ザ・グレート・展開予測ショー

義理か本命か


投稿者名:NGK
投稿日時:(03/ 2/10)

きっかけはこの島国で流行っているらしい風習を、まぁ興味をもって、ちょっとやってみたくなったのだ。
ただそれだけである。他意はない。
「アシュ様と土偶羅様にと・・・あとポチのやつにも造ってやってもいいかな?」
せっせと作業に没頭する。
まぁなんだ。あれだ。ポチはパピリオのペットだがパピリオは如何せん子供であるため、割とわがままな迷惑をかけている。
そのお礼の意味をこめて、のことだ。うん。
「ルシオラちゃん、なににやけているんでちゅか?」
いつのまに横に来ていたのかパピリオの姿がある。
「え``!?に、にやけていた!?気のせいよ。うん。ちゃんとあんたにも後であげたげるから向こうにいってなさい。」
「・・・変なルシオラちゃん」
キッチンを出て行くパピリオ。
「ベスパちゃんのとこでもいこっと」

それから数時間後。
ポチは案の定部屋にいた。どことなくこころが高ぶるのをおさえつける。
「ポチ、入るわよ」
ポチは相変わらず面白い顔をしている。
ま、ただ単にいきなり入ってきてびっくりしているだけなのだろうけど。
「災難だったわね、きょう、本当は戻りたかったんでしょう」
ポチはにんげんたちのスパイであるとの思いは確信している。
けれどなぜだか憎めない。
「(まぁ、こいつだって望んでスパイしているわけじゃなさそうだし・・・)」
と考えをめぐらせて見る。
「だから、ま、これでがまんしなさい」
ちいさくまとまったチョコを渡す。
「明日からまたアシュ様やわたしたちに忠誠をつくすのよ」
と、くぎをさすのを忘れない。
もっともポチは感動しているのかまるで聞いていない様子だったが。

ちょうどそのころ
「なぁ・・・ベスパ。私に此れをどうしろというんだ・・・?」
「はいっ!私とパピリオが精一杯おもいをこめてつくったチョコを食べて欲しいです!!」
実際にはパピリオは見ているだけで何もしていないが。
「・・・そうか、わかった。君たちの忠節、ありがたくもらっておくよ」
「はいっ!ありがとうございます!!」
ベスパは自分の頬を含めた身体全体が赤くなっていることを自覚していた。
「では、失礼しましたっ!!」
ちらっ とベスパが出て行くのを横目で見る。
やがてアシュタロスは、
「どうやってこんな量食べればいいんだ・・・・・・」
自分が見上げるほどの大きいチョコをどうやって食べようか思案にくれていた。





――――――おしまい。

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