ザ・グレート・展開予測ショー

魔女の過去]


投稿者名:NGK
投稿日時:(03/ 2/ 7)

「こ、これは・・・一体・・・!?」
魔鈴は得体の知れない魔力を自らに感じていた。
先だっての警察署での謎の暴走男(注:西条)との戦いで若干消耗していた。
それが街の郊外にあった丘跡に向かうにしたがって魔鈴の魔力は次第にその力を増している。
―――あそこに行けば、もっと力が・・・。
魔鈴は言い知れぬ予感を感じながらも駆けていた。


「おかしいわね・・・」
傍らで美智恵に並走している西条は既に顔の血色が赤らんでいる。
「ど、如何いうことなんでしょう・・・なんか・・・こう・・・霊力が・・・無限大に溢れてくるような・・・」
「―――元々、この町から霊力が漏れていたのは感じていたけど・・・」
だが『微か』でしかない。この程度であればどの国、どの町にも存在するし、気にも留めていなかった。
けれど。これほどまでに霊力が漏れてくるとは・・・。
「(署長が言っていた魔女の亡霊騒動と関連性あると考えるのが自然ね・・・)」
視界に幾多の魔女の亡霊が映るが美智恵は気にも留めず郊外へと走っていく。




―――かつてドイツに数々の名立たる魔女が生まれた。
このことがドイツで大々的に魔女狩りに発展した一因であるといってよい。
多くの魔女たちは滅ぼされたがそのことが原因となり、魔力が膨大な量集まった地帯を数多く発生させることになったのである。
しかし、これだけの”魔力の場”があるとすると魔女たちへの迫害は一層強くなるだろう。
また、処刑された魔女の亡霊たちが”魔力の場”に数多く集結していたこともあり、魔女たちは封印することを決断した。
これだけの”魔力の場”があれば迫害していた勢力に対して復讐を―――と考えるものもいなくはなかったが多くの魔女たちはそれを望まなかった。

それから数百年。
GS協会というある霊能力者の集団は世界各地の霊能力者集団を驚くべきスピードで吸収し、自分の組織に組み込んでいった。
―――魔女協会もやがてGS協会に吸収されるだろう。
このことはGS協会や魔女たちの共通認識であったし、実際に魔女でありながらGSの免許を採るものも少なくはなかった。

ある一人の魔女はかつて魔女たちが昔封じた”魔力の場”を開放することを考えた。
だが、それをすれば他の魔女たちが反対することは目に見えている。
そのためにまずは伝説の存在と言われている”大魔女”になる必要があった。


「―――感じる・・・感じるわ・・・私の身体に魔力が充満していくのを・・・っ!!!」


魔力の場の封印を解いたとて、そのままにしておくのは実にまずい。
他の魔女も魔力を吸収することは考えられるし、魔女以外のモノ―――たとえばGSなどの力も増幅されることになるだろう。
強くなるのは自分ひとりでよかった。
自分に同調する者は誰もいなかったし、必要がなかった。

―――このとき既に彼女のココロは壊れていたのだろう。
表向きは普通の魔女として過ごしていたものの裏では、いかにして他の魔女たちを圧倒する魔力を得るか思案し続けた。

そんな折である。
彼女に接触してきた女性があらわれたのは。

女性は何処で嗅ぎつけたのか、彼女の目的を知っていた。

「ここにあなたの望む術が書いてあるわ」

―――と。

彼女は狂喜した。「これで自分が望む世の中が創れる」―――と。

まずは魔女協会が保持していた魔女候補生スカウト帳を奪い、数多の魔女候補生の魔力と生命力を吸収していった。
生命力を吸収したのは魔力が本来自分が持つ容量をはるかに越えた量を維持するためである。
そうして力がついていったところでターゲットを魔女に変えた。


―――そして彼女は魔女とは明らかに違う身体に変質した。


それこそが魔女を超えた存在として伝説に伝えられる存在であった。

”大魔女”になった彼女に濃密な魔力が注ぎ込まれる。

「あはっ!ははっははっははははっはははっはは・・・・・・!!」


青い爪の魔女の狂気の念は何処まで増幅するのか―――それを知る者は誰もいない。








――――――続く――――――

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