー…」

「「「………ふぅ…」」」

3人揃ってしばらく黙った後、ため息をつく。

「…2人とも…苦労してるんですねぇ…」

「いえ…ワッシはそれ程でも…横島さん程じゃーありませんケェ…」

「はっはっはっ………まぁな……(ひ、否定できん…)」

3人はお互いの身の上を理解し合い、お互いに深く同情した。

それを少し離れた所で女生徒達とお喋りしつつ見ていた愛子がいつものセリフを口にする。

「深まりあう友情…青春だわー」



やっぱりヤな青春である。



「しかし、横島さんって確か細かい仕事をいくつか美神さんに任せてもらえるようになったって言ってませんでしたか?」

横島がGS免許を取り立ての頃、一話だけあったネタを思い出したピートが聞いた。

「ああ…それなら今はおキヌちゃんがやってるよ。そーゆー細かい仕事って大抵ザコ霊だろ?ネクロマンサーの笛ならピッタリだし、経費が掛からないからって美神さんが事務所の仕事として受けるようになったんだ…」

「事務所の仕事としてっていう事は…」

「ああ。おキヌちゃんの取り分は無しだ。もっともおキヌちゃんはちゃんとした給料貰ってるみたいだから大丈夫みたいだけどな…」

「そ、そうなんですか…」

「しかし、やろうと思えば一人で除霊が出来るというのは羨ましいですノー。ワッシは能力的に向いとりませんケェ…ピートさんはやらんのですか?」

横島は「ンな安い仕事に使ってるんじゃない!」という美神のツッコミを覚悟すれば文珠も使えるし、栄光の手やサイキックソーサーだってある。

ピートも霊波攻撃やダンピールフラッシュがある。

だが、精神感応力者というタイガーの能力はどちらかと言うと対人用だ。禄に考える事すら出来なくなって妄執に取り付かれている悪霊や自縛霊などにはあまり効果が無い。

本当に、いざ路頭に迷っても何とかなりそうな2人がタイガーは羨ましかった。

「いや、教会に助けを求めに来る人達が意外に多くて、そんなに暇が無いんですよ…それに仕事の探し方とかも分かりませんしね」



微妙な話の流れだった。

お互い雇い主に問題があり、金に困っている。

そしてGSという金になる能力を持っている。

もしここに雪乃丞がいたら、独立話が持ち上がっていただろう。

だがここに彼はおらず、話は別の方向に流れていった。



「なぁ…タイガー。モノは相談だが…」

「ふんふん……なるほど。行けるかも知れませんノー」

タイガーを教室の隅に連れて行き、そこでヒソヒソと密談を始める横島。

「ジャが、バレた時は…」

「なに、そうなったら開き直って…」

図体に似合わずややチキンなタイガーが問題点を指摘する事で、計画は具体性を帯びていっているらしい。

「ああ…何か悪事の匂いがする…」

ピートはどうせ碌な事にはならないのに…と思いながらも2人を止めなかった。

勿論、巻き込まれるのがイヤだったからである。

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