世界はいつも流れて……(30)
投稿者名:リュート
投稿日時:(03/ 1/22)
「どうでした〜〜横島さん〜〜」
「バッチシ!ばれてませんよ!」
俺は冥子さんにVサインをする。
「あとはおキヌちゃんが頼りか……」
俺が言ってると……
「聞こえるか小僧!!1分以内に金の針を持って出て来い!!さもないとこいつを殺す!!」
よし!乗ってきた!!後は時間稼ぎか……
俺と冥子さんは、40秒ほど待ってプレハブの裏側から姿を現す。
そこには観覧車にロープで吊るされた美神さんがいた。
「マコ……じゃなくて〜〜令子ちゃん〜〜!!」
め、冥子さん……作戦台無しにするつもりですか……
「小僧!その針を渡せ!!さもなくば、このロープを切っちゃうぞ!」
パイパーはロープを少し切る。
「ちっ!いいだろう!金の針は渡す!!だが美神さんを降ろすのが先だ!!さもないと、こいつはへし折って粉々にする!」
俺は金の針(偽者)をペンチで挟みパイパーに見せる。
「ダメだね。そいつを渡すのが先だ!」
「あっそう」
ブッチン!!
俺はにっこり笑って金の針を折る。
「わあああっ!!貴様ああよくも……」
「なーんちゃって!今のはただの針金だよーん!」
俺の台詞にこけるパイパー……本当にからかうのって面白い♪
「だが次はちがうぜ。やると言ったら本当にやる!!GSは悪魔の言いなりにはならない……!!」
「ハ、ハッタリだ……!!こいつが死んでもいいのか!?」
駆け引きの弱い奴……動揺してるし……
「ふ〜ん……それじゃこいつは……」
俺はペンチに力を入れようとする。
「ま、待て!わかった降りてやろう!」
パイパーは美神さんを捕まえて、下に降りる。
「降りてやったぞ……!金の針をよこせ!」
「そこまでよ!パイパー!!」
俺と冥子さんの後ろから声が聞こえた。その声の主は……
「なに!何故、貴様がそこに!!」
そう、俺達の後ろにいたのは神通棍を構えた大人バージョンの美神さんだった。
パイパーは手に持ってる幼児バージョンの美神さんと、俺の後ろにいる大人バージョンの美神さんを交互に見る。
「マコラちゃん〜〜戻ってらっしゃい〜〜」
冥子さんがそう言った途端、幼児バージョン美神さんは式神マコラに変わり、体を伸ばしてパイパーの手から逃れる。
「だ、だましたなーっ!?」
「こっちも針金だよーん!!さらに美神さんも偽者だったってワケよ!」
俺が考えた作戦はこうだった。まず美神さんに変身させたマコラを俺と一緒に連れてってワザとパイパーに捕まえさせ、注意を地上に引きつけたスキに、おキヌちゃんが地下の風船を割るという……何故ワザとマコラを捕まえさせたかと言うと、美神さんの安全を考えての処置だった。
「ありがとう横島君、冥子!お陰で戻れたわ!……さーて!あんたにはもう一回笛を吹く力も残っていないわ!!覚悟はいいわね、このロリコンハゲ!!」
あ……その悪口は俺の……
「くくく……力がない、か?ふはははははっ!!それはさっきまでの話さ!!今のおいらは力がありあまってるぞ!!たった今金の針を手に入れたからな!!せっかく元に戻れたのに残念だったな!今すぐ2〜3百万人まとめてガキのしてやるぜ!!もちろんお前らもだ!!」
パイパーの本体の大ネズミが金の針を持って地面から現れる。
「ふえ〜ん!!す、すみません〜〜!!取られちゃった〜〜!!」
おキヌちゃんが泣きながら現れる。
「いや、美神さんが戻ったから一応作戦成功だよ!頑張ったね、おキヌちゃん!」
俺はおキヌちゃんに言う。
「ホーッホッホー!!金の針を手に入れたおいらの力を思い知るがいい……!!」
パイパーは地面にいるネズミをチビパイパーに変える。
「まあ〜〜可愛い〜〜」
冥子さん、そんなこと言ってる場合ですか?
「見るがいい!!おいらの真の力を……!!」
チビパイパー達が演奏し始める。
「まずい!!カバンから結界を……」
「いえ、その必要ありません……」
俺は大きく息を吸い、パイパーの演奏が後少しで終わる時に……
「のっぴょっぴょーん!!」
ブッ!!
「「「「きゃはははははははっ!!」」」」
変な顔して言うと、チビパイパー達は演奏をやめて笑い出す。ついでに冥子さんも笑ってる。
「お、お前ら!!笑うな!!」
「秘奥義、笛封じ!」
ただし、これを使うと後で虚しくなるが……
「と……とりあえず、これでチビパイパーの笛は封じたわ!残念だったわね!!」
「くそっ!!だがこれならどうだ!!」
おおネズミとパイパーは一端下がりパイパーが笛を吹き始める。
「げっ!そういえばパイパー自身の笛は封じてなかったんだ!」
俺と美神さんが全速力で走りパイパーを切りつけるが……
「ぐぁああ……ヘイ!!」
ポン!
美神さんがパイパーの手を切り裂いた直後、パイパーの笛が冥子さんの方を向いて、冥子さんが子供になる。
「まずい!冥子が子供になったってことは……」
美神さんが焦り出す。
冥子さんが子供になる、子供は泣く、泣くは式神の暴走!!!
俺と美神さんはおそるおそる後ろを見る。
「う、ううう……」
点火10秒前って所でしょうか……
俺と美神さんはカールルイスもびっくりの早さでその場を離れる。おキヌちゃんも空を飛んで逃げる。
「う、うええ……」
「なに!ま、待て!!」
そう言って泣きそうになってる冥子さんのすぐ近くで笛を吹き始めるパイパー……死んだな……
「うえええええええんんん!!!!!!」
ピカアアアアアアンンンン!!!
ドコオオオオオオオオオオンンンンン!!!!!
俺と美神さんとおキヌちゃんは衝撃波に吹き飛ばされる。
文珠「柔」を使ってこの辺りの地面を柔らかくして激突した為、怪我は無かったが……危なかった……
「キノコ雲がたってますね……美神さん……」
「そうね……あれじゃパイパーも消滅してるでしょう……ついでに遊園地の半分が消滅してるけど……」
……パイパー……子供が弱いと思ったら大間違いだぞ……逆に冥子さんの場合は強いんだぞ……敵味方関係なくなるけど……
その後、おキヌちゃんと合流して、爆心地で気絶している冥子さんを回収。地下の風船を割ってこの事件は終わった。
でも、ピート達の風船を持ってニヤニヤしている美神さんがいたのでピート達の災厄はこれからかも知れない……頑張れ唐巣神父、ピート!!
今までの
コメント:
- うみゅ〜!今回でパイパー編が終わりました……本当にご迷惑かけました!
これからはもう少し精進します!では次回また会いましょう! (リュート)
- 暴走も作戦通りカナ?(笑) 原作でも2回ほどしか活躍の場が無かったどちらかと言えば影の薄い式神のマコラを使った作戦、お見事でした(平伏)。序盤は主人公さんを中心に比較的理知的な戦い方を進めていましたが、最後は冥子のプッツンで決着が着いてしまう辺りが『GS』らしい展開だったと思います。パイパー編の終了、おめでとうございます♪ 次回も楽しみにしております♪ (kitchensink)
- 冥子さん好きな私。
堪能しております。
ようやく全部読みました。
最後の暴走は、彼女の基本にして奥義です・・・・・・合掌 (KAZ23)
- なるほど、マコラですか。
いい手段ですね〜、見事にロリコンハゲも騙されてる(笑)
そして最凶にして最高の奥義「暴走」が出たあたりでいいです♪
たしかに子供は弱くないですね、冥子さんのみ(汗)
次回も楽しみにしてます♪」 (ブリザード)
- パイパー=ロリコンハゲ。笑えました。
ロリコンハゲに・・・合掌。 (空の助)
- マコラを使った作戦・・・上手いです。
素面で「のっぴょっぴょーん」を言える主人公に何ともいえない思いを抱きつつ。彼はこれが上手く行かなかったら本当に報われなかったでしょうね・・・(苦笑)みんなに白い目で見られて・・・―――視点がずれてますな・・・俺。
冥子ちゃんの暴走、何かすっきりとした終わり方ですね。作戦も何も、初めからこうすりゃ良かったじゃねーか!って突っ込みも入れつつ。冥子ちゃんらしい終わり方っす。良い意味で、滅茶苦茶な感じがたまらなく好きです。冥子様ぁ(謎) (veld)
- 皆さん感想ありがとうございます!KAZ23さん、初めまして!
次回はヒミコ編の前編です!お楽しみに!! (リュート)
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa