ザ・グレート・展開予測ショー

短々編


投稿者名:人生前向き
投稿日時:(03/ 2/10)



耳を澄ませば聞えてきそうで

学校を終えた帰り道、バイトに行くまでちょっと寄り道。

目を凝らせば見えてきそうで

名残惜しさを与える季節の、名残惜しさをくれる時間。


雲ひとつ無い空に、できるはあやふやな境界線

あっちは赤い、そっちは黒い、同じ色はひとつもない。

声を出さずに潜んでいると、ひょっこりきそうな待ち人は、

片膝抱えて待ってる俺に、今日も来る気は無いらしい。

腕に巻かれた時間の元を、外して下に叩きつけた。

止まった針に満足するが、今なお赤を覆っていく黒。

俺の時間は止まったが、動きつづける全てのもの。



「一瞬だから美しいのよ」

脳裏に浮かんだ待ち人は、諭すように俺に告げた。

壊れた時間を拾い上げ、俺は重たい腰を上げる。

「お前も一瞬だったよな」

俺が立ち上がった時は、すでに色が黒の時間。

「俺はお前を背負って生きるよ、引きずらずに。」

でも年に一度は許してくれ、一人で・・・・・・・つらいんだ。

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