ザ・グレート・展開予測ショー

『#当選者2人SS! ある蛍の生活〜ビッグ・ドリーム!!〜』


投稿者名:紫
投稿日時:(03/ 1/ 6)


その日、美神除霊事務所はにわかに活気づいた。

数週間ぶりに大きな仕事の依頼が入ったのだ。それも二つ。

そう、ここ最近のGS業界は、数週間前にあった凄まじい事件のせいで、『台風一過』と表されるほどに仕事がなかったのだ。

まあ、この業界が不況であるというのは一般人から見れば良いことではあるが――

そんなワケで久しぶりのこの仕事に、事務所の面々が沸き立つのも仕方がないのである。

ちなみにその仕事というのは、

『雑魚浮遊霊の除霊。ただしたくさん。』



『ビルに憑いている自縛霊の除霊。だいぶ強力。』

である。

GSの仕事としてはどちらもありふれたもので、特に問題はない。

そう、仕事の内容に問題はないのだが――





「――というわけで、久しぶりに入ったこの仕事、しっかり稼ぐわよっ!!」

『三人』の従業員に声を掛けているのは、この事務所の所長、美神令子。

実力、容姿共に――ただしそのがめつさも――業界トップクラスのGSである。

その美神が、いつものように――数週間ぶりではあるが――指示を出す。

「じゃあ、こっちの浮遊霊の方は、おキヌちゃんと――護衛として、ルシオラに行ってもらおうかしら。横島君は、私と来なさい。」

ぴくり

そこへ、静かな、とても静かな声でルシオラが言う。

「・・・美神さんがおキヌちゃんの護衛をして、私とヨコシマがビルの方へ行った方が良くないですか?」

びしっ

――空気が――凍り付いた。

「・・・私の指示が、聞けないって言うの・・・?」

こちらも静かな声で言い返す。

しかも妙ににこやかだ。

「・・・そんな、反抗じゃあないですよ。ただ、こうした方が良くないですか、って提案をしただけじゃないですか。」

繰り返すようだが、二人とも顔はにこやかに笑っている。

「・・・アンタは横島君と一緒にいたいだけでしょ・・・?」

「・・・私とヨコシマが組んだほうが、相性がいいと思うんですけど。」

・・・この二人、顔は――どちらも美人だが――あまり似ていないのだが、なぜか、同じ表情をしたときにそっくりに見える。

そこへ意を決して、キヌが声を掛ける。声を掛けただけでもたいしたものだ。

「ま、まあまあ・・・・・・・・うっ・・・・」

しかし、二人の壮絶な笑顔を見て、声を詰まらせる。

「「なあに。おキヌちゃん?」」

変わらぬ笑みを浮かべて、見事に声をハモらせ、問いかける。

「あ・・いえ・・・・・・なんでもありません・・・・」

言いたかった、私と横島さんが組むのではダメですか、という言葉を飲み込んで、すごすごと引き下がる。

・・・虎と竜の対決に、脆弱なネズミが入り込む余地などないのだ。

「相性がいい?アンタ、横島君とシンクロ出来る?」

「そんなの、霊力の大きさだけの問題じゃないですか。強力な悪霊との戦闘になった時、心の通じ合っている『恋人同士』の方が、うまいコンビネーションが出来ますよ。」

・・・双方とも、額に奇妙なマークが浮かび上がり、頬が引きつってきた。しかも、だんだんと、ただの言い争いの様を呈してきている。

その横で、その言い争いの中心である横島がどうしていたかというと、

・・・?・・・ルシオラと美神さんが言い争っている・・・?・・・俺のことで・・・?・・・え・・・?・・・

などと混乱していた。どうやら、頭が『あり得ない事』と認識しているらしい。

「私の方が横島君と組んでいた時間が長いわ!!」

「じゃあ、美神さんはヨコシマのことが好きなの!?」

「んなっ・・・!!なワケないでしょ!!だいたいそんなこと関係ないじゃない!!」

そんなような本格的に口喧嘩になってきた所で、話の流れが最終局面に達した。すなわち、

「横島君、アンタは私と来るのよ。所長命令よ!!」

「ヨコシマ、私と仕事、したいわよね!?」

という、命令と問いかけである。

それに対し横島がどうしたかというと・・・

うむ、どうやら、ルシオラは恋人である俺と一緒に仕事をしたいがために、美神さんに話をつけようとしたが、実は美神さんも俺のを気にしていて、つまり美神さんも俺と一緒に仕事がしたいわけだ。それで話がこじれたんだな。そうか、つまりアレだな、これはルシオラと美神さんが、俺を取り合ってるとそういうことだな。要するに両手に花、とそういうことか。そう、これは両手に花、両手に花なんだ。・・・なんと、夢にまで見た事が、今現実にっ!?ああっ、しかし今この二人はどちらかを選べと迫ってきている。一体どうすべきなんだ!?ルシオラとのスキンシップもとりたいが、ついに美神さんが俺の事を認めて、っゆーかもはやあの美神さんが俺の事を認めたって時点で、愛の告白にも等しいよなっ!?でもここで美神さんに付けばルシオラからは離れるわけで、やはりそんなことは避けねばなるまい。やはりここはルシオラと・・・いやしかし、それでは美神さんの命令を無視する事になるわけで、それでは俺の命がっ!?ってああっ!!やっぱり決められんっ!!せっかくの両手に花が、まさかこんな事になるとはっ!!

じゃきんっ

おや、この聞き慣れた音は・・・美神さん、なぜに神通棍を構えていますか?

「あのね、ヨコシマ。いいこと教えたげよっか?」

ぜひ教えて欲しいな。できればルシオラが両拳に霊力をためている理由も。






















「あのね・・・全部声にでているのよ・・・?」





















(なにやら、小学生が聞いたら心にキズを負いそうな音が響いています。しばしお待ち下さい。)
















「あ、あの、私、弓さんと一文字さんに手伝ってもらいますから・・・!」

・・・キヌが、赤い液体にまみれた不思議な形の物体から目をそらしながら言い、部屋を出ていく。

「・・・え、ちょっと・・・!!」

美神があわてた声を上げるが、聞こえないふりをされた。キヌはそのまま事務所を出て、友人達の所へ向かった。

「・・・しかたがないわね・・・。三人で行くわよ。」

美神が不服そうに言い、不思議な形の物体――だんだんヒトの形になってきている――を引きずりながらガレージへ向かう。

「・・・はあ、しょうがないわね・・・。」

ルシオラがため息を付きながら、その後を追う。



















横島よ、それがお前の夢か。

そうか、そんな目にあってまで、その夢を追いかけるのか。

おーけーわかった。何も言うまい。

あっしは人様の夢にケチ付けるようなまねはしませんぜ、旦那。

























ごめんやっぱひとこと言わして。



























寝ぼけたことぬかしてんじゃねーぞ、この激アホがあああああああ!!!!!!!!!!












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りおんさんあ〜んどNAVAさんに捧ぐ。こんなんいらねーよって言っても押しつけますのであしからず。
南極での雰囲気を出しつつ「甘く」したかったのですが・・・なぜか漂うあっさり感。むう、なぜ。
ああ、たぶん俺がルシオラーだからだ。つまり我が脳内では既にルシオラに軍配が上がっていて、「vs」になってないんだな。・・・ダメじゃん。
さらには『お決まり』のオンパレード。さらにダメじゃん。ってゆーかこれほど内容のないSS書いていいのか、俺。もうちょっとどうにかならなかったのか、俺。
・・・ごめんなさい、こんなんにでもコメント下されば嬉しいです。では。

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