魔人Y−28b
投稿者名:NAVA
投稿日時:(03/ 1/26)
???
どういうこと?
メドーサの呪縛が解けない?
何故?
これはメドーサの力じゃない?
……アシュ様?
どうしてアシュ様の力を感じるの?!!
ま、まずい?!!
このままじゃ、美神さん達と戦い続けることに!!!!
◆
フン……。
悪あがきしてるようじゃないか、ルシオラ?
無駄だよ。
アンタに術をかける時に使った力はアシュタロスの物だからね。
元々、アシュタロスの力に対しては抵抗力の弱いアンタ。
それ抜きにしても、圧倒的な力の差。
さぁ。
最後まで踊っておくれ?
感じないかい?
愛しの彼氏が近づいて来てるよ?
◆
今まで、どこか希薄な存在感しか持たなかったルシオラクローン。
それが最後の一体になった時。
初対面で感じた、圧倒的な存在感を醸し始める。
そして彼女は動きだす。
無言で、無表情で、唐巣に襲い掛かる。
右、左、正面、真後ろ、真上。
ありとあらゆる方向から攻撃が加えられる。
知っていても、対応出来なければ意味はない。
幻術と分かっていても、どれが本物か分からなければどうしようもない。
派手にクリーンヒットを貰って悶絶する唐巣。
すぐさま次の標的を探そうと戦場に目を向けるルシオラ。
その視線に、美智恵が襲い掛かってくるのが見える。
美智恵の神通棍を片手で受け止め、空いた方の手で魔力を込めた一撃を見舞う。
吹き飛んだ美智恵には目もくれず、魔力の壁を展開して西条&雪乃丞の攻撃を受け止めるルシオラ。
そして魔力の壁を球形に変形させて、一気に二人を押し潰す!!!
かろうじて抵抗に成功した二人だったが、ぐったりとしていて、動く気配は無い。
ふと、視線を向けた先ではメドーサと小竜姫が戦っている。
そんな小竜姫に向かって、援護とばかりに魔力閃――光線状にまで凝縮した――を照射した後、神通鞭を構える令子に向き直る。
◆
「まだか・・・・・・?
まだ着かないのか?」
先ほどから立て続けに聞こえる爆音に焦りを覚える横島。
おキヌ達を説得するのに一苦労し、同行することを条件にエレベーターへ乗る。
乗ったのは良いが、1階、2階と表示が変わるのが酷く遅く感じられる。
――――何かが起きようとしている。何か悪いことが・・・・・・。
そんな予感が横島を苛む。
◆
美神令子はルシオラを見ると、冷静ではいられなくなる。
横島の心を奪った女。
横島の心を縛った女。
横島の生を変えた女。
人としての感情、女としての感情。
色々なモノをミックスしても、ルシオラのようにはなれない。ルシオラのようには行動出来ない。
自分と相反する存在。
それが彼女にとってのルシオラだった。
「ちょっとは期待してたけど・・・・・・確定ね。
アンタは敵よ!!!!」
――――待って!!これは私の意思じゃない!!!
「ママ達を容赦なく吹き飛ばしてくれたんだからね!!!!」
――――こっちでも抵抗したわ!!!だから生きてるはず!!!急所を外したはず!!!
「アンタは・・・・・・アンタの存在は横島君のためにならないのよ!!!」
――――!!!!!!
「だから!!!!
だからここで死になさい!!!!
横島君の目に触れる前に!!!!
横島君のために消えなさい!!!!」
――――ヨコシマのため?
駄目!!!
ヨコシマのために私は蘇ったのに!!!!
令子が必殺の一撃を放つ。
未だ、霊的に安定してないルシオラにとっては酷く危険な一撃。
しかし、十分に避けられる程度のスピード。
そこで予期もしない闖入者が現れる。
バンッ!!!!
扉が開く。
そこから姿を現したのはおキヌ達を引き連れた横島忠夫。
それに意識を奪われたのはルシオラ。
気付かなかったのは美神令子。
それが二人の明暗を分ける。
ズンッ!!!!!
「アッ・・・・・・・・・・・・」
そう言ったのは令子かルシオラか、あるいは横島か。
令子の一撃が、まともにルシオラにクリティカルヒットしている。
そして傷口から徐々に始まる身体の崩壊。
「ル、ルシオラッ!!!!!」
それなりの距離を、急いで駆け寄る横島。
抱き上げた身体は酷く軽く、肩の辺りがごっそりと崩れている。
「ヨコシマ・・・・・・?
アハハハハ・・・・・・。
ごめんね。
頑張ったんだけど・・・・・・駄目だったみたい」
舌を出して茶目っ気たっぷりに(本人主観)詫びるルシオラ。
そんな小さな行動一つでも身体に与える振動は少なくない。
「だ、駄目だ。
ほら、文珠で・・・・・・」
「無駄よ?
分かってるでしょ?」
話してる間にも崩れ落ちる身体。
「でも・・・・・・でもでも・・・・・・」
少年のように泣きじゃくる横島。
それを慈しむように見つめるルシオラ。
「そっか・・・・・・私、自分の死に方に納得してなかったんだなぁ」
「?」
「どうせ死ぬなら、惚れた男の腕の中。
悪くない・・・・・・悪くないどころか良い気分。
ウフフフ」
そう言って笑った瞬間。
まるで夜闇の中で蛍が乱舞するように、光輝く粒子となって消え去った。
「ルシオラ――――――――ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
その瞬間、横島の身体が黒く光り出す。
黒き光が部屋全体に満ちる。
その光りを浴びている美神達に横島の想いが、記憶が転送される。
美神とルシオラが戦っている。
足元にはたくさんのルシオラクローンが倒れている。
そして美神の一撃に倒れる最後のルシオラ。
――――暗転
文珠生成機に組み込まれる時に聞いた最後の言葉。
『人界の新たな秩序のため』
その言葉に感じた激しい怒りと絶望感。
――――暗転
徐々に崩れ始めるルシオラクローン。
ヤマサキのにやけ顔。
文珠も霊波刀も出せないもどかしさ。
激しく叩かれるガラス。
叩いた拍子に崩れる身体。
それを見たルシオラクローンの絶望の表情。
――――暗転
世界とルシオラの存在を天秤にかけた時の想い。
アシュタロスの誘惑。
美神達への想い。
ちょっとだけ感じるアシュタロスへの同情感。
――――暗転
最後にルシオラと話した東京タワー。
自分を助けるために死を選んだルシオラの表情。
一緒に夕焼けを見たルシオラ。
命がけの夜這いでべスパと戦うルシオラ。
自分の想いを告白するルシオラ。
真剣なルシオラ。
初めて会った時のルシオラ。
横島の知っているルシオラの顔がどんどんフラッシュバックする。
そして次第にそれは美神のモノと重なっていく。
同じようにフラッシュバックし始める美神との思い出。
そのどの表情も、美しければ美しいほど、楽しければ楽しいほど、悲しければ悲しいほど、横島を破滅の道へと誘っていく。
ゲシュタルト崩壊がどんどん加速されていく。
◆
「わ……私は……」
美神の声は誰にも届かない。
見れば誰もが涙を流している。
その中で唯一人、メドーサが三叉の鉾を横島に投擲する構えを取る。
そして無言でそれを投じる。
小竜姫がそれに気付き、三叉の鉾を防ごうとする。
小竜姫が飛び跳ねた瞬間、ワルキューレの魔銃がまともに背中から命中する。
そして棒立ちになった小竜姫へ三叉の鉾が命中し、さらにすり抜けて横島へ向かう。
三叉の鉾が小竜姫の身体をすり抜けるその瞬間、小竜姫の霊基構造がどんどん書き換えられていく。
「きゃぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!!!!!!!!!」
小竜姫が崩れ落ちる。
それと同時に三叉の鉾が横島に命中する。
――――突き刺さった?!
誰もがそう思ったが、鉾は徐々に徐々に横島の中へ埋まっていく。
◆
「アーッハッハッハッハッハ!」
誰もが呆然としている中、メドーサの哄笑が響く。
「これで魔神横島の誕生だ!!
いや魔人か?」
「な、何だと?!
そんな話は聞いてないぞ?!」
ベルゼブルが憤る。
「バカ?
アンタみたいな役立たずを魔神に据えるわけなんてないだろ?
アンタが魔神ならアタシは魔王だよ!!」
「コッ、殺してやる!!!」
ブワッ!!!!!
満身創痍のベルゼブルが、メドーサの一撃で吹き飛ぶ。
メドーサに気を取られている間にも横島の魔族化はどんどん進んでいる。
「何で?どうして横島君が魔族化するのよ!!」
美智恵にも普段の冷静さはない。
「良いだろう良いだろう。
解説してやるよ」
メドーサが実に機嫌良く応じた。
「元々、半人半魔の横島を人たらしめていたのは、人に対する愛情・愛着さ。
例えば・・・美神令子への思慕の念とかね。
しかし今回の一件で奴はその想いに疑問を抱いちまったのさ。
ほんの一瞬で良い。
人と魔のバランス、陽と陰のバランスの崩壊が横島を魔族化させた。
半人半魔というよりは、半魔半人と言ったところかね」
令子が疑問をぶつける。
「じゃあ、聞くけど。
何で・・・・・・横島君からアシュタロスと・・・・・・同質の魔力を感じるのよ!?」
「それはもっと簡単さ。
アタシが持っていたあの三叉の鉾。
実はあれこそがアシュタロスの力の結晶なのさ!
アタシが使っても圧倒的だったろ?
あの鉾の威力は。
そして見ただろ?
アレを横島が吸収していたのをさ!!!」
そして横島が覚醒する。
◆
魔界、万魔殿内にて。
リリスを始め、5人の魔神が勢ぞろいしている。
「クッ!小竜姫め!余計なことを!!!
・・・・・・・・・・・・フゥ――――まあ、良いわ。
予定とはちょっと違ったけど、これで第一段階終了ってところね」
リリスが血の色をしたワインを片手に微笑む。
「引き続き第二段階か」
「ええ、それはともかく・・・・・・やっとペンタグラム(五芒星)がヘキサグラム(六芒星)に戻るわけよ」
乾杯を始める5人。
「「「「「新たな魔神の誕生に祝福を・・・・・・」」」」」
今までの
コメント:
- 話を端折りすぎてごめんなさい。
一応、ルシオラーでもある私には、この回は痛すぎて描写してられませんでした^^;
本来は研究所編最大の山場なんですが・・・。
それより何より、魔人の書き方を忘れたのが痛い(爆
そして薄っぺらい文しか書けない自分に乾杯☆(鬱 (NAVA)
- あ〜〜、なんて書いたらいいんだろうか。良くも悪くもリリス達のシナリオ通りになるんですね。唯一の誤算が小竜姫様の霊基構造が書き換えられることですか。
しかし横島を壊すためにここまでするとは。話の筋としては賛成ですけどもやっぱりこう何と言うか否定したいと言う気持ちとで中立で。
さてここまで来るともう横島の魔人化一直線ですかね。ルシオラなんて出てきていきなりの退場、こんなの可哀相過ぎますね。小竜姫さまもこのままいくと神界から追い出されそうですし。今後の展開に期待していますんで次回をなるべく早くに〜〜、少しは救われる展開期待しています。でわ (トキ)
- 横島が魔人になっちゃいましたね。このまま横島はずっと魔人なのか?そして小竜姫様はどうなるか?楽しみにしています。 (koike)
- 裏切ったな!!僕の気持ちを裏切ったな!!
畜生ルシオラ死んじゃったじゃないか!!どーゆうことだ!!
・・・こんなノリで反対票入れるアホは俺だけだろうなあ。
ルシオラ、どーにかなんないかなあ、と思いつつ次回に期待。では。 (紫)
- 私もトキさんや紫さんと気分的には同じではありますが、その理由での中立票は既に第1話まで投じていますので、今回は賛成票です(爆)。個人的には今回の横島クンが魔人化してしまった理由に関してはそれなりに納得がいっています。魔族の部分と、人間の部分のバランスが崩れてしまったと言う設定は十分に有り得ると思いますし。ルシオラは可哀想ではありますが、横島クンの腕の中で死ぬことが出来ただけでも大分救われた気がします(涙)。さて、横島クンは遂に魔人と化してしまいましたし、ワルキューレも遂に「寝返り」行為に走り、物語も本格的に動き出した感じですね。今後どんな展開になるのか、全く読めません(笑)。次回も楽しみにしております♪ (kitchensink)
- とうとうここまで来ましたね。ようやく魔人1へと繋がりそう。
今後の展開がめっちゃ気になる。どうやらメデューサが使っていた三叉は
アシュタロスの結晶らしい。そんなもんどこに閉まっといたんだ!?と言いたくなるが
それを横島が取り込むことで魔人と化すなら小竜姫は?どうなるんでしょうねぇぇl。
おそらく魔族化すると思いますがここでポイントなのは小竜姫もメデューサと同じように
魔族として生きるか、あくまで神族として行動するか。これが次回の山場?っぽくなりそう。
個人的には壊れた人間界というのも見てみたいので小竜姫は横島についていったという
筋書きでいってみてほしい。 (レナス)
- 美神さんにルシオラを殺されるという図が、なんとも衝撃的っす。人間に絶望するとすれば、確かにこういう形でなされるのが一番きついもんかもしれません。
ルシオラさん・・・。亡くなってしまわれましたか・・・、でも、横島君が魔族になったってことは・・・ルシオラのあれで、あれが、出来ると思うんですが。だから賛成。駄目なら反対。 (veld)
- う〜ん・・・
まあ、ルシオラは死ぬんだろうなぁと覚悟はしてましたがやはり痛いですね(TT)
横島魔人化ですか・・意図的ではあるにしろいろいろな不運が重なってしまった結果かもしれませんね。人間である横島が魔族の頂点に近い力を持つのはどうかと思いますが、それを言ったらこのお話続かないですしね(笑)ちょっと今回は中立で(汗)
今回のお話でバス●ードのウリ●ルを思い出したのは僕だけでしょうか(笑) (ユタ)
- コメントありがとうございます♪
それにしても・・・中立票が多くて、予想よりは良かったw
中立票がごっそり反対票になってるのを覚悟してたんでw
言い訳をさせていただければ、必要だったんです。話の都合上。
というわけでコメント返しをば。
>トキさま
何というか・・・ヤマサキが頑張り過ぎた結果と思われますw
リリスはここまで具体的に計画を練っていたわけではありませんので。
次話ですが・・・救いは無いっすよ。まだw
またもキャラが死ぬし。こっちはさっさと死ねランキングで上位にいそうなキャラですがw
>koikeさま
やっと魔人になってくれましたヨ。長かったですね(ぉ
今後は小竜姫が頑張ってくれる・・・カナ? (NAVA)
- >紫さま
その反対票でのダメージはゼロでした(ぉ
ルシオラー(ルシオラに非ず)には救済措置(になってるのか?)を用意してありますので^^;
つーか、3番目の子供?(笑
>kitchensinkさま
横島の腕の中で死亡は、ルシオラーに対するゴマスリという説は却下です(謎
ワルキューレ=リリスの目的は、横島の魔族化&魔神だったので、もはや擬態をする必要が無くなったために、行動しました。6人目の魔神が生まれた以上、神界も強気に非難は出来ない・・・かもしれないしw
既成事実を作ったって奴です。
(NAVA)
- >レナスさま
三叉の鉾自体が結晶だったので、どこにも隠してませんぜ?w
結晶を武器化したとお考えください。
かなり前の話で、横島にはアシュタロスの力の結晶と親和性があるみたいなことを書いたと思います。故に、小竜姫が横島と同じ変化を遂げることはありません。
>veld
やだなぁ。何をやってもルシオラの転生はありえないってメドーサさんが仰ってたじゃないですか♪<クローン全滅の場合
ま、アレをアレしますがねw (NAVA)
- 失礼しました。veld“さま”でした。
>ユタさま
魔神化にいちゃもんつけられたら、この話は続かないので反論のしようがありません!w
というわけで流しまして、バス●ードのウリ●ルですか?
はっはっはっは。ゲシュタルト崩壊とか堕天とかそのまんまですな。
実は思い浮かんで当たり前っすw
私の中のイメージとしては、リリス=ポル●・デ●アノなんすよ?w<外見 (NAVA)
- ル、ルシオラぐぁぁぁぁ!!!!
私がしばらく来ない間にいったい何が!?
やっぱりルシオラには幸せを掴んで欲しいので今回は中立です。
・・・・・ルシオラ、やっぱりどーにかなんないかなあ(同調) (ハルカ)
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