ザ・グレート・展開予測ショー

シロの・・・(3)


投稿者名:ゲン
投稿日時:(03/ 1/28)

ガタンゴトンガタンゴトン
レールの上を走る電車が一定のリズムで音を刻んでいた・・・

シロの・・・(第三話)

ガタンゴトンガタンゴトン
窓から見える風景は暗く、徐々に人家も少なくなってくる・・・
「・・・真っ暗ですね。外」
「・・・まぁ、夜中だし、人家もほとんどないみたいだしな」
ただいま午後11時・・・宗司が来てからまだ4時間ほどしかたっていない
さて、何故こんな時間に横島たちが電車に乗っているのだろうか?
それを説明するために4時間ほど時を戻してみよう・・・

〜4時間前〜
当初、宗司を含む事務所一行6人は、明日の朝早く事務所を出、8時前後発の新幹線に乗り、人狼の里へと向かう予定だった・・・が!
「8時前後って・・・だったら何時に起きろって言うの?」
・・・美神が反論した・・・
シロの事が無ければ行きたくない場所・・・しかも朝8時前後の新幹線で行くというのだから、「起きたいときに起きる」という美神の生活スタイルに大きく反する・・・
正直そんな生活スタイル改善しろ、と言いたいが相手が悪い
そんなこんなで話し合った結果、今晩のうちに夜間列車で向かう、ということになったのである
ちなみに電車代は宗司持ちである
「・・・シロの親父さんの法事に出てもらうんだし・・・給料もらったばかりだから・・・」
とのことだ
ちなみにこの言葉に美神が少々機嫌を直したため、その後は着替えなどの準備しなければならないなど慌しかったものの、スムーズにいき、今にいたるというわけである

まぁそんなこんなで、今6人は食堂車で、円形のテーブルに腰をかけていた
準備が忙しくて食事をとる時間が無かったのである
「・・・まだこないのか?腹減った〜」
「まだ注文したばっかりですよ」
愚痴を言う横島を、おキヌちゃんが苦笑しつついさめる。ちなみに注文してからまだ数分も経っていない
しょうがないので食事が来るまで雑談をしていたのだが・・・
「・・・そういえばさ、宗司さんってどんな仕事してんの?」
タマモの言葉で雑談が止まった
「・・・・・・」
宗司は答えない
「拙者もまだ聞いてないでござるよ」
「あっ、私も興味あります」
「一応私も聞いとこうかしら?(いい収入の仕事だったらシロの食事代出させよう)」
「・・・メシ・・・まだか・・・」
おそらく三人も聞きたかったのだろう、タマモの質問につづき、答えない宗司に問い詰める・・・約一名不純な動機だったり、全く会話に加わっていない人がいたりするが・・・
「・・・・・・」
宗司はまだ答えない
「・・・兄上?」
疑問に思ったシロが宗司の目の前で手を振ってみる・・・が、何の反応も無い
「・・・まさか・・・」
こんどは口元に耳を寄せ、聞き耳を立てる
「・・・!・・・やっぱり・・・」
「?・・・どうしたの?」
宗司に何か異変が起こったのでは、とおキヌちゃんが心配する
「・・・寝てるでござる・・・」
ズルッ
3人がこける
「・・・シロ・・・起こしなさい・・・」
ゴゴゴゴゴゴ
美神が怒りを抑えながら言う
「わ、わかったでござる」
美神の怒りを感じ、シロがおびえながら答える
「兄上、早く起きるでござる!(でないと殺されるでござるよ!)」
ユッサユッサユッサ
シロが宗司の体をゆする・・・がそれでも起きない
「まだ起きないでござるか・・・兄上・・・なかなか起きない兄上が悪いのでござるよ・・・」
そう言うと、シロは一瞬間を置き・・・
バチバチバチバチバチバチ
往復びんたを宗司にはなった
「はぁはぁ・・・流石にこれなら起きるでござろう?」
計数十発ほどびんたを叩き込み、宗司の様子を見る
・・・パチッ
宗司が目を覚ました・・・
「・・・ん・・・おはよ・・・」
ズルッ
再び4人がこける
「・・・何やってんの?・・・」
「「「「・・・・・・」」」」
もう怒る気力もないようである
「・・・え〜と・・・何を聞こうと思ってたでござるか・・・!そうでござる!兄上が何の仕事についているか、でござる!」
シロが目的を思い出し、宗司に問う
「・・・そんなことどうでもいいじゃん・・・」
答える気無しですか、宗司さん
しかし、そんなことは超絶守銭奴現世利益最優先GSこと、美神が許すわけがない・・・と言うよりも絶対にどうでもいいということはないと思われる
「・・・答えなさい・・・」
黒いオーラを放ちつつ宗司に問い詰める
「・・・そんなに知りたいなら教えてもいいけど・・・たいした仕事じゃないよ?・・・」
黒いオーラを軽く受け流して宗司が面倒くさそうに言う
もっとも、4人は宗司が面倒くさそうなことなど関係なく、興味しんしんなのだが・・・
「いいから、早く教えてくだされ」
シロが宗司を急かす
「・・・手芸品とか・・・売ってる店・・・」
ようやく宗司が答えた・・・やはり妹(代わり)の頼みには弱いのだろうか?
「ふ〜ん・・・まともな仕事なのね」
「でも手芸品や、服だなんて素敵です」
「兄上は手先が器用だったでござるからなぁ」
3人が感心したような口ぶりで言う、ちなみに上から、タマモ、おキヌちゃん、シロである
「・・・他にも・・・メイド服とか・・・ナース服とか・・・そんなのも売ってる・・・」
「「「・・・・・・」」」
・・・どんな店だそれは・・・3人も言葉を失っている
「・・・で、給料はどれくらいなの?」
美神が沈黙を破り言葉を放つ・・・だからといってそんなこと聞くか?
「ん?・・・XX万円ぐらいかな?・・・」
ちなみに額は読者の方が自分で想像してほしい、とりあえずそれなりの額だったということは言っておく
なんにしろ、その言葉を聞いて美神の顔が輝いた
「それぐらい給料もらってるなら・・・これから先のシロの食事代を払ってもらえないかしら?」
・・・がめつい・・・3人が共通して思った・・・というか金山だけじゃ足らんとでもいうのか?
「・・・そんな金払ったら俺が食えなくなるからダメ・・・」
「そう・・・残念ね・・・ちっ・・・」
そんな不毛な会話が終わったところでちょうど食事が運ばれてきた
・・・と、同時に今まで沈黙を保っていた横島の目が光る
「メシー!」
ガツガツガツガツ
よほど腹が減っていたのだろう、みるまに横島の目の前にあった食べ物がなくなっていく
「そんじゃ俺も食べよっと・・・」
「拙者も・・・」
バクバクバクバク
シロと宗司の前にある食べ物もドンドンなくなっていく
「凄い・・・」
誰が言った言葉だろうか?ただ三人はこの光景を見て呆然としていた
「ひょういえば、ひゃにうえ。ひゃねうえはげんきへごひゃりゅか(そういえば兄上。姉上は元気でござるか)?」
シロが口を開く・・・食べながら物を言うなんて行儀が悪いよ
「・・・む?・・・ひゃあ・・・はいつとはひゃいひんひぇんひぇんあっへないから・・・(・・・ん?・・・ああ・・・あいつとは最近ぜんぜんあってないから・・・)」
だから食べながら物を言うなって・・・
「ひゃへうへ?・・・ひろのほんひょうのねぇひゃんか?びひんか!?(姉上?・・・シロの本当の姉ちゃんか?美人か!?)」
・・・もう何も言うまい・・・
「ふぇ?ほんひょうのひゃねうえではないでごひゃるよ。いぬひゃかってひうみょうひなのへごひゃる(へ?本当の姉うえではないでござるよ。犬坂って言う名字なのでござる)」
シロが答える・・・どうやら「美人か!?」という問いは無視したようである
シロたちの話が終わると、ちょうど全員が食べ終わったためそれぞれの寝室へと向かった
・・・なお、支払いは宗司である

部屋割りは2人ずつで、美神&おキヌ、シロ&タマモ、横島&宗司である
ちょっと横島たちの部屋を覗いてみよう・・・いや、他の2組にぼこぼこにされて入れなかったとかそういうんじゃないですよ。決して(汗)
部屋の中では横島と宗司が雑談をしている
「なぁなぁ、犬川さん」
「・・・ん?・・・何?・・・」
横島が宗司に問い掛ける
「・・・犬坂さんって・・・」
「・・・あいつが・・・何?」
横島がゆっくりと口を開く
「・・・美人?」
「・・・・・・」
まだ気にしとったんかい
「・・・お休み・・・」
宗司が寝床にもぐりこみ、就寝する
「ああ、答えて!教えてもらえんなんて生殺しじゃぁぁ!」
横島の絶叫が、むなしく列車内に木霊した・・・

ガタンゴトンガタンゴトン

列車は進む

ガタンゴトンガタンゴトン

シロのふるさと・・・人狼の里へと・・・

(続く)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あとがき
え〜と、今回は閑話休題って感じで・・・
えっと、今回は皆様にお願いがあります
文中に出た「シロの姉うえ」、犬坂の名前を考えてください
いや、マジで・・・チャットでも多くの方から出していただきましたが、できる限り多くの人から意見を頂きたいので・・・
「こんな名前はどうだ!」ってのがありましたら、どうかお教えください

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa