ザ・グレート・展開予測ショー

AFTER DAYS!!(8)<女の闘い>


投稿者名:ハルカ
投稿日時:(03/ 1/20)

<女の闘い>



「ヨコシマも大した怪我をしてないみたいでよかったわ。
 ・・・・・・それより、隣にいる年端もいかないその女の子はいったい誰?」

小さいながらも笑顔で凄まじいプレッシャーをかけてくるルシオラだった。

「ちょっと、ヨコシマ。
 人が苦労して間に何してたのよ?
 その女の子はいったい誰なのかしら?」

ルシオラ波ニコニコしながら再び俺に質問してくるが
その笑顔とは裏腹に凄いプレッシャーを感じる。

そのプレッシャーを感じたのか、はたまた意図的か
タマモがキュッっと俺の腕にしがみついてきた。
それを見たルシオラが・・・・・

「ふーーーん・・・・
 そういう事なのね。私というものがありながら
 そんな小さな子にまで手を出すなんて・・・・・・・・・」

額に青スジをうかべプルプルと震えるルシオラ。
両手には霊力が込められ始めた。

「あの・・・
 いや、ちが・・・
 落ちついて。とにかく話を聞いて・・・・・」

俺は涙を流しイヤイヤしながら懸命にルシオラを説得して事情を話そうとするが
そんなものが通じるはずも無く・・・・・・

「問答無用ーーーーーー!!!!!」

「イヤやぁーーーーーーー!!!!!」






一通り折檻が終了した後
落ち着いて話をすることになった俺たち3人。・・・・・だったが


ルシオラの背後からは
『ズゴオオオオォォォォ・・・』という音が
聞こえてきそうなくらいプレッシャーが渦巻いている。

タマモはそっけない表情をしているようだが
ルシオラの存在が気になるのかさっきからルシオラのことを
チラチラ何度もうかがっている。

そんな二人に囲まれた俺はもちろん正座だ。
冷や汗をたらしながら
「あうあう・・・」とか言うしかなかった。



「えっと・・・・・
 話が見えてこないんだけど。
 ルシオラ・・・さんとかいったわね。あなたはヨコシマの何?」

最初はタマモからの一言だった。牽制としては十分な一言。
それを聞いたルシオラは余裕たっぷりに左手の薬指を見せながら答える。

「婚約者よ!あなたこそヨコシマのいったい何なのよ?」

ルシオラの返答にウーンとしばらく考え込むタマモ。

「私はヨコシマに助けられて
 しばらく行動を共にしてきただけだけど・・・・・
 そっか・・・・婚約者がいるんだ・・・・
 なら私は愛人でも別にかまわないわよ?」

「「なっ・・・・・・・!?」」

告白ともとれるタマモの言葉にうろたえる
俺とルシオラ。

「い、いや・・・・
 お、俺とタマモはまだ出会ったばかりだろ? 
 タマモはまだ小さいし・・・
 俺よりいいヤツが見つかるって!!・・・・・絶対に!!
 とにかく・・・・・・・な?」



このままではヤバイとタマモを説得するために
なんとか二人の間に口をはさんだ俺だったが・・・・・・



「時間は関係無いわ。
 これから二人で創っていけばいいじゃない。
 それに私はこう見えても何千年も生きているのよ?
 身体だってすぐに大きくなるわ。
 なにより強い男の人に惹かれるのは当然じゃない。
 私のことも大事にしてくれそうだしね。
 それとも私を助けてくれた時の優しさはニセモノだったの?」

クスクスと見た目の年齢に似合わず
妖艶な笑みをうかべるタマモ。

「へ、へえ〜〜〜・・・・
 そんなことがあったんだ、ヨコシマ?(ピクピク)」



・・・・・墓穴を掘ってしまった。



ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ・・・・・・・
この状況は非常にヤブァイ!!
なんとか話題を変えないと命にかかわる!!!!

「そ、そうだ!!
 ルシオラ、そっちの様子とこれまでの経緯を話してくれよ!!
 ほ、ほら!ルシオラに何かあったら心配だしさっ!!」

かなり強引だが、なんとか話の方向を変えようとしてみる。

「そうね。その事については今回の件が片付いてから
 『ゆっくり』と聞かせてもらうとして・・・・・
 あれはヨコシマと一緒に病院に行ったときだったわ。」

ルシオラがさらわれた次第を話し始めた。






あれはヨコシマと一緒に病院に行ったときだったわ・・・・
ヨコシマを病室の外で待ってたら看護婦さんが私に話しかけてきたの。

「失礼ですがルシオラさんですか?
 芦優太郎様が屋上でお呼びですよ。」

芦優太郎!!??
その名前はアシュ様がコスモプロセッサの中で使った名前じゃない!!??
実在しない人間の名前を知っているのはあの戦いにかかわっていた人間だけ!!!!

「・・・・・・わかったわ。すぐに行きます。
 パピリオはこの場に残って、ヨコシマが出てきたらこのことを伝えてちょうだい。」

「あっ、そちらがパピリオさんですか?
 芦優太郎様からメッセージがありますよ。
 “ベスパはすでにこっちに来ているぞ。”ですって。」

((!!!!!!!!))

ベスパが!!??
まさか本当にアシュ様!?
・・・・・・ううん。
アシュ様は確かにあのときに死んだはずだし、二度と復活しないって神族と魔族の
最高指導者が言ってたってペス・・・・・・・ヒャクメ様が言ってたもの。

じゃあ、誰かがアシャ様の名前をかたってベスパを連れ去ったって事?
とにかくこの目で確かめなくっちゃ!!

「ルシオラちゃん!!わたちも行くでちゅ!!
 もしベスパちゃんに何かあったんなら
 わたちも行かないといけないでちゅ!!!!」

・・・・・・そうね。
私達、3人の姉妹の問題をパピリオも知る権利があるわね。
ヨコシマにはメモを残しておくわ。
ヨコシマなら絶対気付いてくれるはずよ!!

「・・・・・わかったわ。
 でも、絶対気を抜かないで!!なんだか嫌な予感がするの。」



〜屋上にて〜

「フン、ようやくきたか・・・・
 まあ、アシュタロスとベスパの名前を出せば来ざるをえないがな。」

何者かがルシオラ達の気配を察して声を上げた。
その気配にルシオラ達も気がついて声を返す。

「あら、あなたは誰かしら?
 私はここで『芦優太郎』さんと待ち合わせしてるんだけど。」

「お前は何者でちゅか!!?アシュ様の名前をかたって何をするつもりでちゅ!!?
 早くベスパちゃんを返すでちゅ!!!!」

二人の言葉を聞いたその男は毅然とした態度で言葉を返す。

「テロリスト・アシュタロスの残党、ルシオラとベスパだな。
 俺は神族正規軍隊長のグラップスだ。貴様等を逮捕し、神界で裁判を行う!!
 ベスパは自らおとなしくお縄についた。
 さあ、貴様達もおとなしくするんだな!!!!」

神族正規軍!!??
しかもこの程度の霊格で隊長!!??
まったく霊力が感じられないじゃない!!!!
とてもじゃないけど信じられない。
でも、ベスパの事だけは聞き出さなくっちゃ!!


ウ゛ン


ルシオラが攻撃を仕掛けようと手を動かした瞬間
グラップスの姿がぶれたと思ったら
すでに後ろに回りこまれて拳をつきつけられていた。

「・・・・・・言っておくが、無駄な抵抗は止めておけ。
 お前が気付いたとおり、俺は霊能力をまったく使えないが
 体術を極めるだけでここまですばやく動けるからな。」

ウソ!?
いつの間に移動したの!??
完全に私の反射速度を凌駕しているわ!!

この男・・・・・神族正規軍隊長の肩書きはウソじゃないかもね。


私のように幻術が使えるわけでも、横島のように文珠が使えるわけでもない。
それどころか霊力すらないこの男・・・・・・
それでも強い!!
ただ純粋に速く!!鋭く!!強い!!!!

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