ザ・グレート・展開予測ショー

帰ってきた横島 ―16前半―


投稿者名:KAZ23
投稿日時:(03/ 2/ 4)

「そんなに似ておるでござるか?」

シロは隣に座っていたおキヌにそう問い掛けた。

「えっ?えっ、ええ。そう・・・うん。やっぱり似てる。ルシオラさんはもっと、髪が短かったし、それに微妙にこっちの・・・・・・ええと、奈々緒さん?の方が体つきがふっくらとしてる感じがする。あとは細かい所でちょっと違うかな?って思うけど、やっぱり・・・」
「ぱっと見て、分かるぐらいには似てるわ。少なくともね。」

後をついで、美神が言言い切る。
すると、パピリオがこんな事を言った。

「そうでしゅね。ルシオラちゃんはペチャパイだったでしゅけど、この娘はそれなりにちゃんと胸有るでしゅね?」
「なに?ルシオラって娘はそんなに、胸無かったの?」

その台詞に、タマモが興味を示す。

「はっきり言って、私と同レベルでしゅよ。未来の有るわたしと違って、ルシオラちゃんはもう終わってたでしゅからね。今思い出しても不憫でしゅ。」
「へ〜・・・・・・じゃあなに?ヨコシマって実は胸の無い娘が好きなの?」
「は?」

と、突然タマモが視線を変えて切り出した。意表を付かれた横島が間抜けな声を上げる。

「なんとっ!?そうだったのでござるか、せんせいっ?!それならば拙者が・・・」
「引っ込め馬鹿犬っ!・・・だいたい、アンタじゃ胸以前の問題でアウトでしょ?」
「ぬぉーーーっっ!!?一度ならず二度までもーーーっっ?!!しかも、言うに事欠いてその台詞・・・・・・今日と言う今日は許さんぞキサマーーーーっっ!!!」

タマモの傍若な台詞にシロが怒った。ズイッと両手を伸ばし・・・タマモの唇を掴むと、おもむろに左右に引っ張る。

「この口かっ!!?さっきの台詞を言ったのはこの口でござるかぁっ?!!」
「ひへっ!ひだだだだっ?!ほらっ!あにふるのよっ!?ほの、ばはひぬっ!!ばはひぬっ!!ばはひぬっ!!(痛っ!痛たたたたっ?!こらっ!何するのよっ!?この、馬鹿犬っ!!馬鹿犬っ!!馬鹿犬っ!!)」

すると、負けずにタマモもやり返す。

「はんどえおひっへはるはよ!ほの、ばはひぬっ!ばはひぬっ!ばはひぬっ!ばはひぬっ!ばはひぬっ!はいあい、あんはあんはひゃひょひょひはひあふりあああいのよっ!!(何度でも言ってやるわよ!この、馬鹿犬っ!馬鹿犬っ!馬鹿犬っ!馬鹿犬っ!大体、アンタなんかじゃヨコシマには釣り合わないのよっ!!)」
「はんあほっ?!ひっはいへっはのほほあひへはいへほいうへほあるっ?!!(なんだとっ?!一体拙者の何がいけないと言うでござるっ?!!)」

既に2人には周りが見えていないようだ。

「ああ、シロちゃんもタマモちゃんもそれ位で・・・・・・」
「・・・よくあれで会話が成立してるな?」

ワタワタと止めに入るおキヌだったが、無駄のようである。ベスパは変な所に感心していた。

「やれやれでしゅね。大体パピリオと一緒で、将来的には大きくなるかも知れないでしゅのに・・・・・・そうなったらヨコチマの好みから外れてしまうでしゅよ。」
「ごるぁっ?!待てい、パピリオッッ!!?違うっ!断じて違うぞっ!!?元々そんな前提条件は無いっっ!!!!いやっ、むしろ逆っ!俺が好きなのはムチ〜ン、プリ〜ン、ドカ〜ン!なバデイの娘さんじゃあーーっっ!!!」

やれやれと物知り顔でため息を付くパピリオに、ガーッと突っ込む横島。

「えっ!?じゃあヨコチマはルシオラちゃんの事好きじゃ無かったんでしゅか?!!」
「だーーーーっ!!?ちっがーーーうっ!!良いかっ!?よく聞けパピリオッ!ルシオラは良い女だ!俺が惚れた女だっ!!そこに胸の大小が入り込む余地など無いっ!だがしかし、健全な男子たるもの大きな胸に憧れるのは当然の帰結であり・・・」

横島の説明は怪しい方向に流れていく。

「確かにルシオラの胸は小さいっ!だが、それがなんだっ?!俺はルシオラの胸を好きになったんじゃないぞっ!?そもそも俺は・・・」

横島の力説に、一同はあっけに取られていた。言ってる事はなんだか変なのだが、本人が大真面目に熱く語っているため、なんだか聞き入ってしまっている。

「つまり俺はルシオラも好きだが、胸の大きな姉ちゃんも好きだと・・・」
「結局アンタの行き着く先はそこかーーーーーっ!!!?」

―― ゲシッ ――

「ガッッ?!☆」

美神の肘突っ込みが横島の首元に突き刺さった。

「ハァハァハァ・・・・・・良いから、さっさとこの娘についての説明をしなさいっ!」
「あ・・・あい・・・」

また横道に逸れてしまいそうだったので、美神はしっかりと釘を刺す。
一方・・・

「ひょこひまああたひあほらうあっ!あんはあひっほんへなはいっっ!!(横島は私が貰うわっ!アンタは引っ込んでなさいっ!!)」
「ふいいひょうはいおはらはひはなっ!?ほのへいふえめっっ!!ほれあへははんいへひゅうはんえほあるっっ!!!(ついに正体を現したなっ!?この女狐めっ!!それだけは断じて許さんでござるっ!!!)」

こっちの言い合いは止まらずに続いており、何気に爆弾発言も飛び出しているのだが・・・・・・他の者には何を言っているのか分からないうえ、ちょっとやそっとで収まりそうにも無かったので一同は放って置く事にした。
おキヌ辺りがこの台詞を聞いていたら、さぞや面白い事になっただろうに・・・
それはさて置き、横島は説明を続ける。

「えと、コイツなんですけど・・・驚かないで聞いてくださいね?」
「勿体つけないでさっさと言いなさい。」

美神の視線は、これ以上の脱線は許さないと言っていた。

「実はコイツ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺なんです。」
「はっ?」

その台詞を、誰一人理解できない。横島は小さく笑うと、右手を持ち上げた。

「つまり、こう言うことです。」

―― ポウ ――

霊力特有の輝きを放ち、横島の右の手の平に直径2〜3センチメートル程の珠が現れる。それは「文珠」と呼ばれるものだ。
そして・・・

―― 女 ――

そこにはそんな漢字が浮かび上がっている。


<後半に続く>

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