ザ・グレート・展開予測ショー

神として時に女(ひと)として1


投稿者名:ジャン
投稿日時:(03/ 1/24)

「いいのか?」
 今日、何度目かの問いを投げかける。
 かつては、自分の最高の弟子として、いや、後継者としても考えた者への問いを繰り返す。
「はい。決意は変わりません」
 やはり、何度目かの答えを返す。
「そうか。
 しかし、途中で気が変わるかもしれん。その為にも備え、試験期間として一ヶ月を与える。それでどうじゃ?」
 この者を失うのは惜しい。そう顔に出ている。
「わかりました」
 しかし、この者の気が変わる事はおそらく無いことは仲介役のヒャクメの目にも明らかであった。
「いいのね?貴方の望み、人間への転化。もう貴方は神ではなくなるのよ。神通力も今とは比べ物にならないほど低くなるわ。今までとは全てが変わってくる。今まで守ってきたあの人に守られることにもなりかねないわよ?」
「すべて、承知の上よ」
 老師とヒャクメは顔を見合わせる。
「いいじゃろう。認めよう。お主の人間への転化」
「ありがとうございます」
 そう、深々と頭を下げる。

「しかし、貴方も物好きね?」
「くだらない理由とでも言いたいの?」
「いいえ、羨ましいのよ。私たち神族は永遠とも言える時を生きる。それに比べれば人間の一生は閃光の様なもの」
「でも、私は今まで生きていた中では、最高の閃光に出会ったの。その閃光と供に・・・」
「やれやれ、そんな貴方に惚れられたあの子も大変ね?ライバルは多いわよ?」
「大丈夫よ。必ず勝って見せるわ」
 そう少し微笑んだ。
『でも、もう少し早く私もその閃光に出会っていたら、貴方のようにしたかもしれないわね・・・』
 そう思いつつも最後に声をかける。
「がんばってね。小竜姫」

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