ザ・グレート・展開予測ショー

ザ・ブロークン・ドリーム(その3)


投稿者名:DIO
投稿日時:(99/ 7/31)


 シロたちと別れてすぐに横島が追いついてきた。
美「さあ、横島クン!!ついてらっしゃい!!」
 言うが早いか、美神は手榴弾のピンを抜いた。それをどうーしたかって、そりゃもちろん投げましたよ、あなた。
 爆発に辺りの建造物もいくらか巻きこまれた。スタートの合図にはちと景気がよすぎたようだ。
キ「美神さん、街中ですよ!」
美「大丈夫だって。もみ消しはいくらでもきくから。」
キ「・・・・・こんなこと続けてると近いうち本当に破滅しますよ。」」

シロとタマモは屋根から屋根へ飛び回っていた。二人はすでにバクの霊波を嗅ぎ取っていた。
タ『あっちよ!』
シ『言われなくても・・・・!!』
 バクは腹がふくれたのか、高層マンションの屋上で昼寝していた。夢の中に入る魔物でも寝るものらしい。
シ『見えたでござる!!』
 バクの姿を2人が捉えたとき、ちょうどバクが目を覚まし、空に向かって飛んでいった。ねぼけた顔をしているから、シロの殺気を感じたわけじゃなく、単なるバッドタイミングのようだ。
シ『あっ、待てー!』
タ『シロ、乗って!』
 タマモは腕を翼に変化させ、さらにバクを追った。

横「み、か、み、さーんっ!!」
 横島は「ハンズ・オブ・グローリー」を刀から鎖鎌へと形状を変えた。そしていわゆるクサリの部分を伸ばした。霊波の鎌はアスファルトに深く刺さり、クサリはコブラに巻きついて動きを封じた。
 断っておくが、本当の鎖鎌はこういう使い方をするものではない。が、烈火の炎の『砕羽+焔群』のような使い方をしたと思ってもらいたい。
 いままで横島がこの戦法を使わなかったのは、彼がこれを思いつかないバカだったのと、思いついても不器用で使い分けられないのとのどっちかであろう。
 こんなことでもなければ日の目を見なかっただろう。

鈴『お願い!マンホールの精!!』
 マンホールのふたが、いきなりふっ飛び上がって横島の顎をはねあげた。横島は吹っ飛ばされ、集中力に穴があいたことでハンズ・オブ・グローリーは消えた。
 とはいうものの、致命傷とはならず、すぐさま起きあがった。
横「この、」
 そのセリフを最後まで言うことはできなかった。
 横島が起きあがったのもつかの間、今度は、口を大きくあけるように、マンホールの穴がデカく広がって横島を飲み込んだ。
鈴『サンキュー、マンホールの精!』
美『ナイス、鈴女!』
鈴『えへへ、鈴女、役に立ったでしょ。』
美「ええ、まあね。」
鈴『じゃあ、結婚式は明日ね。』
美『何でそうなんのよ!状況をわきまえなさい!!』

 美神が気を緩めたこのとき、今度は横島が地中から飛び出し、コブラをひっくり返した。
横「これで、さいごー!!」
ありったけの文珠をブチまいた。辺り一帯爆風と閃光に包まれた。


  この一連の騒動をビルの屋上から見つめる者がいた。。
『・・・・・・・この状況、利用しない手はないね。・・・・・』


 爆発がおさまったそこで、コブラは無惨なガラクタへと姿を変えた。さすがの美神もやられたかに見えた。ただし素人が見たならば、である。
『おや、さすがにしぶといね・・・・・・・』
 上空に彼女の姿があったのをそのなぞの影は見逃さなかった。

美「備えあれば憂いなし!」
 美神のコブラはトランクにカオス・フライヤーU号を収納していた。
美「私に抜かりはなくってよ!」
キ「で、次はどーするんです?」
 彼女たちが次の手を打つ前に、横島のほうは『飛』の文珠によって美神たちに追いついた。美神の行動パターンは読まれきってると言ってよいだろう。間髪入れず、『爆』の文珠の乱れうちをしかける。
 動きを読まれていては、美神のドラテク?でもかわしきれない。反対に横島の思考パターンはいつもと違うから美神は裏をかけない。
美「どー考えても文珠使い放題はズルすぎる!いつも肝心なとこで無くなるくせに!!」
 全くその通りだ。追ってくるのにも攻撃するのにも文珠を使って使って使いまくっている。
 もし文珠が競売にかけられたら精霊石とどっちが高いかとか、考えただけでぞっとする。

 もう手榴弾もライフル弾もミサイルもない。まさに万事休すだ。
キ「横島さん!」
 横島は、積年の恨みを、その一刀に込めて、なんのためらいもなく、とどめをさそうとした。
美「くっ!」
 さすがの美神も、やられることを覚悟した



『・・・・・それは・・・』
横島の心の中で誰かの声が響いた。
『・・敵じゃないわ・・・!!』
横島の動きが一瞬鈍った。横島を止めようとする誰かの姿・・・・幻影が見えた。
美「・・・・・・・!!」

 一瞬の隙をついて、美神は神通棍で、空中から舗装道路にめり込むんじゃないかってくらいブッとばした。


 同じ頃シロとタマモはついにバクを追い詰めた。
シ『逃がさんー!!』
 シロの霊波刀がバクを一刀両断にした。



数時間後

シ『先生ー!一緒に散歩に行くでござるー!』
横「俺は全身包帯巻いてんだぞ!!一人で行けっ!!」
鈴『美神さん結婚してーっ!』
美「あんたたち、うるさいわよ!ただでさえ暑いってのに・・・!外に行きなさい、外に!」
 何事もない、いつもの光景が戻ったのである。
 美神に怒鳴られ、しぶしぶ横島は外へ出た。城は好対照にウキウキしている。タマモも一緒に外へ行ってしまった。鈴女もいつのまにかいなくなっていた。
 事務所には美神とおキヌ、それと人工幽霊壱号だけになった。

キ「ねえ、美神さん。あの時・・・」
美「 ・・・・そうね、そうかもしれないわ。あの娘ならあれくらいやってもおかしくないし。」
 二人とも、口には出さなかったが妙な寂しさを二人とも感じていた。
キ「・・・・・あ、もうこんな時間だ。お夕食の支度しなくちゃ。」





今回で『ザ・ブロークン・ドリーム』は終了です。次回からタイトルを改めて話を進めていきます。
 今回の(その3)は、「おキヌちゃんの出番が少ない」と思われる方も少なからずいると思いますが、おキヌちゃんの能力では下手に出番を増やすとかえって話がまずくなりそうだったので省きました。要するに、
「私たち普通の戦い向きじゃないですもんね。」
ということです。
そのうち時間があったらおキヌちゃんがメインをはれる話をバトル・ラブコメ共に書きたいですね。


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