鯉。ちゅーへんそのに
投稿者名:hazuki
投稿日時:(03/ 1/19)
惚れている?
俺が、冥子はんに?
ぐっとシーツを両手を握り締め、全身だらだらと汗を流しており顔色といったらそーはくである。
「どうしたの?」
具合でも悪いの?
と女性が聞くが、鬼道はそれには答えず、ただなにやら思いつめたような表情で押し黙っていた。
「大丈夫ですか?」
と、もうひとりの少女も心配そうに聞く。
が、二人の声は鬼道には届いていなかった。
惚れている
いや、だが好きだと言うのならば、もっとうきたつよーな甘い気分というものにならないだろうか?
こー毎日そのひとのことを思って眠れないとか。
(遠足の前日別の意味で、眠れなかったりするが)
どきどきと、胸躍らせるとか。
(ばくばくとあまりの恐ろしさに心臓の鼓動が早くなったりするが)
そのひとのことを考えると、幸せになったりするが
(考えると、不幸になったりする)
そこまで考えてはっと鬼道はあることに気付く。
(嫌やと思ったことない!)
どんなに迷惑かけられようが、三途の河のふちまでいこーが、嫌だと思ったことはないのだ。(トラウマまで背負わされたとゆーのに)
と、いうことはである。
少なくとも、どんなに迷惑をかけられても嫌いにはならない。(今の時点でこれでもかっというほど掛けられている時点で気づけ)
……
……
……ウソだ。
みるみるうちに、鬼道の顔色は更に悪くなる。
ワナワナとシーツを掴む手は震え。
唇は、なにやら言葉を紡ごうとしているのにそれができない。
女性は、なにやらものすごく哀れみを込めた瞳で
「気付いてなかったの…」
と、いった。
その声音には同情が強く込められている。
口元は歪められたりするが
「何がですか?」
少女が首を傾げ問う。
「ん?」
しゃく、と最後の林檎の一切れを齧りながら少年。
「………………まさか、俺がそんな物好きだとはしらんかったわ」
しばしの沈黙のあとに、呟かれた言葉はひどく沈うつな響きを持っていた。
自分の思いに気付いたには、かなりおかしい。
ふつーもっと浮かれるべきだろう。
まあ、この男の場合、=普通の生活さようならというのだから。
冥子に彫れて(いっそのことこの字でもいいんでないかと、鬼道本人は思ってたりする)ふつーの生活を送れるわけはない。
そして、鬼道はふつーの生活に未練たっぷりなのだ。
(かなり捻じ曲がった父親との生活の為、人並みというものに憧れを抱いている)
…なのに、である。
なのに選んだのが、とんでもなくふつーではない女だとは。
自分のせいとは言え、ものすっごく悲しい。
そんな風に、思っていた瞬間
「あら〜みんなきてたの〜」
と諸悪の根源?(式神つき)が現れた。
手には可愛らしい花束をもっている。
「ああっ冥子ちゃんっ♪」
しゅたっと傍により手を取り、少年。先程までのやる気の無さそうなものえらい違いである。
「おのれは、場所をわきまえるということを知らんのかっ」
べきっとそんな横島わき腹に肘打ちを女性が食らわせる。
「こんにちわ、冥子さん」
そんな、二人のやりとりに動じず少女。
そして、鬼道は、気持ちを気付いた瞬間本人に現れられたのだ。
動きが止まるのも無理は無い。
つづく
すいませんすいません終わりませんでした(涙
次終わりますつーか終わらせます
今までの
コメント:
- コメントは明日さえていただきます。
いや…誰も覚えてないと思いますけど(自爆 (hazuki)
- 何か鬼道の反応、「あなたは私達の子供じゃないのよ!」と告げられた可哀想な男の子(女の子)みたいな感じですね(謎)。「ふつー」の生活を志していたはずなのに、何故かいつのまにやら修羅の道をひた走ってしまっている鬼道でありますが、これも鬼道家の血筋がそうするのでしょうか?(笑) 自分に関する衝撃の事実を知ってしまった鬼道は今後冥子に対してどんな反応を示すのでしょうか? 次回も楽しみにしております♪ (kitchensink)
- 現実を素直に受け止められない鬼道先生の心理描写がしっかりしていて、気持ちの移り変わりが読んでいるうちに伝わってくる感じでした。何をされても怒れないことに気付いた事によって、余計に不幸な気分になってしまう鬼道先生が「これも運命?」みたいな感じですね(苦笑)。「彫れる」でも良いらしいあたりに現実逃避したいことが感じられてなりません(笑)。 (マサ)
- ここまで迷惑かけられてるのに、好きであることを認めざるを得ない鬼道殿に敬礼(謎)
トラブルメイカーというか、存在自体がトラブルと言っていい、冥子さんに惚(彫)れたことに、気付いた時の悲壮感溢れる鬼道殿がイイです。この人本当に不幸ですね・・・(泣)でも、きっと、退屈はしない生活を送れるでしょう。普通の暮らしは間違っても出来ないと思いますが(断言) (veld)
- 言いたいことは皆様が書かれているので私が言える言葉は一つです。
鯉は偉大だぁー・・・と(笑)。 (NGK)
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