ザ・グレート・展開予測ショー

THE SHOW MUST GO ON(後編)


投稿者名:弥三郎
投稿日時:(03/ 1/20)

最終話後編です。

除霊当日、二人連れていくことを聞いた姉弟は全身を喜びを表現していた。
内緒にしてきた事をいちばん見て欲しい者に見せる時がきたのだ。
「良いか、相手を油断するなよ。たとえ自分より霊力が弱くとも侮ることはするな。」
「「はい!」」
「令香、今ある文殊はいくつだ?」
「7個ぐらいかな?」
「上出来。それだけあれば十分だ。」
「忠逸、準備は?」
「大丈夫です。」
「よし、突入!」

ビルの中は悪霊でいっぱいだった。
忠逸は父直伝の<栄光の手>と幻術で次々と悪霊を屠っていく。
令香は神通棍と霊波砲、さらに横島に比べればいささか弱い文殊で悪霊を祓っていった。
横島は驚いていた。彼らが意外にも手際よく悪霊を祓っていったのだ。
(こりゃぁ近い将来、化けるな。)
2人を鍛えてくれたルシオラと雪之丞に感謝しつつ2人が有能なGSになる事を確信した時でもあった。

そうこうしているうちに魔族がいると思われる社長室前にたどり着いた。
扉のすき間からは邪悪な霊気と瘴気が流れていた。
ここで横島は文殊で「心眼」を使った。
反応したのは1体だけ。どうやら総大将しかいないようだ。
息の上がっている2人に文殊で体力を回復させて、作戦を説明した。
「いいか、奴は動体視力がものすごく良い上に戦闘能力が高い。そこでだ。」
横島は忠逸に向き直って
「お前は陽動作戦をやれ。」
「いい?!俺がですか?」
「お前の特技はなんだ?それを使えばいいんだ。そして文殊やるから使い方考えて攻撃かけろ。」
「はい……」
「元気出せ、今までの動き良かったぞ。それから、令香は霊波砲と文殊で遠距離攻撃だ。良いな。絶対前に出るな。」
「わかったわ。」
「で、俺が前衛で行く。よし、行くぞ。」
横島はそう言うと社長室のドアを蹴り開けた。

そこにいた魔族は一見すれば人間のようであったが、出ている霊気の波動から魔族であることは一目瞭然であった。
「ほう、ヨコシマ、君自らお出ましかい?」
「あったりめぇだ。おとなしく魔界に帰るんだ。」
「やだね。人肉はうまいんでな。おやおや、お前さんのガキ達か?」
「ふん、そうだと言ったら?」
「真っ先に食うさ。」
醜悪な笑い顔が見える。もともと人間だったのだが、人肉を食らうようになって魔族化したと言う例であった。
「2人とも、もともとこいつは格闘家だ。気をつけろよ。」
「了解、行きます!」
忠逸は突っ込んでいった。
「馬鹿か、お前、自分から食われにきやがっ……て?」
正面にいた忠逸が消えたのだ。
「どこだ?ぐあっ!!」
背後から後頭部にケリが入ったのだ。
「畜生!なめやがって!!」
続いて令香から矢が飛んできた。
文殊で弓を生成して撃っているのだ。ご丁寧なことに矢はいくつかに分裂してくる。
「ちいっ、よけられん!」
何とか離脱したが腕に何本か刺さる。

「姉さん!!あぶねぇじゃねぇか!」
「あら、あんたならよけられると思ったげど?」
「漫才やっていないで片づけちまえ。」
「「了解。」」

元格闘家の魔族は防戦一方である。
しかも罠があるところに追いつめられていく。
そして罠が発動した。
「ぐぅ?!う、動けん!」
「足下見てみろって見れんか。足下には”縛”と言う文殊が5個転がっているんだぜ。」
「くそぉ!!用意周到にやりやがって!!」
「お前が子供だからって2人をなめたからさ。もっとも、俺自身が2人にこんな力あったとは思っていなかったがな。」
横島は魔族の元に歩いていく。
「全く、人様に迷惑かけやがって。あばよ。」
そう言うと札に吸引した。

「2人とも、よくやったな。」
除霊が終わり、家に帰ってきて2人のことを褒めた。
「これぐらいの実力があるんだったらGS試験受けても良いな。」
「ええ、ほんと?!」
「ああ、ほんとだ。」
令香は立ち上がって
「うふふふ、この横島令香がトップとって見せるわ!」
とガッツポーズ。
「姉さん、美神さんにそっくり。」
「そぉ?」
「おねぇちゃん頑張れ!」
「蛍子、ありがと。」

子供たちがわいわいやっているところを横島とルシオラは眺めていた。
「いつか彼ら巣立っちゃうんだよなぁ。」
「そうね。あなた、聞いた?令香に彼氏できたんだって。」
「なにぃ!!」
「ちょっと落ち着いて、大丈夫よ。まともな男の子だからって、聞いてない……」
「令香ぁ〜〜、お前に彼氏いるんだってぇ〜〜〜?」
「お、お父さん、何でそんなこと…」
「今度連れてこい!!俺がお前にふさわしい奴か見定めてやる!」
「あなた、いい加減にしなさい!」

幸せな家族。横島はルシオラと出会い、結ばれた。
今度は新しい世代の出会いが待っている。
いつまでも幸せでありますように。

「ぎゃぁ〜〜〜〜〜」
…………………………………………大丈夫か、横島?

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