ザ・グレート・展開予測ショー

破門


投稿者名:veld
投稿日時:(03/ 1/24)


 時々は、弟子をからかいたくなる、そんな師匠の気持ち、どうか分かって欲しい。


 「シロ・・・今日、お前に伝えなければならないことがある・・・」

 「ごくっ・・・なんでござるか・・・?先生・・・」

 拙者は、先生があんまり真剣な顔をなさるので、思わず息を呑んだ。

 「・・・シロっ・・・お前は今日限りで破門だっ!!」

 破門・・・拙者は、初め、その言葉を聞き違えたのかと思ったのでござる。

 破門・・・波紋・・・はもん・・・れもん・・・檸檬と言ったら・・・

 紅茶・・・レモンティー・・・甘酸っぱい・・・拙者は角砂糖をたくさん入れて飲むのが好きなんでござるよ・・・。甘い、レモンティー・・・ふふふふふ・・・

 「し・・・シロっ!?」

 甘い、甘い、波紋・・・破門・・・拙者と先生の甘い破門・・・。

 弟子と師匠の許されざる愛・・・。師弟愛とは違う、女と男の、愛。

 「シロ・・・俺は・・・お前のことが・・・」

 「先生・・・駄目・・・」

 「・・・く・・・お前が弟子でなかったら・・・こんなに辛い思いはしないのに」

 「先生・・・でも・・・先生が先生だから、拙者達は出会うことが出来たのでござる・・・」

 「それでも・・・くそっ、何て神様は残酷なんだ・・・。愛する人が弟子なんて、世間が許すはずがないじゃないか・・・」

 「先生・・・拙者・・・例え世間が冷たくても・・・先生のこと・・・愛しています・・・」

 「シロ・・・シロ・・・シロォォォっ!!」


 がばぁ


 「あん♪」




 「・・・シロ・・・お前は今この瞬間から破門だ・・・」

 「っ!?先生・・・!?」

 「シロ・・・弟子なんかじゃなくて・・・俺の、俺の嫁さんになってくれっ!!」

 「うぅ・・・」

 「どうした!?シロ・・!?」

 「嬉しい・・・嬉しいでござるよ・・・先生・・・」

 「違うだろ?シロ・・・」

 「せ・・・忠夫さん・・・」

 「シロ・・・」

 「忠夫さん・・・」

 「シロ・・・」






 「シロ・・・?」

 「忠夫さん・・・」

 「ただ・・・!?お前、何言ってんだ、おいっ、シロっ!?しっかりしろっ、すまん、冗談だっ、帰って来いっ!?おいっ!?シロっ!?」

 えへへへ・・・




 「ねぇ、おキヌちゃん?シロどこ行ったか知らない?」

 「あらタマモちゃん、え、シロちゃん?さあ・・・知らないけど・・・どうかしたの?」

 「うん、今からドラマがやるの。いつも一緒に見てるのなんだけど・・・」

 「へえ・・・どういう内容なの?」

 「使い古された話ではあるんだけどね・・・兄と妹が愛し合っちゃうって言う感じのドラマよ」

 「へー・・・」

 「私はそんなに興味ないんだけど・・・あの馬鹿犬がはまっちゃってね。毎回毎回終わるごとに禁断の愛でござるぅ、何て叫ぶのよ・・・」

 「シロちゃん・・・そんな感じには見えないけど・・・」

 「お子様だから、想像力はすごいんじゃないの?いや、妄想力かな?ありゃ・・・」

 「(ぐっさり)・・・あ、ああ、そうかもね、お子様だもんね・・・(絶対言えない。さっき、横島さんと禁断の・・・なんて考えてたなんて、絶対に言えない・・・)、お・・・面白そうね・・・私も見ようかな」

 「うん、あ、今までの録画してあるからそれを後で見て。昼メロだから、おキヌちゃん多分いきなり見ても分からないだろうから、今日の分は見ないで置いた方がいいかも」

 「う・・・ん。学校行ってるから見れないし・・・。いきなり途中からの見ても面白くないわよね。内容把握できないし・・・」

 「うん、どうせ最終回まで見るつもりだし。録画しとくから」

 「お願いね、タマモちゃん」

 「うん♪」



 「シロ・・・悪かったから。もう、破門なんて言わないから・・・。頼むから、帰ってきてくれ・・・」

 「えへへへへ・・・破門でござるぅ♪」

 「シロォォォ!!!」

 結局、シロは今日放送した、『Dear sister』 第三十一回 「お前は俺の妹だ」 を見逃した。

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