ザ・グレート・展開予測ショー

彼の大きさ(6)


投稿者名:ANDY
投稿日時:(03/ 1/31)

 そこには異様な重圧が存在していた。
 日本、いや世界最高のGSのメンバーが集まっていた。
 それぞれの顔にはさまざまな表情が浮かんでいた。
 ある者は、このそろった面子の異様さに驚きを表し、ある者は表情をなくし、ある者は憤怒の表情を浮べていた。
「な、なんなの?この雰囲気は?」
「美神さ〜ん。雪乃丞さんたちが怖いんですけど」
「みな、異様に殺気だっておるでござるなあ」
「何であんなに怒ってるの?」
 その様子を眼にし、美神除霊事務所の面々は面食らっていた。
「皆さんそろったようね」
「ママ!」
 美智恵が入ってきたことにより、空気がかわった。
 例えるならば、限界ぎりぎりまで空気を入れた風船のように、より張り詰めた空気へとなった。。
「おい、隊長さんよ。西条のダンナが電話で言ったことは本当なんだろうなあ?」
 押し殺した声で雪乃丞は美知恵に聞いた。
「?なんのことよ?」
「どうなんですか?!」
「どうなんですかいノー?!」
 美神の上げた疑問の声を打ち消すように、ピートとタイガーが声を出した。
 その表情はまるで抜き身の真剣のように鋭かった。
「そのことについて説明するわ。まずこれを見て頂戴」
 そう言い、美知恵は数枚の写真を出した。
「まずこれね。本日未明にここ東京タワー展望室上空に不審なものが浮いているという通報が一般市民からあったの。
 当初は、過去にも展望室の上に人影があると言う報告はあったので、今回もそうかと思ったところに、一瞬ながら魔力を探知したそうよ。
 そこで慌てて東京タワーに、オカGの職員二人を送ったところ強力な魔力を確認。そのため急遽対策本部が設置」
 そういい、美知恵は目で「何かここまでで質問は?」と尋ねた。
「ちょっといいワケ?そんなオカGが警戒するほどなら結構な魔力なワケ。でも、ワタシらはそんなのをこれっぽっちも感じなかったし、今も感じてないワケ。これについて説明は?」
 そうエミは質問した。だが、その質問はここにいる全員が持っているものだ。
 美智恵が嘘を言っているとは誰も考えていないのだが、自分の霊感に対して絶対の自信を持っているのもまた事実。そのため、今回の話は半信半疑なのだ。
「それはね。どう言う訳だか対策本部が出来上がると同時に辺り一体にあったはずの魔力が消滅。それに、どうも霊カメに直接魔力を送りつけてたみたいなのよ。そのため、あなた達の霊感にかからなかったものだと推測されます」
「なるほどなワケ」
 美知恵の説明を受けエミは一応の納得をしたようだ。
 ちなみに、霊カメとは正式名称を「霊気監視カメラ」で、都内のビルの屋上に「天気カメラ」と同じく設置されたものだ。このため、24時間の監視体制が可能になったのだ。
「で、一体どれぐらいの魔力だったんじゃ?わしらを呼び寄せるぐらいじゃから結構なものなんじゃろう?」
 お茶請けの羊羹をかじりながらカオスは尋ねた。
 その質問に美知恵はどう答えようかと一瞬渋い顔をしたが、事実を述べることにした。
「一瞬だったため正確な数値はわかりませんが、報告によると6000〜8000マイトの魔力が観測されたそうです」
『な?!8000マイト!!』
 美智恵の言葉に全員が驚愕の言葉を上げた。
「?なんでござるか?それは」
「なに?すごいの?それ」
 訂正。シロとタマモの二人(匹?)は理解できていないようだった。
「二人とも、簡単に言うとね美神さんが八十人いると思えばいいのよ」
「は、八十人?!」
「あ、悪夢ね・・・」
 オキヌの補足説明を聞き、何を想像したのか二人は顔を青くしていた。
「あ、あんたらねえ〜!」
「はいはい。そんなことはどうでもいいでしょう。話を戻すわよ」
 娘の叫びを無視して、美知恵は話の軌道を修正した。
「で、その魔力の発生源を特殊班に念写をさせたところこんなのが写ったのよ」
 そう言って美知恵が差し出した写真を見た瞬間、この場にいる全員から殺気があふれ出した。
「こいつらは!」
「忘れもしねえぜ!その面は!!」
「ぐるううううううううう!!!!」
「・・・殺すわ!」
「え〜と〜。お仕置きねえ〜」
「主よ。咎人たちに罰を与えたまえ」
「ターゲット・認識・殲滅対象に・設定」
などの声があふれ出した。
「みんな。見てわかるとおり今回の相手は一年前の事件の首謀者と見られる悪魔と類似点が見られます。おそらく何らかの繋がりがあるはずよ。いいわね。決して油断はしないように。相手の能力は未知数なんですからね」
「・・・関係ねえよ」
 美智恵の注意の声に雪乃丞は小さく、それでも力強く言葉をつむぎだした。
「関係ねえ!能力?んなもん知ったこっちゃねえ!!こいつらのせいで俺のダチはまだ帰ってきてねえんだ!!!たっぷりとその礼はさせてもらうぜ!!!!」
「僕も同感ですね」
「ワシもですんノー!」
 男三人は背中に炎を上げながら言った。
「・・・そうね。わかったわ。では、準備が整い次第作戦を決行します。道具はウチが提供するから好きなだけ使っちゃって。では、解散!!」
 美智恵の言葉を合図に、それぞれが準備に取り掛かった。
 目指すは東京タワー展望室。
 果たして何があるのだろうか・・・

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