ザ・グレート・展開予測ショー

神として時に女(ひと)として4


投稿者名:ジャン
投稿日時:(03/ 1/27)

「しかし、驚いたなぁ。まさか小竜姫様が人間になっているなんて」
 学校の帰り道、美神の事務所に向かう途中。
「ええ、まあ神様にも色々あるんですよ」
「でも、いいんですか?妙神山は?神と魔のなんたらかんたらは?」
「まあ、上層部のやり取りで何とかなってるんですよ。横島さんが心配する事ではありませんよ」
と、微笑む。
『いい、凄くいい。人間になってもやっぱりかわいい!!』
 などと思いつつ、不気味な笑いを浮かべる。
 その時、横道からおキヌがやって来た。
「あれ横島さん、それと小竜姫様も?どうしたんですか?珍しいですね」
 また、変な悪霊が出たんだろうと思いつつ近寄る。
「あ、おキヌちゃん。それが、小竜姫様が人間になったんだって」
「人間に?」
 何故という疑問が頭をよぎる。
「色々よろしくね」
 小竜姫がニッコリと微笑む。
「え、ええ」
 おキヌは直感的に何か予感がした。

「こんにちわー、美神さん」
「あら、皆おそろいで?」
 美神はイスに座りながら振り向く。
「小竜姫も一緒ということは、事情は大体聞いたかしら?」
「ええ、ここで働くんですって?」
「そうよ。まあ、強いGSは多いに越したことは無いわ。ただでさえ、最近Gメンにデカイ顔をされて、収入が減ってんだから」
と、帳簿を見る。
「で、今日久々に依頼が入ったの。早速で悪いけど横島クンと小竜姫で片付けてきて。
 私も久々に体を動かしたいところだけど、ママが遊びに来るのよ。最近暇だからたまにはいいかと招待しちゃったのよ。タイミングが悪いわね」
と、数枚の書類を渡す。
「それじゃあ、二人で行ってきます。夜には戻ります」
「よろしくー!」
と、手を振りつつひのめのための遊び道具を用意する。
「何だかんだ言って、美神さんは子供好きですね」
 そう言って二人は出て行った。
「おキヌちゃん、材料は用意してるから料理してくれない?私はその間にシロとタマモと掃除をするから」
 この前部屋の汚さに母親に怒られたばかりであった。
 その声に二人が過剰に反応する。
「何故、拙者らが?」
 そうそう、と横でタマモがうなずく。
「何よ!!ただ飯食ってんだから掃除くらい手伝いなさい!」
 そのあまりの迫力に二人は無言でうなずく。

「しかし、神様もわからないわね」
 掃除機をかけながらタマモがシロに話し掛ける。
「何がでござるか?」
「私も長い間生きてるけど、神様が人間になったケースは知らないわ」
「それじゃあ、何で?」
「それがわからないのよ。でも、一つわかった事がある」
 掃除機のスイッチを切り真剣な表情で振り向く。
「あの人、横島が・・・」
と、そこで言葉を切る。
「今のは忘れて。多分私の思い違いだから」
 再び掃除機のスイッチを入れる
「?」
 シロは不思議そうにたたずむ。その後ろをおキヌが何食わぬ顔で通っている事も知らずに。。
『ややこしい事になりそうね』
 ため息を尽きつつ掃除機をかけていく。

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