ザ・グレート・展開予測ショー

ドッグス オア ウルヴズ?


投稿者名:MAGIふぁ
投稿日時:(03/ 2/ 8)

これは犬塚シロが美神除霊事務所を家出した時のお話である。



 キッカケは些細な事だった。

毎日の様に繰り返されるシロとタマモの言い争いがその発端である。

 「この…バカイヌバカイヌバカイヌバカイヌ!!」

 「だから拙者は狼でござると何度も言っているであろうクソ狐!!」

 多少ヒートアップしているものの、ここまではいつもの事だった。だがこの時は、タマモが更に一言言ってしまったのだ。

 「でもアンタって名前からして犬塚じゃない。やっぱり犬なんじゃないの?」

 がーーん…

 シロはショックを受けた。確かに自分の名字は犬塚だ。そして思えば里のみんなの名字も犬の文字が入ったものが多かった気がする。あのポチも犬飼って名字だったし…まさか本当にそうなのだろうか…?

 「そ…そんなハズはないでござる!拙者は由緒正しい人狼の一族でござるよ!!」

 一瞬浮かんだ懸念を打ち消すようにまくし立てるシロ。

 「ふ〜〜ん……」

 「な!その態度は何でござるかー!!拙者は本当に…」

 「はいはい。分かってるわよ……犬なんでしょ?ホントは」

 「違うーー!!犬じゃない!犬じゃないもん!」

 ムキになるシロを軽くあしらうタマモ。そうこうするうち、シロが俯いて黙ってしまった。

 「う……う……」

 ちょっとからかい過ぎたかな?と思ったタマモは適当にフォローを入れようと思ったが、それは少しばかり遅かった。

 「あ、シロ…」

 「うわぁぁ〜〜〜ん!タマモのバカ〜〜〜!ショタギツネェェ〜〜……」

 そう叫びながらシロは外に向かって走っていってしまった。

 「アイツ〜…どさくさに紛れて人聞きの悪い事を…真友君はそーゆーんじゃないって言ってるのに…」

 

 この時点では事務所の誰もがこう思っていた。ああ、いつもの事か…でもお腹が空いたら帰ってくるだろう、と。

 しかし日が暮れても、翌日になってもシロは帰ってこなかったのだ。

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