ザ・グレート・展開予測ショー

世界はいつも流れて……(13)


投稿者名:リュート
投稿日時:(02/12/30)

「敵は本能寺にあり!」
 そして、燃えさかる寺の中に二人の人影があった。
「おのれラッキョ頭め!おみゃあが自ら志願して我が家臣となったのはこの為か!」
「この世にはびこる邪悪なる魂を地獄に送るが我が使命!」
 そして一人の男は精霊石の槍を掲げもう一人の男に向ける。
「やはり悪霊払いか!」
「いかにも!」
「でやあああああ!!」 
 一人の男は精霊石の槍をもった男に攻撃をくわえる!
「悪霊退散!!」 
 だがその攻撃をよけ精霊石の槍を持った男が破魔札を乱れ打ちする!
「そんな紙っきれがこのワシに通じるとでも思っとるのか!!」
 だがそのスキをつき、精霊石の槍を持った男が一気に懐に潜り込み、もう一人の男の心臓を突き刺す!
「ぐぎゃあああ……おのれ……ラッキョ頭よ……たとえこの場は倒れようともワシは必ず復活したるでな!」
「なに!」
「おみゃあが、とうにくたばって塵と化した遠い未来にな……あははははは!!」
 そして一人の男が空間に消え去る。
「だが……たとえお前が復活しようとも………そこには私の意思を継ぐものが、きっといる。その者が必ずやお前の息の根を止めるであろう!未来へ届け我が念よ!時を越え我が意思を継ぐものへ……どりゃーー!!」
 男は精霊石の槍を上に投げる……すると空間に穴が開き、槍が飲み込まれた。
「神よ……」
 そして……男は炎に飲みこまれた。



 現代……
「冥子さんはシンダラでこちらに向かっているそうです!」
 おキヌちゃんが携帯を持って言う。
「了解!急がせてね、そろそろ出てきそうだからな。まさか、悪霊が出る公園の下調べをしようとしたらいきなり霊気が強くなるし…………ちっ……来るぞ!」
 そして悪霊達が現れ始めた………
 
 
 
 GSのOP音楽スタート!
 カメラ視点が変わり、シンダラに乗った冥子さんが写る。
『短い髪なびかせて 純粋な瞳』
 ズームアップして髪から瞳を写す。
『この町を 式神で 飛びまわれば Big dream coming YEAH〜!』
 全体が写るようにズームアウトして俺達がいる公園にシンダラが急降下する。
『摩天楼の足元 時代錯誤の罠!』
 カメラ視点変わり、地上の横島達が写る。
『血迷った 危ない人達なら〜』
 悪霊に囲まれ、横島とおキヌちゃんが背中をくっつけ合い悪霊達を睨む!
『極楽へご招待しちゃうわ〜♪』
 横島とおキヌちゃんが服の中から破魔札の束を出し、ふたり同時に破魔札乱れ打ちをして悪霊達をどんどんやっつける。
『最愛の 私の式神の みんなと〜』
 横島が栄光の手で悪霊を切り裂き、おキヌちゃんが破魔札を投げて悪霊達の囲いを突破して、横島とおキヌちゃんが合流した直後に冥子さんの乗ったシンダラ横島達の後ろに降りる。
『一緒に遊びましょう〜!』
 ガシャン!!
 冥子さんが一気に式神を出し、横島とおキヌちゃんが吹っ飛ばされ、横島だけが何故かカメラに顔からぶつかり画面にヒビが入る。
『Bye Bye Sadness And Find out〜』
 ハイラがビカラに乗り毛ばり攻撃をしながら進み、マコラとショウトラとインダラが悪霊達に突進し、メキラがテレポートで敵の懐に潜り込み、メキラに乗ったアンチラが敵を切り裂く。
『行き場のない あなただから〜!!』
 シンダラに乗ったクビラが敵を見つけ出し、アジラとサンチラの合体攻撃・火炎電撃が炸裂する。
『Bye Bye Sadness And Find out〜』
 式神達が出ていき無防備になった冥子さんに悪霊達が集結し襲いかかる!
『私が今 見つけてあげて〜 ゴーストスイーパー!」
 最後に出ていなかった、バサラが冥子さんの影から出て、悪霊達を全部吸い込む!
 そして全部吸い込んで、式神達が集まって冥子さんが微笑み、曲がフィニッシュ!



「……ふ……ふふふ……や、やっぱりこうなったか……がくっ……」
 俺は後悔した。今回の仕事は公園だから被害が出なさそうなので式神を全部出して良いと冥子さんに言ったが……ま、まさかここまで滅茶苦茶やってくれるとは……人的被害が多すぎ……って俺のことなんだけど……作戦も決めてなかったし……やっぱり式神全部出すのは危険だ……
「よ、横島さん、しっかりしてください!横島さん!……うえええんん!横島さんが死んじゃった!!」
「ま、まだ……死んでない……勝手に殺さないでくれ……」
 俺はボロボロだが何とか立ち上がる。
「あれ〜〜どうしたんですか〜〜横島さん〜〜?ボロボロですよ〜〜?」
 ……あんたのせいじゃ!!と心の中で言う。
 今、言うと暴走しそうだし……あとでミーティング開かないとな……
「それにしても、雑魚のわりにてこずったな……なんだかこの頃悪霊達のパワーが強くなったような気がするな……」
「そうですね……何か悪い予感がします……」
 おキヌちゃんが心配そうに言う。
「それじゃあ〜〜明日〜〜令子ちゃんの所に〜〜相談に行きましょう〜〜」
「そうですね……」
 俺はこの後に起こる、大事件にまだ気づいていなかった。



「9997、9998、9999、1億っと……ゴクゴク……ああ、ボロ儲けの後って本当に気分がいいわ……あはははは!!」
 美神さんは机の上の札束を数え終わり、ビールを飲む。
「神よ罪深き子羊を許したまえ……」
「僕からもお願いします……」
 唐巣神父とピートが十字を切って神に願うが……無理でしょう(笑)
「ところで先生、冥子!何の話しでしたっけ?」
「悪霊や妖怪達の事だよ美神君!さいきん妙にパワーが上がっているとは思わんかね、それに数も急激に増えている……」
 そうそう確かにこの頃依頼も多いし、パワーが上がってるし……
「なんだそんな事?」
「そんな事って〜〜」
「唐巣先生は、この現象には何か強大で邪悪なエネルギーが関係しているのではないかと、心配しているのです!」
「強大なエネルギー?」
 おキヌちゃんが聞く。
「ちょっと、それって考えすぎじゃない?パワーが上がったって言っても別に手におえないわけじゃないし……数が増えれば、それだけ依頼が増えて商売繁盛……あたしにとっては、かえってラッキーだわ!」
「ピート君、どうやら我々は意見を求める人材の選択を誤ったようだね……」
「そのようで……」
 俺もそう思う……無茶苦茶誤ったぞ……今頃気づいても遅いけど……
 その時、天井に光が走り空間に穴が開き……机の上に槍らしきものが突き刺さる。一億の札束がその衝撃で舞散ってるが……
「なんですか〜〜あれは〜〜?」
「槍みたいですけど……」
 冥子さんとおキヌちゃんが疑問の声をあげる。
「綺麗ですわ〜〜」
 槍の先端は宝石みたいで綺麗だ、冥子さんが綺麗と言うのも無理はない。
「これは……精霊石だわ!」
「こんなに大きい精霊石がこの世に存在しようとは……」
「これだけあれば日本中の悪霊を吹き飛ばしてもお釣りがくるわ。時価にして約450億
円……貰っ〜〜た!」
 そう言って美神さんは槍を取る。
「「「だああ〜〜」」」
 全員こけちゃったぞ、さすが美神さん(笑)
 そして、しばらくすると槍が光だし……
「何?このパワーは……」
「槍に選ばれし、我が意思を継ぐものよ……」
 声がして、空中に透けた侍の姿が現れる。
「我が名は明智 十兵衛 光秀!」 
「「「ええ!!」」」
「誰ですか?」
 みんなが驚く中、ピートだけが疑問の声をあげる。
「ピートさん知らないんですの〜〜明智光秀さんっていうのは〜〜子供を集めて探偵団を作って〜〜怪盗20面相と戦ったひとですよ〜〜」
「「「違うわ!!」」」 
 冥子さん勘弁してください……それは明智小五郎です……
「明智光秀って言うのはね。戦国時代の武士で自分の主君の織田信長を裏切って暗殺したとんでもない野郎よ!!」
 お〜い美神さ〜ん……その本人が目の前にいるんですけど……
「美神殿と申されたな……そなたに仕事を頼みたい……」
 明智さん怒ってない……よく出来た人だ……
「仕事?言っとくけど、あたしのギャラは高いわよ。払えるの?」
「ギャラ?」
「報酬のことね……」
「この時代の悪霊払いは仕事に報酬を求めるのか?」
「当然でしょう!」
「ああっ……いや、すべてがそうでは……」
 唐巣神父が美神さんを止めようとするが美神さんの眼力に押されて何も言えなくなる。
 そして美神さんは拳を握りしめ……
「今の時代!健康な人間は誰でもそうよ!」
 ……しばし沈黙……
「そうなん?」
 明智さんが聞くが……俺達は首を横に振るしかなかった……

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