「人間」〜前編〜
投稿者名:にゃんまげ
投稿日時:(02/12/26)
シロ・タマモ・おキヌが美神の手に握られた4本の割り箸をそれぞれ掴んだ。
美神も余った一本を掴む。
「じゃ、みんないい?」
美神がそれぞれに同意を促す。
一同が頷く。
「それ!」
美神の掛け声で一斉に割り箸を抜く。
「あー!またタマモとでござるー」
「ふん、こっちのセリフよ。馬鹿犬」
「じゃあ私は美神さんとですね」
二人をなだめながらおキヌ。
「そうね」
こんなことをして仕事を分担している除霊事務所の面々。
「それじゃーセンセー、行ってくるでござる!」
テーブルに教科書を並べ、モクモクと勉強をしていた横島にシロが言う。
「おう、ヘマすんなよ」
横島は勉強を止め、シロの方に顔を向け応対する。
「じゃあ横島さん、行ってきますね。留守番お願いします」
「………うん」
そして四人は事務所を後にする、これが最近の事務所の風景。
「さて、人工幽霊一号。俺も出かけてくる」
横島は上を向き人工幽霊一号に言う。
実体が無く、この事務所にとりついているので上を向いて話すのが当たり前となっている。
「構いませんがまた西条さんの所ですか?あなたはまだ未成年なんですから「俺の体なんだから俺がなにしようが勝手だろ」…………わかりました」
そう言うと横島は舌打ちをしながら部屋を後にした。
【オカルトGメン事務所】
「………ふー」
横島が入ってくるやいなや西条は彼の顔を見ると眉間を押えて深く溜め息をつく。
「またタカりに来たのか君は…………僕は警察官なんだぞ?」
「金持ちがんなことでケチケチすんなよ」
「ったく、ホレ」
呆れながら西条は横島にある物を投げ渡した。
「へへ、サンキュー」
そう言うと横島は早速火をつける。
そう、煙草だ。
プカー
「令子ちゃんは、仕事か?」
デスクに座り、事務仕事をしながら西条。
「ん?ああ」
横島はソファーに座りプカプカと吸っている。
「……手の具合はどうだ?」
「ん?全く変わりなし」
横島は黒い皮の手袋をはめている自分の両手を見つめながら言う。
「…………そうか」
その言葉を聞くと西条は深く溜め息をつき、デスク仕事を止めた。
懐から自分専用の煙草とジッポを取り出しそれに火をつける。
「ところで前々から聞きたかったんだが」
「なんだよ」
うざったそうに反応する横島。
「なんでまた喫煙なんかしだしたんだ?」
「………………なんちゅーか。嫌われたいから、かな?」
「嫌われたいから?誰に」
「事務所の面々」
「!なんでまた」
意外な答えに西条は驚く。
「…………わかるだろ?」
横島は深く紫煙を吸い込み、煙を吐きながら言う。
「その、手か。一体何があったんだ?」
「……三週間前になるかな…」
そして横島は語り始めたのだった。
今までの
コメント:
- ども、皆さん久し振り、にゃんまげことゆうすけです(^^)
いやー、GTYの投稿は久し振りだったんで短く区切りすぎたかな?(^^;)
後編もヨロシクおねがいします(○w○)ノシ (にゃんまげ)
- 横島クンが...タ、タバコ!?(挨拶) どうも、にゃんまげさん、お久しぶりです♪ こちらは喫煙シーンを見て中立にしようか迷ったkitchensinkでございます(笑)。父親の大樹は喫煙者ですので、まあ可能性として有り得なくも無いと思いましたので今回は賛成です(西条のことですから英国製の高級タバコを吸ってそうですね)。いつもと変わらぬ事務所の日常風景だったはずなのですが、横島クン自身には何か異変が起きてるようですね;一体彼の身に何が? 次回も楽しみにしております♪ (kitchensink)
- 未成年がタバコ吸っちゃダメですよ♪こんにちは、タバコ嫌いの(ついでに未成年の)紫です。
タバコの話は置いといて、なにげに横島と西条の様子が良さげですね。うまく言えませんが、友達ではないけど何となくそこにいるっていう。後編を楽しみにしています。では。 (紫)
- よ、横島君が勉強してる〜!?(←タバコよりショック)
うみゅぅ。横島君になにが起こってるんでしょう?
西条さんはなにか知ってるみたいですけど…。
ああ! 続きが気になります! (猫姫)
- 私も猫姫さんと同じく、横島の勉強シーンに驚きましたね。喫煙の副作用?…それとも『実はこんなに悪い少年犯罪常習者』の印象を強くしたかったとか……。なんにしてもこのままでは終わらなそうな感じですね(汗)。ついでに、柴さんとも同じく、タバコ嫌い(肺がやられます)の未成年です。
西条の行動は警察官としては失格ですよね(苦笑)。何だかんだ言いながら、本気で敵対しない辺りが甘さかと。 (マサ)
- 嫌われたいから―――っても、そんなことで嫌いになるとも思いませんが。逆に心配しそうな・・・。でも、気になります・・・。三週間前になにがあったんだぁ!! (veld)
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa