ザ・グレート・展開予測ショー

モンスタースイーパー (その6):番外編


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(03/ 1/20)

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モンスタースイーパー (その6):番外編


「ふぅ〜・・・・・。」
深い溜め息をついて、アタシは腕を伸ばした。
アタシは今、川の畔に、火球の呪文で温泉を作り、そこで寛いでいた。
水温は45度。
結構イイ感じだ。
ザザザザ・・・・
川から音がした。
人ではないことは確かだ。
ザバッ!!
『グォォォォォォォォォォ!!』
そして、川の中から川竜が姿を現した。
「ふんっ。」
アタシは鼻を鳴らし、傍にあった刺叉を、川竜に向かって投げつけた。
それは川竜の脳天に直撃し、川竜はそのまま川に沈んだ。
ガサゴソッ
今度は後ろの茂みの方から音がした。
「・・・・。」
アタシは近くにあった拳くらいの石を拾い、後ろの茂みの方に投げた。
「何事ですっ!!ゴーゴ、ぶっ!!」
投げた石が、茂みの中から、突然顔を出した子供(ガキ)に命中した。
無論、顔面にだ。
さて、もう少しのんびりするか・・・・。


アタシの名はゴーゴン。伝説に出てくる大蛇さ。
もっとも、今じゃメドーサっていうMSをやってるけどね。
「ゴーゴンさま〜。メシはまだですかぁ〜?」
木のテーブルの上に顔を乗せ、子供が言った。
「その名で呼ぶなって、なんど言わせたら分かるんだいっ!」
バキッ!
「ぶっ!?す、すいません・・・・ゴ、メ、メドーサさま・・・・。」
子供は、頭に出来たタンコブと、打った鼻を擦りながら謝った。
この子供の名はバベロス。アタシの創った召使いさ。
元々はデカイ蜂の姿をしているが、普段は子供の姿にしている。


ジーーーー・・・・・・・
さっきから、男どもの視線がくる。
その殆どが、アタシの胸と脚だ。
中には、ヨダレを垂らしながら見ているヤツもいる。
ま、気にはしないがね・・・・。
「お、お待たせしました・・・。」
女のウェイターが、籠の中に入った、沢山の固ゆで卵と、オムライスを持ってきた。
「いっただきま〜す!!」
ガツガツと、嬉しそうにバベロスは、オムライスを食べる。
すでに口元は、トマトケチャップでベチョベチョだ。
やれやれ・・・・。
アタシは呆れながら、固ゆで卵を1つ取り、そのまま丸呑みした。
さーーーー・・・・・・
男どもの視線が引いた。
ま、気にしないけどね。


アタシは、あの世界一のMSであるミカミと対決した。
あの女が、メフィストの創った最強黒魔法"美醜爆(ビューティ・フレア)"を使うとは思わなかった。
なんとか同じ魔法で相殺し、アタシは逃げた。
逃げてる最中、バベロスを見つけ、お仕置きをした後、人間に変化させ、街へと向かった。
しかし、金が無かったので、儲かる職業、つまりMSをやることにした。
まぁ、暇つぶしにやってた仕事だったけど、いつの間にか、世界第二位のMSになっていた。
ま、肩書きなんか、アタシには必要のないものさ。


パラッ
アタシは部屋に戻り、本を開いた。
「アレ?何ですか、その本。」
相部屋であるバベロスが、アタシに聞いてくる。
「コレかい?魔女メフィストの伝記さ。」
「メフィストの?」
驚いた表情を見せるバベロス。
ま、この本はタダ同然の値段で買ったんだけどね。
ん?どうやって買ったってかい?
売ってる男商人に、後ろから抱き付いて、耳に吐息を吹きかけただけさ。


その伝記によると、メフィストは1人の男と出会ったらしい。
その男の名はタカシマ。
この男は、いつもメフィストのいる所に現れ、メフィストに襲い掛かった。
無論、シバキ倒されたが、何回も何回もアタックした。
そのかいあってか、タカシマは、メフィストと付き合うことが出来るようになった。
タカシマは、メフィストを命をかけて守り、メフィストは、タカシマの優しさに心が癒されていった。
いつしか2人は、本当の恋に落ちた。
しかし、魔王アシュタロスとの戦いのとき、タカシマは、メフィストを庇って、命を落とした。
なんとか、アシュタロスを倒したものの、メフィストは、タカシマの亡骸を抱き、大声で嘆き悲しんだ。
それから百年の月日が流れた・・・・。
彼女は、再び人々の前に姿を現した。
世界初の、女MSとして・・・・・・。


アタシはベッドで寝そべりながら、メフィストとの戦いを思い出していた。
アイツの眼は、どことなく哀しそうだった。
無理に、深い悲しみから逃れようとしているように思えた。
「・・・・・・・けっ。」
アタシは軽く舌打ちして、深い眠りについた・・・・。


アタシは、森の中を歩いていた。
歩きながら、アタシはメフィストの伝記を読んでいた。
メフィストが、死ぬ前に創り上げたとされる最強の"白魔法"。
"恋人(ラヴァーズ)"
自分の命と引き換えに、この世の悪しき心を消滅させ、善ある心を増大させる魔法・・・・・。
今だかつて、この魔法を使えたものはいない。
しかし、ヤツなら出来るかもしれない。
そう、世界一のMS、ミカミ・・・・・・。
アイツは、魔女メフィストの生まれ変わりだと、アタシは思う。
アイツなら、もしかすると・・・・・。
アタシはウズウズした。
見てみたい。
最強の黒魔法が使えるMSが、最強の白魔法を使うところを・・・・・。
それが唱えられたとき、アタシは消滅するだろう。
しかし、それもまた一興だと思う。
とにかく、その日がくるまで、アタシは死なない。
え?ミカミたちのことかい?
さぁ・・・・。今頃どうしてるかねぇ・・・。
ま、いつかは会えるさ。
その時は、味方として会いたいものだねぇ・・・・・。
フフフフフフフフ・・・・・・。

続く・・・・。

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