ザ・グレート・展開予測ショー

美神の秘密 ver.NAVA 〜美神美智恵の場合〜


投稿者名:NAVA
投稿日時:(03/ 2/ 2)



「令子〜〜〜!!!!!覚えてなさいよ〜〜〜〜!!!!!(怒)」


「終わりだー!!僕はもーおしまいだー!!」


特大豊胸パット着用という秘密がバレてしまった美神令子。
そしてそれを目撃してしまった美神美智恵と西条輝彦。
令子は証拠隠滅とばかりに、二人に時空消滅内服液を飲ませる。
その結果、二人は過去へ逆行を始めてしまい、再び令子のパットずれを目撃しなければ、彼女達は現在へ戻れない。
それどころか、存在そのものが消えてしまうのだ。



詳しくは過去ログ55『美神の秘密 ver.NAVA』参照のこと。





―――― 美神の秘密 ver.NAVA 〜美神美智恵の場合〜 ――――






南米某国。深夜。



ガバッ!!!



一人の女性が唐突に目覚めた。
そして辺りを見回す。

その様子に気付いた彼女の夫―――美神公彦が問い掛ける。


「どうしたんだい?」

「あ・・・・・・公彦さん?
 ここはどこ?
 今、何年何月何日何時何分かしら?」

心なしか妻の声が震えている。
時間移動の夢でも見たのだろうか?

そんなことを考えつつ、公彦は丁寧に答えた。


「ここは南米×××国の僕のラボ。
 そしてこの部屋は僕たちの寝室だよ。
 日付は19××年×月×日。
 時間は夜の2時30分くらいかな」

「そ・・・・・・そう・・・・・・」


今すぐ日本へ行かなければ!!!
ハッ?!
そ、そうよ!
私ってば時間移動能力者じゃないの!!!
それを利用すれば良い!!
カンニングみたいだけど、私自身にこのことを教えれば?!


「公彦さん?!
 次に雨が降るのはいつ?!」

「ん?
 何を言ってるんだい?
 今は乾季だよ?
 雨なんて降るはずないだろ?」



クッ!!!
こんな時に横島君の文珠さえあれば!!!
・・・・・・今のこの時期、横島君が文珠を覚えた頃ね?!!
どっちにしろ、日本へ行かなきゃ駄目ってわけか!!!





美智恵が日本へ旅立ったのは30分後のことだった。





















































当然、間に合いませんでした(笑









「のぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


絶叫とともに更なる過去へ逆行した美智恵。
逆行が済んだことに気付き、辺りを見回す。


・・・・・・に、日本?!
い、いつよ?!


早速情報収集に取り掛かる。
結果、判明したことと言えば、時は19××年。
時期としては、横島がただの丁稚奉公だった頃だ。

これで文珠を利用した時間移動は無理になった。
令子の悪運が凄いの知ってたけど・・・・・・ここまでとは・・・・・・。
しか〜し!!!
私も美神の姓を持つ女!!!
娘なんかに負けてれないのよ!!!!

そう心の中で豪語して、美智恵は娘のいるであろうオフィスに向かった。








シャーッ



今や除霊は最先端のビジネスとなった。
もはやこの日本に幽霊を住まわせる土地などないのだ。
経済活動を妨害する悪霊たちを退治する――――それがゴーストスイーパーである。

申し遅れた。
私は除霊アシスタントの横島忠夫。
悪霊退治のためなら命を賭ける冒険野郎だ。

今現在、私は作戦行動中である。
今の私を動かすもの。
それは未知への探究心である。

ターゲットは、私の雇い主である美神令子嬢。
GS業界でも屈指の力を持っている。
同時に屈指のナイスバディをも持っている。


ぐびびっ


ここは5Fの窓の外。
落ちたらさすがの私も死にかねない。
しかし!!この薄壁一枚を隔てて、アノ彼女が入浴しているのだ!!!
そう思うだけで、私には無限の力が溢れ出てくる!!神よ!感謝します!!

少しづつ・・・・・・少しづつ、窓を開ける。

脚だ!!
ターゲットは湯船につかって、脚を伸ばしている!!
もう少し、もう少し・・・・・・そう思った刹那!!!

私は後ろからワイヤーか何かで引っ張られる感触を覚え、落ちた。










落ちた場所にはダンボールが敷き詰めてあった。
おかげで無傷で済んだ。
しかし、ピンチはまだ続いている。
私は何故か、覆面を被った謎の女に銃を突きつけられていた・・・。

「ひ・・・ひ・・・すいますぇ〜ん!
 出来心やったんです!!!!」

私はこう切り出した。
所謂、駆け引き、ネゴシエイトという奴である。
しかし、その女はこう言った。

「・・・・・・横島忠夫君ね?」

「は、はいぃ!!!」

私は躊躇なく答えた。
すると銃口が下げられる。

「美神令子の着替え姿・・・・・・見たくない?」

その女の誘惑に、私は抗う術を持たなかった・・・・・・。









フフフ。
横島君を味方に付けることに成功。
これで何があっても、横島君のせいに出来るわ。
将来、令子は横島君の物になるんだし、これは令子!!貴女のためでもあるのよ!!!(握り拳)

それはともかく。
ここからが問題よね。
幸い、人口幽霊一号の物件に移る前だわ。
ここなら忍び込んでも大丈夫。
横島君がパートナーなら、侵入も容易。

令子は長風呂が習慣となっている。
横島君によれば、あと30分は風呂場から出て来ないわ。
この30分が勝負よ!!!!








あの覆面女……マダムMと名乗ったあの女の指示の元。
私はおキヌちゃんを呼び出していた。

「ごめん、ごめん。
 でも頼めるのは、おキヌちゃんしかいなくてさ〜」

マダムMの計画上、おキヌちゃんに見られてはまずいそうだ。
うむ。確かに覗きをおキヌちゃんに知られるというのは、精神衛生上良くない。

「つーわけでさ。
 いつも悪いとは思ってるんだけど、また部屋の掃除頼めないかなぁ?」

む?おキヌちゃんは何故か嬉しそうだ。
前々から思っていたのだが、何故におキヌちゃんはこうまで良くしてくれるのだろう?

ただの掃除好きなのかも知れない。うん、そうに違いなし。

「俺?俺は美神さんに頼まれた仕事をちょっとね。
 手伝ってくれるって?
 ははは、力仕事だから、俺一人でやるよ」

成功だ。
おキヌちゃんは私の部屋掃除に行ってしまった。
どう考えても往復するだけで30分以上かかる。

こうして私は、マダムMを事務所に招き入れた……。






考えてみれば、私はこの事務所内に入るのは初めてだ。
仕方なく横島君に間取りを尋ね、いつもの覗き戦法を尋ねた。

曰く、

「窓の外(5F)から……」

曰く、

「入り口のドアをちょっと開けて……」

駄目駄目過ぎる。
こんな戦法で美神の女の柔肌を無事に覗こうなんて、非常識過ぎる。
しかし、時間も無ければ、機材も無いことも事実。
ここは頭の使いどころね……。







「か、火事だ〜〜!!!!!!」

そう叫ぶのは横島忠夫。
その脇ではマダムMが、令子のいる浴室に煙を流し込んでいる。

『な、何?!!どうしたの!?横島君?!おキヌちゃん?!』

扉の向こうで令子が驚いた声を上げている。
ニヤリと顔を見合わせる横島とマダムM。

「緊急事態なんで!!!」

そう言って、浴室に繋がっている洗面所のドアを蹴破る。

『横島君?!この煙は何?!』

「分かりません!!!
 火事だと思います!!急いで出てください!!
 俺は除霊道具を運び出しておきます!!!」

叫びながら、下着だけは残して令子の服を持ち去る横島。


ガタガタガタ!!!!


ドアの向こうでは、令子が慌てて着替えているに違いない。


慌てる→上手くブラが着用出来ない=パットがずれてる。


完璧だ。
成功すれば、私は元の時代へ戻れる。
そして前面では横島君が涎を垂らして立っている。
私にしてみれば、パットずれをひと目見れればOKだ。

未来に戻った後の、今(過去)の私はどうするって?
愚問ね。横島君の記憶には謎の美女マダムMとしか認識されていない。

つまり、全ての責任は横島君一人に被ってもらえる。

さらに、例え過去であろうとも私は私。
上手く逃げおおせるに違いないわ。

責任放棄?知らないわよ。私のためなんですもの。


横島君が切なそうな、お預けを喰らった犬のような視線を向けて来る。
そうね。そろそろかしら。
それに応えて、私は頷く。

「何やってるんですか美神さん!!!
 まだここに居るんですか?!!!」

叫びながらドアを開いた横島君と私が見た光景は・・・・・・・。



一階へ直通であろう、滑り台状の脱出経路だった。


「「え?」」


絶句しながらも、そこを覗き込む。
遠くに外の明かりが見える。
つまり・・・・・・・


























『自分だけ逃げた?』





ふと、窓の外から下を見ると、令子がバスローブ姿で仁王立ちしていた。
この距離からでも、額のイゲタマークが見えている。

フッ・・・・・・バスローブがあったとは・・・・・・迂闊だったわね。
さすが令子。
美神の血を引くだけのことはあるわ。
今回は私の負けよ。

ん?
そろそろ時間ね。
また過去へ逆行しちゃうわけだ。

身体がぼやけて来る。
それを見て慌てる横島君。
私はそっと覆面を取り、彼を見つめる。

「ま、マダムM?」

「横島君・・・・・・私は消えてしまう運命にあるの・・・・・・」

「な、何を言ってるんすか?」

「貴方は・・・・・・私のことを忘れて、貴方だけの幸せを掴んでちょうだい・・・・・・」

何故か遠くを見つめ、美しい別れのシーンを演出するマダムM。

「だ、大丈夫って言ったじゃないですか!!!
 自分が上手くやるって言ったじゃないですか!!!
 全然、見れなかったじゃないですか?!!!」

さすがに事ここに至って横島も気付く。
こいつはバッくれるつもりだと。

「テヘ☆ごめんね〜♪」

「待てやゴルァ!!!」





































「こんのぉ〜〜!!!!!
 どアホウが〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!」







マダムMの存在を知らない令子が、誰に責任を求めたのか。
全ての騒動の責任を誰が取らされたのか。

それは言うまでも無い。







――――嗚呼、横島よ永遠なれ!!!(哀





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