ザ・グレート・展開予測ショー

ドッグス オア ウルヴズ?(2)


投稿者名:MAGIふぁ
投稿日時:(03/ 2/ 9)



 これはシロが美神除霊事務所を飛び出した後のお話。



 「シロちゃん…帰ってきませんね」

 「勢いで走って行っちゃったから、迷子にでもなってるんじゃないの?」

 「う〜〜ん、一昨日いなくなったんだから2日目か…どうします、美神さん?」

 「シロが必要な仕事は入ってないから、もう2〜3日様子を見ましょう。シロの事だし多分心配要らないわ」

 心配そうなおキヌと自分が原因のくせにクールなタマモ。そしてやっぱり心配そうな横島に、本当に全然心配していない美神。

 「いや、でも…」

 「うっさいわねぇ…そんなに心配なら自分で探せばいいでしょ?すごい勢いで走っていったプラチナブロンドでロングヘアーの女の子を見なかったかって聞き込めば、そのうち見つかるわよ。でも当然その間給料は出ないし、シロがどこまで走っていったか知らないけど遠くまで行く事になるんでしょうねぇ……」

 「そうっスね!もう2〜3日様子を見ましょう!」

 いつもの散歩の距離から考えて、シロが2日かけてどこまで行ってしまったかを想像した横島はあっさり妥協する事にした。隣でおキヌが呆れているが、ともあれそういうわけで事務所の面々は特にシロの捜索には動かなかったのだ。



 その頃、シロはというと人狼の里への入り口で立ち往生していた。

 「ウヲォォ〜〜〜ン…ウヲォォォ〜〜ン」

 飛び出した後、名前と自分の種族の事を長老に聞きに行こうと思い立って里まで帰ってきたのだが……勢いで飛び出したシロは通行証を持ってきていなかったのだ。

 「ウヲォォォ〜〜〜ン……ウヲォォォ〜〜ン…」

 人狼の里は結界に包まれていて、通行証を持たないものは入る事も見る事も出来ない隠れ里だ。ここまで来て引き返す事も出来ないシロは、仕方なく遠吠えでひたすら「誰か来てくれ」と呼びかけ続けた。

 そして呼びかけ続けて30分。3人ほど連れ立って様子を見にきた村人に中に入れてもらったシロは長老の家に向かった。自分の誇りに関わる疑問の答えをもらう為に。

 「ところで、何故すぐに来てくれなかったのでござるか?もしや、何かあったのでは?」

 道中、ふと気付いて迎えに来てくれた村人に聞いてみる。

 「ああ、気にするな。ただ単にメシ時だったから、食い終わるまで誰も行こうとしなかったというだけだ」

 「…そうでござるか…」

 その答えと、自分の空腹を思い出した事でヘコむシロであった。

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