ザ・グレート・展開予測ショー

++クリスマスの奇跡++〜雪の贈りもの〜


投稿者名:姫桜
投稿日時:(02/12/25)

サンタさんのくれたプレゼントは、素敵な素敵なラブストーリーだった―――

☆メリークリスマス☆

++クリスマスの奇跡++〜雪の贈り物〜

今日はクリスマス。世間では、恋人同士が街に繰り出し、いちゃいちゃする日だ。あいにく私にはそんな相手も、寒い中外にでるような気力も無いので、1日中自宅でごろごろする予定だ。キリストの誕生日なんて誰が祝ってやるもんか。こんな暇な日に限って、仕事は1件も入ってない。仕事は入ってないからって休みにするんじゃなかったなぁ・・・。なんて思いながら、ソファーに寝そべり雑誌を開く。今の時期の雑誌には決まって「クリスマスのデートスポット」とか「彼から貰いたいクリスマスプレゼント特集」とか、人の神経を逆撫でするような記事ばかり載っている。別に、彼氏という存在が居ないことがさびしいわけじゃない。なのに、こんな記事を見ると決まってため息と苛立ちが襲ってくる。
「も〜、一体何なのよ・・・」
私は雑誌をバサッとソファーの下に落とし、フゥっとため息をつき、ゴロンと寝返りを打つ。目線の先には、おキヌちゃんが飾り付けて行ったクリスマスツリーがきらきらと輝いていた。私は「いらない」って言ったのに、おキヌちゃんがどうしてもって言うから、仕方なく飾ってやったやつだ。赤や、青や、緑や、オレンジのライトが、チカチカと点滅している。
「クリスマスねぇ・・・」
私はポツリとつぶやくと、窓際に飾り付けてあるツリーの側に歩み寄った。
「あ。」
おキヌちゃんが飾り忘れたのだろう、ツリーのてっぺんに飾る金色の星が出窓の片隅においてあった。私は、仕方ないので自分で飾る事にした。
「よいしょっと・・・」
結構大きいツリーなので、私は出窓によじ登ってツリーのてっぺんに星を飾りつけた。
「小さい頃ママに『この星が無いと、サンタさんが来ない』って教えられたっけ・・・」
そんな思い出に浸り、少し笑えてきた。自分にも、純粋にサンタを信じている時期があったんだと思うと、少し恥ずかしくなってくる。
窓の外を覗いてみれば、恋人たちの山。高級マンションの上のほうの階に住んでいるので街の様子が良く分かる。そっと、窓に手を当ててみる。部屋の中が暖かすぎるせいで、窓がくもり、手形がつく。窓についた水滴は、ゆっくりと私の手をぬらしていく。
「別に、好きな人が居ないわけじゃないけどさ・・・。」
恋人たちの山を見てたら、ついつい本音が漏れてしまった。この本音は一人だからこそ出たものだ。誰かが側にいたら、絶対本音なんてだせっこない。私はそんなひねくれた性格だから・・・。
と、その時、携帯が鳴った。私は急いで出窓から降り、ベッドの横で充電してある携帯を手に取った。その携帯の画面に映る名前・・・それは・・・。
「横島忠夫・・・横島くん!?」
今、一番会いたかった相手だった。私は急いで携帯に出る。
「は、はい・・・」
緊張のあまり、声が上ずってしまう。私らしくもない!
『あ、あの・・・。俺、横島っすけど・・・』
相手もかなり緊張しているようだ。一体何の用??
「何??どうしたの?」
『えっと・・・その・・・。美神さん、今何してます?』
は?何って、言われても・・・ねぇ。まさかクリスマスツリーの飾りつけしながら、ちょっと切ないキモチに浸ってたなんていえるわけないし・・・。
「べ、別に何もしてないわよ。」
『じゃぁ、暇っすか??』
「ええ、まぁ・・・」
『あ、あの・・・。今からちょっと下に出てきてもらえますか?』
下に??一体何の用なのかしら??
「別にいいけど・・・、一体何なの?」
『ちょっと、伝えたいことがあるんです。とにかく、俺待ってますから!』
そう言って、電話は一方的に切られてしまった。全く、一体何の用なのよ!?とにかく、横島くんは寒い中下で待っている。しょうがないからちょっとだけ付き合ってやる事にした。ほんのちょっとだけ・・・。

→つづきます♪

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