ザ・グレート・展開予測ショー

そっくりドキドキDAYS(想い)


投稿者名:えび団子
投稿日時:(03/ 1/25)

「あ、あの・・・横島さん」

「何っ?」

「さっきの話なんですけど・・・」

さっきの話?彼の話か・・・言い辛いことならなるべく聞きたくなかった。

「別にいいよ・・」

彼女の耳には届いていなかった。

「彼、死んじゃったんです。」

死んだ。その言葉に「おキヌちゃん」を重ねてしまう。
正確には死んではいないけど記憶はなくなってしまった。

「・・・・・」

何も言えなかった。言いたくなかった。

「私の手術ってとても難しいものだったらしくて、お金がたくさん掛かったみたいなんです。それで彼が・・・」

彼女の瞳が潤んでいった

「ユリ子ちゃん・・・」

「それで彼、一生懸命になって働いて朝も昼も夜も働きっぱなしで・・・」

肩に水滴が何粒も落ちた、冷たかった・・・
あえて後ろは見なかった。

「彼・・・お金を私に渡しながらこう言ったんです。(俺、浮気しなかったぞ!)」

彼女の声はもう半分鼻声だった。ひどくやるせなかった・・・

「それから数日後、彼が過労死で亡くなったって知らせが届いたんです。」

そこから彼女は何も言わなかった。

「気にすることはないよ、彼も本望だったろうさ。自分の惚れた女性の為に死ねたんだから!それにユリ子ちゃんが悔やんでちゃ彼も成仏できやしないし。」

ユリ子ちゃんの表情が少し弛緩した。

「そう・・・ですよね。私がしっかり生きなきゃ駄目ですよね!」

よかった・・・元気になってくれた。もうおキヌちゃん
の時の様な思いはしたくない。誰にも人を失った哀惜を味わってほしくない。

「ありがとうございました、横島さん♪話したら気持ちが楽になりました」

雰囲気が和んだ、最初よりずっと・・・

「へへ・・・!」(横島)

「えへへ・・・♪」

その時、上空から何やら見覚えのある人影が・・・
ロングの赤髪、豊満な胸にキュッと締まったボディに形の
いいヒップ・・・

「横島ああ〜!!!あんた仕事さぼって何してんの、職務怠慢で減給よ!!」

どうやらオカルトGメンの特殊ヘリから見おろしている
らしくこの位置からだとパンツが丸見えである。

「うおおおお!!これは以外な、なな何と・・・」

「撃て!!」

ズキュキュンッ!ズガガガガ!!

「う、うわあああーーーーー!!!!」

銀の銃弾&低級霊弾がものすごい勢いで向かって来る!!

「あああ、もうあかん!せめて最後に一発ううぅ〜!」

バコッ!!顔面に右ストレートが炸裂、そして流血。

「しませんーーーーー!!」

やっぱり・・・そういうキャラじゃないよな。

「横島さん!危ない!!」

「えっ!?いやあああぁあぁぁぁーーー!!」

とっさにサイキック・ソーサーで防ぐが低級霊弾
までは防ぎ切れなかった。

「ウエヘヘヘ・・・」

「きゃあっ!!何ですかこれ!!」

ユリ子の危機が迫る中、横島は・・・

「おい!お前美神さんに時給いくらで雇われた!?」
 
「ウエヘヘヘ・・・1000円」

「何ィいい〜!!あの女・・・」

「横島さん〜〜〜!!!」

低級霊に殺傷力は極めて微少なものである、しかしもの
すんごく気色悪く身動きがとれなくなるのだ。そのため
低級霊弾は霊の捕獲等に低コストで雇える便利なアイテム
なのだ。

「くそっ、サイキック猫だましっ!」

ここで説明しておこう低級霊は霊波の放出だけ
でも吹き飛ばせるのである。物理的な攻撃は吸収
してしまうが霊気を帯びた攻撃には滅法弱いのだ。

「ふぅ〜よかった!大丈夫ユリ子ちゃん!?」

「は、はい!横島さん、ま、前!!」

「えっ!?ピート!!」

「横島さん!すいません、言う通りにしないと僕の命が・・・」

ピートの後ろからはエミさんが・・・

「ピート〜!待ってえ〜私を置いてかないで〜♪」

確かに・・・退路は断たれている様だな。ピート・・・

「と言う訳でおとなしく捕まってください!!」

この状況で捕まることは死に直結している事は誰にも
理解できるだろう。しかし、死ぬだけで済むだろうか?
相手はあの美神令子だぞ?それを考えると一瞬でも長く
娑婆の空気を吸っておきたくなるのは至極自然なことだろう・・・。

「いやじゃああ!!ハンズ・オブ・グローリー!!!」

必死の抵抗もむなしくピートのバンパイア・ミスト
によって交わされてしまう。

「後ろをとった、勝負ありです!横島さ・・・ぶっ!!」

落とし穴が・・・いつの間に!さすが美神さん譲りの
戦い方だ。

「ピートォ〜、こんな所に隠れるなんてヒドイわけ〜!」

「あ、あああのエミさん・・・!!」

その後ピートがどうなったのかは誰も知らない。

「ピート、すまん!成仏してくれ・・・」

だが、もう一人横島達を阻む刺客がいた。
奴の能力は精神支配。

「な、何!?タイガーもかっ!?」

「すまんですノー、横島さん。」

いきなりの精神支配に横島の目には断崖絶壁の崖
が見えた。反射的にリアブレーキを掛けブレーキングターン
をする横島に更なる追い討ち

「横島ああぁぁ〜!!覚悟しなさい!破魔札乱れ撃ち!!!!」

これにはさすがの横島も防ぎようがなかった。

「うわああああーーー!!」

横島の体が宙に舞った、ところでユリ子ちゃんはと言うと
タイガーの手によって難を逃れていた。さすがの美神も
ユリ子ちゃんには手を出さなかったようだ。

「ううう・・・ユリ子ちゃん!?」

「か、可愛いですけんノー・・・!」

ユリ子ちゃんは運がよく気絶している様だ。
こんな状況(現実離れ)を正視できるぐらい
の強靭な精神は持っていないだろうから。しかも
タイガーに抱かれているのならもっともである。

「こ、こらタイガー!その女はな俺の・・・」

ズゴゴゴゴゴオオオ・・・殺気

「誰の何ですって・・・!?」

悪寒が体中を包み込んだ、これから数秒後俺が
意識をとり戻した時事務所の一室に拘束されていた。

「う、ここは?」

「目が覚めたかね!?横島君?」

「さ、西条!てめえ・・・」

そこには警察の事情聴取をとる取調べ室の
様な暗い場所だった。

「横島くん、君あの子とどこまでいったんだい!?」

「何処までって、そこらをブラブラと・・・」

バンッ!と机を叩いたのは美神さんだった。その目には
ギラギラと憎悪が煮えたぎっていた。今から俺に起こりうる
苛酷な現実が想像できた。

「そうじゃない!あの子とどの程度の関係まで進んだのか聞いているんだ!!」

答えようによっては死よりも苦しい美神さんから
の呵責を受けることになるだろうな。しかし俺は
自分の気持ちを正直に話すまでだ。ここまできて
おちゃらけは通用しないだろう。覚悟は決め・・・

「た訳ないやろ〜!!あの女の恐怖を知らんのや!!いっぺん睨まれると蛇に睨まれた蛙の様になってまうんやー!しかも、冷血非道なんやどーー!!」

い、いかん・・・口にしてしまった。こ、殺される・・・

「ふふ・・・横島君、これで君も終焉だ!神父、お願いします!!」

「おお・・神よ、今この者に安らかな死を与えたまえ!!」

もう駄目だ・・・何もしてないのに殺される。漸次恐怖が湧いてくる・・・

「・・・・・・横島くん!!」

「は、はい!!何スか!?」

とうとう終わりか!?そう思い始めた時、美神さん
の口から驚愕する一言が・・・

「時給250円ね!!」

それだけ?呆気に取られている俺にもう一言・・・

「吹っ切れた?」

何が何だか少し分からなかったが理解することはできた・・・
そして俺は間をおいて「はい」と答えた。

「令子ちゃん、こいつは・・・!」

「いいのよ、西条さん。」

「おお、神よ奇跡が起こりました・・・」

それから間もなくして学校の連中に質問責めに
あった。誰かが青春よね〜と言って、また誰かが
援助交際など妖怪説など奇妙な噂が流れたらしく
男の友情などと言う者もあった。

〜〜〜〜〜〜事務所の玄関〜〜〜〜〜

「本当にごめんなさいね、うちの従業員が失礼なことを」

どっちが失礼だ!?

「あ、あの別にいいんですよ。途中から記憶がありませんし・・・」

これが不幸中の幸いというものか。

「あ、あのこれ横島さんに渡しておいてください!」

古びたリストバンド・・・一体いつのものだろう・・・

「じゃあ、これで・・・」

深くお辞儀をして去っていく彼女・・・

「えっ?これ何なの!?」

彼女は振り向きニコッ♪と笑った

「私の彼もGS目指してたんだよっ♪横島さん!!」

まさかそこまで似ていたとは・・・

「ふぅ〜、何か嫌な予感・・・」

美神の霊感が未来のライバルを予知した
のか?何のライバルだろうか?仕事・・・それとも・・・

「まっ、いいか!」

そのころユリ子ちゃんはと言うと・・・

「渡しちゃった、私ってば私ってば♪」

意外に積極的なユリ子であった。

「♪」

「どうして〜私は連れて行ってるれなかったんでしょうか〜」(冥子)

理由は分かる様な気がします・・・!




     

           


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