ザ・グレート・展開予測ショー

モンスタースイーパー (その8−6)


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(03/ 2/ 4)

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モンスタースイーパー (その8−6)



翌日・・・・。
私たちは、宿屋から出発した。
目的地の隣国、アルカディナ王国まであと十数キロである。
一昨日と同じように、私はセリーヌ王女の隣で護衛している。
しかし、横島クンの様子が変だった。
チラチラと、こちらの顔を見るのだ。
目が合うと、すぐに顔を逸らす。
なんでそんなことをするのか、理解出来なかった。


およそ、半日・・・・・。
ついに私たちは、目的地であるアルカディナ王国に到着する。
活気であふれた街だけど、ちょっと様子がおかしい。
あちこちから、こちらを見ている気がする。
家の所からきたと思ったら、今度は通行人達のところから来る。
怪しい・・・・・。
私たちは、城へと向かった。


アルカディナ城・・・・。
大きさは、アースノイド城と同じか、少し小さいくらい。
値段からして、金貨10億ってところかしら。
おっと、計算している場合じゃなかった。
私たちは、玉座の間へと向かう。


「よくぞ来てくださいました、セリーヌ・アースノイド王女。」
アルカディナ王国大臣アストが、頭を垂れた。
「いえ、貴方方の国との親交のためです。」
セリーヌ王女は、ニコリと笑って言った。
私たちは、そのセリーヌ王女の後ろに、横一列に並んでいた。
周りには、武装された衛兵が数人いる。
・・・・・・。
私は、横島クンにアイコンタクトをした。
それに気付いた横島クンは、バレないように文珠を作り出す。
「ところで・・・・、国王の姿が見当たりませんが・・・・。」
セリーヌ王女が、誰も座っていない玉座を見る。
「ちょっとご病気でして・・・・。詳しい話はこちらで・・・・・。」
アストに先導されて、セリーヌは歩いていく。
それを追うように、私たちは行こうとした。
その時だった。
ジャキンッ!!
「護衛の方々はこちらへ・・・・・。武器などはすべて預かりますゆえ・・・・。」
衛兵によって、私たちは囲まれる。
すでに、文珠は没収されてしまった。
今日出せる分みたいだったので、もう出せないだろう。
私たちは、持っていた武器を床に捨てる。
「よろしい。では、こちらへ・・・・。」
私たちは、衛兵達に連行されていった。


ガシャンッ!!
「ちょっと、出しなさいよ!!」
私は大声で怒鳴った。
私たちは今、地下牢の中にいた。
牢屋の中には、私の他に横島クン、おキヌちゃん、シロ、タマモがいる。
それはいい。
私が、横島クンと同じ牢に入れられてたって、少しだけ文句を言うだけだ。
だが、私は言いたい。
なぜ、なぜ・・・・・・。
「私だけ、鎖でグルグル巻きにされてんのよ!!」
そう。
他の皆は、何も拘束具を着けられていないのに、
私だけ、大きな鎖でグルグル巻きにされてるのだ。
しかも頭には、金属で出来た輪がつけられている。
外でこちらを監視している兵士は言った。
「アンタは、世界最凶のMSだからな。そういう風にしないと、何されるか分からない。」
「なんで、最強の強が、凶なのよ!!」
「そっちの方があってるだろう?」
「こ、この野郎・・・・・!ブッ潰す!!」
私は、呪文の詠唱を始める。
「熱き炎よ。我に立ち塞がりし敵に、業火の苦しみ!」
その時だった。
私の体に、強力な電流が走った。
「をををををををををををををををを!!!!!???」
突然の電流に、私は"を"を連呼する。
私は、その場で倒れる。
「あぁ、言い忘れたが、その輪っかは、呪文を唱えようとすると電流が走るようになってるから、気をつけろよ。」
「遅いわっ!!」
私は大声で怒鳴った。
「ま、せいぜい頑張ってくれ。」
そう言って、兵士は向こうへ行く。
「く、くそ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
「血圧上がるわよ。」
タマモが、悔しがる私に向かって言う。
「うるさいわね!!横島クン!!この牢、霊波刀で斬って!!」
「は、はぁ・・・・。」
横島クンは、右手から霊波刀を出し、牢に斬りかかる。
しかし・・・・・、
ババババババッ!!
「うわっ!!」
突然、横島クンに電流が走り、横島クンはその場で倒れる。
「横島クン!?」
「だ、ダメっス!!霊気に反応して、電流を出すように出来てます、この牢!」
「何ですって!?」
私は、牢を見て考える。
「霊気攻撃がダメなら・・・・。魔法しかないようね。」
「でも、魔法使えないんじゃ・・・。」
そうおキヌちゃんが言う。
「頭で使うのよ。」
「?」
私は目を閉じ、頭の中で、呪文の詠唱を始める。
(熱き炎よ。我に)
ババババババッ!!
「ウギャギャギャギャギャッ!!!」
体中に電流が流れる。
「ま゛、ま゛げるモンでずが・・・・・!!」
私は、呪文の詠唱を続ける。
「立ち塞がりし敵ににににににに!!?業火の苦しみををををををををを!!!?」
ギュインッ!
私の両手の上に、火球が現れる。
後ろでは、顔を真っ青にした横島クンたちが、遠くに離れている。
「フフフフフフフフ、ファイヤー・ボール!!」

チュドーーーーーーーン!!

爆煙の中から、私は姿を現した。
すでに、体を拘束していた鎖と、頭についていた金属の輪っかは無くなっていた。
口から、黒い煙を出しながら、横島クンたちが姿を現す。
「電流が恐くて・・・・・・・。」
私は呟いた。
「電流が恐くて・・・・・・・。」
私は、また呟いた。
「電流が恐くて・・・・・・・・、
モンスタースイーパーがやってられますかーーーーーーーー!!!」
「「「「だぁぁーーーーーーー!!!」」」」
横島クンたちは、その場でズっこける。
「何事だっ!!?」
「ファイヤー・ボール!!」
爆発音に気付いてやって来た兵士達に、私は火球を投げつける。
「ぎゃーーーーーーーーーーー!!!!」
「み、美神さん!何もそこまで・・・・・。」
「何か文句あるのっ!?」
私は、おキヌちゃんをギロリと睨む。
「な、何でもありませ〜ん。」
泣きながら、おキヌちゃんが後ろに下がる。
「さぁ皆!!王女サマを助けに行くわよ!!」
私は、地下牢の通路を駆ける。
「私の現世利益を邪魔するヤツらは、領主だろうが王だろうがぶっ潰す!!」

続く・・・・。

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