ザ・グレート・展開予測ショー


投稿者名:veld
投稿日時:(03/ 1/24)


 もしも、シロがクロだったらどうしよう、そんなことを考えながら空を見ていた。

 「先生・・・一体何を・・・?」

 「・・・空を、見てたんだ。お前も見ないか?クロ・・・」

 「・・・」

 どうするべきでござろう・・・

 「あ・・・あの」

 ここは、やっぱり。

 「先生〜、拙者はシロでござるぅ」

 と言って甘えるべきか・・・それとも・・

 「先生っ!?クロとはどなたでござるかっ!?拙者以外にも・・・」

 と言って、べたべたと先生に抱きつくべきか・・・うーん、それとも・・・

 「先生?クロのほうが呼びやすいでござるか?それなら・・・」

 ぷるぷるぷる・・・駄目でござるっ、父上、母上に与えてもらった精錬潔白な白と言う名を汚すような真似は例え先生のため(?)とは言えできないでござるよ・・・。

 「先生のクロになるでござるぅ」

 意味不明でござる・・・聞き様によっては、拙者、日陰者になってしまうでござるよっ(謎)

 とすれば・・・

 「先生・・・気付いていたんでござるか・・・実は拙者のお腹の中には・・・」

 ・・・何を考えているでござるかっ(ぽっ)
却下、というか、拙者、まだ(?)そんなこと先生にはしてもらってはいないでござるっ!!

 はっ・・・考えてみれば、先生はクロ・・・から何も言ってはいないでござる。

 「お前も見ないか?黒い雨雲を」

 ・・・黒くないでござる。雨雲なんて出てないでござるな・・・。

 「お前も見ないか?黒塗りの壁」

 ・・・どこにもそんなものないでござる。

 「お前も見ないか?苦労人」

 ここまで来ると意味不明でござるな・・・。

 先生はただ、ぼんやりと空を見上げている。やっぱり、先生は拙者の事を・・・。

 いや、まだ、決めつけるには早いでござるよっ!!

 「お前も見ないか?黒い服の似合う大人の女になったシロよっ!!」

 先生はきっと、こう言うつもりだったんでござる・・・。多分。



 以前、とっても綺麗な女性の依頼人が来た時・・・



 「うわぁ・・・すごい派手な服ねえ」

 「馬鹿、聞こえたらどうすんだっ・・・」

 「大丈夫でござるよ。向こうの声もあっちには聞こえないみたいでござるし・・・」

 まじっくみらあ(向こう側からこっちは普通の壁のように見えて、こっちから向こう側はまるで透明なガラス戸のように見える壁)の向こう側に、見える依頼主の姿に、拙者もタマモも少し驚いていたでござる。
 黒い上着を羽織った妙齢の女性。その容姿は美しく、一見すると派手に見えるその服装も、その女性が着ると、上品に見えたのでござる。

 「・・・まぁ、いいか。確かに、派手な服だよな・・・でも、けばけばしい雰囲気はないな・・・何かすっきりしてる。俺、黒ってもう少し落ち着いた、地味な雰囲気になると思ったけど、あんな着こなし方もあるんだな・・・大人の女の貫禄って奴だな・・・」

 「ふーん、横島ってあんなタイプの女が好きなんだ・・・」

 「俺は美人ならどんなタイプでも好きだぞ。多分」

 「ふーん、私やシロは・・・?」

 「!?あ・・・あのなぁ、俺は年下にはだな・・・」

 「先生っ・・・」

 「あ・・・、俺・・・用事会ったんだっ、じゃあな、シロ、タマモっ!!」


 先生・・・拙者・・・いつかは黒が似合う女になって見せるでござるよ・・・







 「先生・・・認めてくれたのでござるな・・・。拙者が先生の彼女になることを・・・」

 「ん?」

 「先生・・・一緒に見るでござるっ」

 「おうっ、来いっ、シロ」

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