ザ・グレート・展開予測ショー

君はいないかもしれない。


投稿者名:veld
投稿日時:(03/ 1/29)


 君はいないかもしれない。
本当は、どこにもいないのかもしれない。
ここにいる君は偽者で。
本当の君はどこか別の場所にいる。
そんなはずはないのに。

 今、目の前に君はいるのに。
そんなことを思ってしまうのは。
君への裏切りだろうか?

それでも分かって欲しいと思う。
勝手な考えを押し付けていると言うことは分かっている。

それでも・・・不安で。

 今、エプロンを身に着けて
僕の前で料理を作っている君が
本当は違う誰かなんじゃないかと
思ったりするんだ

 背中越しだから

君の顔が見えない

 それだけで

 僕はどうしようもなく

 不安になる

















 「魔鈴ちゃん・・・」






















 にゃっにゃっにゃっ・・・ふみゃみゃにゃにゃにゃにゃっ!!
 『ばれそうだにゃっ、早く戻ってきて欲しいにゃっ(泣)!!』


 ここから『』間は、魔鈴と使い魔猫のテレパシートークになります。

 『駄目っ、今、横島さんに料理を作ってあげてるところなんだから・・・』
 『そんなこと言われても、さっきからずっと見てるにゃっ!!』
 『うふふふ・・・横島さん、見てるわ・・・家庭的なところをアピールしておかなきゃ・・・』
 『魔鈴ちゃんっ、もう限界だにゃっ!!』
 『大丈夫よ。ばれても。「ホムンクルスでしたぁ!」って笑って誤魔化してしまえばいいのよ。多分』
 『多分じゃ駄目にゃっ!!もっとちゃんとした案を練って欲しいにゃっ!!』
 『あら、大丈夫。ホムンクルスとは言え、よく出来てるわよ。少し顔は崩れているけど、あなたが顔の部分を自分の身体で覆ってしまえばいいのよ。それ以外は別に私と変わりはないんだから、やろうと思えば、飛べ、と念じるだけで箒にのって飛ぶことだってできるのよっ』
 『そんなホムンクルス嫌だにゃっ!!』
 「あらあら・・・横島さんったら・・・。つまみ食いは駄目ですよ♪でも、これなんかあとは皿に盛るだけで、出来上がってますからどうぞ」
 『・・・魔鈴ちゃん、西条が近寄ってきたにゃっ・・・』



 「魔鈴ちゃん・・・僕は、不安だよ・・・」

 にゃにゃんにゃん・・・にゃにゃにゃ・・・
(魔鈴ちゃん・・・僕は不安だにゃ・・・)

 「君の顔が見れないだけで・・・まるで君が君でないように思えてならないんだ・・・」

 にゃぁにゃにゃにゅ・・・・にゃにゃんにゃにゃにゃあんにゃ・・・にゃにゃにゃにゃぁにゃにゃんにゃぁ・・・
(あのホムンクルスの顔・・・本当に見れたもんじゃないにゃ・・・お化け屋敷に売り飛ばそう、そんなことまで言ってたし・・・)

 「・・・分かって欲しいんだ・・・。情けないとは思うけど・・・」
 

にゃにゃにゃ・・・にゃにゃっ!にゃあああああああ!!
 (肩に・・・手をかけたっ!今だにゃっ!!)

 「こ・・・こらっ!!魔鈴ちゃんに何をするんだっ!!」

 ふにゃぁぁぁうみゃっみゃああああ!!
 (この手を離したら・・・終わりだにゃっ!!)

 「こらっ、顔から離れないかっ!!」

 みゃみゃみゃにゃみゃぁぁぁぁぁ
 (絶対に、離さないにゃぁぁぁぁ!!!)





その頃・・・横島の部屋

 「横島さん、美味しいですか?」

 「美味いっ!!凄く美味いっすよっ!魔鈴さんっ!!」

 「良かった・・・お口に合わなかったらどうしようって、不安だったの。前の時の料理とは違ったから・・・以前は本当にごめんなさい・・・余計なことしちゃったみたいで・・・」

 「いや、別に謝ることじゃないですよ」

 「でも・・・」

 「魔鈴さん、俺の為にしてくれたことなんでしょ?嬉しかったんです、あんなに一生懸命に俺なんかの為に頑張ってくれて・・・」

 「横島さん・・・(ぽっ)」



そんで一転、西条殿



 「まっ、魔鈴ちゃん!?ほ・・・箒に跨ったりして・・・どこへ行くんだいっ!?」



  にゃっにゃっみゃぁぁぁ!!
(魔鈴ちゃん、飛ぶにゃっ!!)




 その頃、横島の部屋

 「はっ、横島さん・・・ごめんなさい、少しだけ外に出ても良いかしら・・・」

 「あ、すいません・・・何か顔色悪いっすね・・・大丈夫っすか?」

 「ええ・・・ごめんなさい、すぐに終わるから・・・」

 「あ、いえ・・・(終わるって・・・何だろ?)」



 『こちら魔鈴、こちら魔鈴、どうぞ』

 『こちら、ホムンクルス一号どうぞ・・・って、西条が砂煙撒き散らしながらものすごい勢いで追ってくるにゃあぁぁぁぁ!!』

 『合流地点は横島さんのアパートの前、どうぞ・・・』

 『了解っにゃっ!!』






 そして、少し時間が経って・・・横島のアパート前

 「ふぅ・・・何とか間に合ったにゃ」
 「そうね・・・。私が横島さんと会ってることが分からないようにすることには成功したわね」
 「何もかもを滅茶苦茶に掻き回して誤魔化す手は、魔鈴ちゃんの得意技にゃ」
 「・・・それって誉めてるのかしら・・・それにしても、ここって狭いわね・・・それに酷く匂うし・・・まぁ、隠れる場所があっただけでも良しとしましょ」
 「・・・どうして、僕らゴミ置き場の中に隠れてるにゃ?鼻がまがるにゃ・・・それに、ホムンクルスを出したままにしたら、西条に・・・」
 「今からあの娘を使ってテストを行うのよ。西条さんが、私の伴侶としてふさわしいか」
 「・・・どうせ、伴侶にするつもりなんてないくせに・・・」
 「あら、分からないわよ。私の評価で八割以上の得点なら認めるつもりよ」
 「・・・あえてコメントはなし、にゃ」
 「あ、来たみたいね」



 「・・・ぜえ・・・はあ・・・、魔鈴・・・君、驚いた・・・よ。突・・・然、箒にまたがって・・・ひぃ、ふぅ・・・飛んでいってしまうんだから・・・」

 「肩に手を当てたにゃ・・・もうすぐ、顔を見るにゃ・・・」
 「そうね。さぁ、どんな反応をするのかしら・・・」


 「魔鈴君・・・顔を・・・見せて」


 「西条・・・凄い顔になったにゃ・・・」
 「・・・ここからよっ!!」


 「うあぁぁぁぁ!!化けものっ!!」

 判定は、失格。点数:2.4点・・・1000点満点(理由:顔が面白かったから。)
 

 「・・・あらあら・・・走って行っちゃったみたいね。本当に私を愛しているのなら、例えどんな容姿でも私を愛しているといってくれるでしょうに・・・」

 「・・・魔鈴ちゃん、それを男に求めるのは酷と言うものだにゃ・・・」

 「それはどうかしら?魔女だっていつまでも永遠の若さを持っているわけじゃない。醜い姿をさらすことにもなるでしょう?その時、私を受け入れてくれるか、それは重要な判断材料になるんじゃない?」

 「・・・やっぱり、魔女にゃ。魔鈴ちゃんは」

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