ザ・グレート・展開予測ショー

モンスタースイーパー (その9)


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(03/ 2/ 9)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
モンスタースイーパー (その9)



ガラガラガラガラ
「お、重いでござる〜。」
「頑張れ〜、シロ〜。あと〜、アジトまで〜、十数キロだ〜。」
息を切らしながら、シロと横島クンが言った。
2人は、財宝が沢山乗った手押し車を押していた。
前回の報酬と、城から奪ってきた財宝を持ち帰るに当たって、
一人一人が、財宝が少し入った袋を運ぶ・・・・ということが量的に無理なため、
手押し車を買い、それで運んでいる。
無論、私は押さない。
手押し車を押すのは、耐久力のある横島クンとシロが適任なのだ。
「さぁ、頑張りなさい!アジトまであと少しよ!」
「「ふぇ〜い。」」
やる気のない返事が返ってきた。


数時間後・・・・。
私は、前に使っていたアジトに戻ってきた。
疲れを癒すついでに、大量の財宝を保管しようと考えたのである。
さて、このアジトに保管していった財宝でも見に行きますか♪
・・・・・・・あれ?
私は気付いた。
誰かが住んでいる気配があるのだ。
ここは、幽霊屋敷と言われ、近くの村の人は、寄り付かないはずである。
しかし、確実に誰かいる。
私は、1人で屋敷の中に入った。



・・・・・いる。
確実にいる。
厨房と、リビングに1人ずつ。
私は、神通棍を取り出し、いつでも攻撃出来るようにする。
私のお宝に手をつけたヤツは、魂までも消滅させてやるわ!
すると、リビングの扉が開き、中から可愛らしい少年が顔を出す。
「メドーサさま、まだですかぁ〜?お腹空いたぁ〜。」
メ、メドーサ?
私が驚いていると、厨房から、1人の女が姿を現した。
薄い紫色の長髪、唇、蛇の面影を残す瞳。
白いシャツと、皮のズボン。
そして、ヒヨコのイラストが描いてあるエプロン・・・。
「うるさいねぇ!少しは待てないの・・・・・。」
私と、目が合った。
数秒だけ、沈黙が訪れる。
そして・・・・・・・・、
「「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」」
大きな叫び声を、同時に上げる。
「な、何だ!?」
外で待機していた横島クンたちが、ドタバタと、こちらに向かってくる。
そして・・・・、
「あぁーーーーーーー!!ご、ゴーゴン!!」
私に代わって、横島クンが女の名前を言ってくれた。
そう、目の前にいるのは、あのゴーゴンだったのだ。



リビングでは、私たちとゴーゴンたちが食事をしていた。
ポテトサラダに、ローストビーフ、野菜スープに、ピラフなどなど・・・・。
これら全て、ゴーゴンが作ったものだ。
「うまい!こらうまい!!」
「お、美味しいでござる!!」
「美味い美味い!!」
それをガツガツ食っているのは、例のごとく、横島クンとシロ。
そして、ゴーゴンの僕であるバベロス。
私は、ゴーゴンに聞いた。
「何で、モンスタースイーパーをやっているの?」
「金稼ぎだよ。アンタと同じようにねぇ。」
「元々怪物だったアンタが、MS世界で第2位の実力を誇るMSなんて、信じられないわね。」
「アタシも信じられないさ。たった数ヶ月で、そうなっていたんだからねぇ。」
「で、何でこの屋敷に居たワケ?」
「なぁ〜に、雨しのぎのために、ここを使っているだけさ。」
「雨しのぎねぇ・・・・・。」
私は、辺りの様子を見る。
・・・・・ん?
タマモの視線が、一点に集中している。
それを辿っていくと・・・・。
ゲ!!
私は驚愕した。
それは、ダンボール箱であった。
しかも、日本語文字が書かれている。
「ちょっと!!何で、あんなのがあるの!?」
「異空転移の術を使ったのさ。」
「異空転移?」
「そう、異空転移。」
ゴーゴンは、ダンボール箱の中から、カップうどん(きつねうどん)を1個取り出し、タマモに投げ渡した。
それを持ったまま、タマモは厨房へと向かった。
「さて、こっちの質問にも答えてもらおうか・・・・・・。アンタ、一体ドコから来たんだい?」
「!!」
「私と出会ったとき、アンタたちは驚愕していたが、
アタシは、アンタたちと会ったこともない。なのに、何故あんなに驚いていたか。答えは簡単さ。どっかで、アタシと同じようなヤツと出会っている。
しかし、アタシに似た怪物が出た話なんて、聞いたこともない。
となると・・・・、アンタたちがどこから来たのかが疑問に上がる・・・・。」
「・・・・・。」
「教えてくれないかい?」
フゥ・・・・・
私は、深く溜め息をついた。
「いいわ、信じられないかも知れないけど・・・・・。」


私は、自分たちが他の世界から来たこと。
元の世界に戻るためには、この世界の魔王を倒さなくてはならないこと。
そして、ゴーゴンとソックリな敵・・・、メドーサと過去に戦ったこと。
それらを、全部ゴーゴンに話した。
「なるほどねぇ〜。」
ゴーゴンは、さほど驚いた様子を見せなかった。
「驚かないんですか?」
おキヌちゃんが、ゴーゴンに聞いた。
「別に・・・・。それじゃ、事実を教えてくれたお礼に、昔話を聞かせてあげるよ。」
「昔話?」
私がそう言うと、ゴーゴンは語り始めた。


「今から数百億年前、異空間に、1組の男女が生まれた。
2人は、その異空間に幾つもの世界を創り上げた。
そして、その世界を支える神族と、魔族を・・・・。
そして、2人が亡くなった後、神族と魔族は、幾つもの世界で争い始めた。
神族は世界を守るため、魔族は、その世界を滅ぼすために争った。
アンタの話を聞くと、アンタの世界は、第58世界ってワケだね。」
「何ですって!?異空間にある世界に、私たちの世界があるの!?」
「当たり前さ。この世界だって、第18世界なんだから。」
「第18世界!?」
「そう、この世界は、魔族が神族を滅ぼし、この世界を支配するようになった世界。
アンタが現代世界と言う第58世界は、長い間争った神族と魔族が、停戦状態になっている世界というワケさ。」
私は絶句した。
この昔話を、信じられる状態ではなかった。
ゴーゴンは、話を続けた。
「そして、いろんな魔族が支配していった・・・・。
その25代目になったのが、魔王アシュタロスってワケさ。」
「「「!!」」」
私と横島クン、おキヌちゃんは驚愕した。
アシュタロスのことを知らないシロとタマモは、首をかしげている。
「そんな時代、1人の魔女がいた・・・・。
それが、"美醜爆"を創った最強の魔女、メフィストってワケさ。
彼女は、各地の美男子を虜にし、僕として使った。
そんな中、1人の男がメフィストの前に現れた。
その男の名は、タカシマ。」
「「!!」」
私と横島クンは、再び驚愕する。
「2人はいつの間にか恋に落ちた・・・・。
2人は夫婦となり、幸せに暮らすようになった。
そんなある日、2人の前にアシュタロスが現れた。
そのアシュタロスの戦いで、タカシマは、メフィストを庇って死んだ。」
「!!」
「恋人をなくしてしまったメフィストは、アシュタロスを倒した後、魔女をやめ、世界最初の女MSとなった。」
「「「「「!!」」」」」
私たちは驚愕した。
「そして彼女は、死ぬ前に最強の白魔法を創り出した。
それを使えたものは、今まで現れていない・・・・・・。
で、現在に至るってわけさ。
今、この世界にいる魔王は、その35代目ってわけ。」
「・・・・・・・。」
ゴーゴンの話が終わった後、私たちは黙ったままだった。
全てのことが分かった。
・・・・・全てが。

・・・・続く。

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa