ザ・グレート・展開予測ショー

同棲するって本当ですか?(かなり長文)


投稿者名:ぱらどくす
投稿日時:(99/ 7/29)

NSXさんの書き込みを見て、いろいろ考えたのですが、幽霊の時と人間の時でおキヌちゃんの対応が変わる点
というのが、閃きませんでした。
しかし、立場を入れ替えて別の話を考えることなら私にもできそうです。 こんなネタだとどうですか?


「なんてこと、こいつ悪霊じゃないわ!」
美神が声をあげる。
今回の依頼者は金蔵銀行。 銀行に流れた不良物件の1つである、とある一戸建ての除霊に来たのである。
ところがこの家に憑いていた霊は、悪霊・怨霊の類ではなかった。 この家の分身である、家守の神であったのだ。
「仮にも家の神であるものが、なぜ住む者に害を為すの?」
『わしがこの家に宿ってからここに住むやつは、ゴーツクな金貸しとかアクラツなヤクザとか人生捨てた年寄りとか
面白くない奴ばっかりじゃった。 わしは一度でいいから初々しい若夫婦に住んで欲しい。 次に住む奴は若夫婦で
なくては嫌じゃ。』
「そんなこと言ったって、都内の一戸建てなんて買える若夫婦なんてそうそういる訳無いでしょう。 だいたいこの家
はじじむさいのよ。 若者向けじゃあ無いの、あきらめなさい!」
『な、なんと、そーじゃったのか! ぐぬぬ、ならばそこの二人。 お主たちが1ヶ月ここで暮らせ! そうすればわし
もあきらめて鎮まろう。』
家守の神が指差したのは横島とおキヌだった。

「な、何を言ってるの! それじゃ夫婦じゃなくて同棲でしょ!! あんまりなめたこと言うと家ごと火つけるわよ!」
「待ってください。 それは契約に違反します。 その場合違約金が…」
美神を止めたのは、銀行から派遣されてきた立会人だった。
「わ、わかってるわよ! ぐ、ぐぬぬ、このヤロー…」
「み、美神さん。 あの私…横島さんさえ良ければ…その…」
「え゛っ!!」
「ま、待ちなさい! 早まらないでおキヌちゃんっ!!」
結局、美神の必死の交渉により期間を3日間に縮めることを条件に話はまとまった。


数時間後、横島のアパ−ト
「3日分の荷物っていうとこんなもんかな。 しかし、3日ももつのか? 俺の理性。 しかし、できなければ殺されて
しまう。 いや、しかし…」
「お出かけですか? 横島さん。」
妄想に浸りかけた横島に声をかけたのは隣の小鳩だった。
「なんや、ぎょうさん荷物持って。 かけおちか?」
「えっ…」
いつのまにか勝手に荷物を漁りかけた貧乏神の言葉に、小鳩が不安げな目をする。
「た、ただの出張だ! それじゃ、留守をよろしく。」
小鳩の視線に痛みを感じながら駆け去っていく横島を見ながら、貧乏神の目がキラリと輝いた。
「怪しい。」


さらに数時間後、問題の一軒家
「いい、おキヌちゃんは氷室家から預かった大切な娘さんなんだからね。 なんかあったら殺すわよ。」
「さあ、お主らは帰った帰った。 これから3日間、お主らがこの2人の生活を乱すことまかりならんぞ。」
念を入れて脅しをかける美神を、家守の神が追い帰した。
「じゃあ、私はご飯の準備をしますね。 『忠夫さん』。」
「ぶうっー!! お、おキヌちゃん!!」
不意打ちをうけて、思わず横島が鼻と両耳から謎の噴出物を吹き上げる。
「えへへ、冗談ですよ。」
そういうと、おキヌは台所に消えていった。


「え、えらいもん見てしもた。」
あわてて立ち去ろうとする、貧乏神をつかみ止める手があった。 美神である。
逆の手には、ライフル銃が握られている。
「な、なんやねーちゃん。 ストーカーに走ったんか?」
「だれがストーカーよ! これは除霊の一環だからね。 他言するんじゃないわよ。」
そういうと、美神は貧乏神を解放した。
「あんな口止めでよいのでござるか?」
ナパーム弾を預かって横に立つシロが美神に尋ねる。
「しゃべりまくるでしょうね。 これで、横島クンの友達がここに押しかけるとしても、『私たち』が2人の邪魔をした
わけじゃないわ。」
美神はライフルを上げると、窓から見える横島に照準をセットした。
それが第一夜目の始まりであった。


と、まあこんな感じですが……



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