ザ・グレート・展開予測ショー

神として時に女(ひと)として3


投稿者名:ジャン
投稿日時:(03/ 1/26)

 かつて、世界を破滅の一歩手前まで導いた魔人・アシュタロスを倒した男、事実上人類の救世主ともいえる男・横島忠夫だが、そんな事とは無関係に普通に高校に通っている。
 世界を救ったヒーローとはいえそれだけで高校を卒業させてくれるわけではなく、元来勉強がまったくできないうえ、GSの仕事のせいで出席日数も足りずに窮地に追い込まれていた。
「くそー!こんな事なら真面目に学校行ってりゃ良かった!!」
 おそらく、全国の高校生が思った事があるセリフを叫びながら教室に入っていく。
「おはようございます、横島さん」
 ピートが近づいてくる。
「いいよな、お前は。オレのような心配事が無くて」
「僕は、真面目に学校に来てますから」
「やっぱり、アシュタロスなど放っておいた方が良かったのかもしれん。世界を救ったとはいえ、周りの反応が変わったとは思えん!しかもその間はしっかり欠席扱いになっているし・・・!」
 世界を救った事から少しは、いやかなりもてると踏んでいたのにとんだ誤算であった。
「しかし、前から疑問なんだが、モノノケの一種のバンパイアのお前が何故人間にもてるんだ?オレのような素晴らしい人間がいるのに?」
「そんな事ありませんよ。
 でも、逆に横島さんは・・・」
と、その時、
「おい!横島!!」
 クラスメートの一人が駆け寄ってくる。
「三年生に物凄い美人の転校生が来たんだってさ!」
「何?」
 言うが早いか横島はダッシュで教室を飛び出した。
「横島さん!抜け駆けはだめじゃ!」
 それをタイガーが追っていく。

「ここかー!オレの恋人がいるのは!!」
 そのままの勢いで教室に駆け込む。
「横島さん!!」
「お前は、さがっとれ!」
 文殊に『滑』の刻みタイガーに投げつける。タイガーは盛大に転び、廊下の壁にぶつかり外に放り出される。
 そんな不幸なタイガーには目もくれず、教室の転校生を確認もせずその子の机に座る。
「はじめまして、横島忠夫です。
 オレの恋人になって!!」
 教室にいた誰もが、その後の半死体となった横島を想像した。
「ええ、よろ・・・」
 その女が答えようとした時、
「あ?!その人は・・・」
 教室の外でビートが叫ぶ。
「何だ?」
 そこで初めて横島は女の顔を確認した。
「あ、しょ、小竜姫様?!」
 横島の表情が変化する。
「何ですか?私の顔に何か着いていますか?横島さん?」
「何で、ここに?」
「私、人間になったんですよ・・・」
 そういい終わるか終わらないうちに、
「ここはもう、神様と人間の禁断の恋に・・・!!」
と、飛び掛るが、軽くかわされる。
「人間になったと言ってるでしょ?」
『そう、今は人間と人間だから、禁断ではないのですよ』
と、心の中で呟き、誰にも見られないように微笑んだ。

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