ザ・グレート・展開予測ショー

帰ってきた横島 ―2―


投稿者名:KAZ23
投稿日時:(03/ 1/17)

「おキヌちゃん!」

放課後、一文字さんに声を掛けられた。

「なんですか?」

私は振り向いて尋ねる。

―― あ、弓さんもいっしょだ ――

「今日、これから時間あるかしら?」

今日は仕事・・・・・・入ってなかったはず・・・

「えーと・・・・・・はい、大丈夫ですよ。」

私は少し考えて返事を返した。それを聞いて、一文字さんと弓さんが少し笑顔になる。

「ちょっといい感じの店が出来たんだ。これから行かないか?」

―― ああ・・・まただ ――

私に気を使ってくれているんですよね?

「あ!良いですね♪どんなお店なんですか?」

あの日、横島さんがいなくなって・・・

「甘味屋ってのか?ゼンザイとかアンミツとか・・・」

とにかく探そうとして、見つけたら抱きついて・・・

「持ち帰りのヨウカンを頂いたのですけど、餡が上品で・・・」

泣き出して、文句を言って困らせて・・・

―― 心配したんですよ・・・お帰りなさい ――

そう言って迎えてあげようと思っていたのに、横島さんは本当に帰ってこなくて・・・
私は周りに気を使われてしまう程に、正体を無くしてしまった。

「へぇ・・・楽しみです♪」

それでも日々は、変わらずに繰り返されて・・・

―― 少しは吹っ切れてるのかな? ――

私は2年生に進級・・・

―― ホロッ ――

「あっ!?」
「!!」

そんなことを考えていたら、不意に涙が・・・

「あれ?・・・・・・あ、どうしたんでしょうね?アハハ・・・・・・ゴミが入っちゃったかな?」

―― いやだな ――

また、二人に気を使わせてしまう・・・

―― でも ――

どうしようもないんですよ、横島さん・・・・・・

―― 逢いたいんですよ、横島さんに ――

「・・・・・・・・・・・・えへっ、行きましょうか♪」

―― だから ――

「そ・・・そうだな。あはは・・・」
「え、ええ・・・行きましょうか?ほほほ・・・」

私はまだ、上手く笑えないみたいです。

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