ザ・グレート・展開予測ショー

世界はいつも流れて……(8)


投稿者名:リュート
投稿日時:(02/12/25)

さあ、1日一話、どんどん行こう! 
kitchensinkさん感想ありがとうございます。これからも頑張ります!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 

 その日は朝から嫌な予感がした……そう、最大級の嫌な予感が……そして、その予感は的中してしまった……

「まずいな……少し遅れてしまった。まったく、学校が長引くから……」
 俺は週3日ほど学校に行っている。さすがに進級できないとマズイので行っているが…暇だ……自分の世界の塾でもう習っていたからな……だから授業中は冥子さんの事務所から借りたオカルト本を見ていた。
 ……っと、そろそろ事務所だ……
 そして俺は事務所の扉を開ける……だが、それは悪魔の扉だった。
 扉の向こうには……
「よ、横島さん〜〜!!」
 何故か泣きかけた冥子さんがいた。ま、まずい〜〜!!
「式神が……式神が一匹いなくなっちゃったの〜〜〜〜〜〜っ!!」
 ドクオオオオンンンンンン!!!!!!!


 俺は何時の間にか混沌が支配する空間を漂っていた。
「あれ?俺なんでここに?」
 俺が辺りを見回すと金髪の少女がいた。
「あんた!もうこっちに来たの?私はまだ楽しんでないんだから……」
「へ?」
 少女はスコップを片手に振りかぶり!
「さっさと!!戻んなさいーーーー!!!!」
 ガコ〜〜ン!!!
「何故〜〜〜〜〜〜????」
 俺はスコップで吹っ飛ばされ気を失った。


 ペロペロペロ……
 俺は気がつくとショウトラに舐められヒーリングされていた。
「あれ?何か変な夢を見たような……っとまあいいか。それにしても……さすが冥子さんの暴走……事務所が滅茶苦茶だな……」
 これはおキヌちゃんだけでは1日じゃ片付かないぞ、俺も手伝うしかないか……
「ご、ごめんなさい〜〜。私、うろたえちゃって〜〜。昨日からこのコたち暴走しっぱなしで〜!!お願い〜〜!!捜すの手伝って〜〜!!あのコ今頃きっと泣いてるわ〜!!私〜〜私〜〜」
 冥子さんの体が震え、また泣きそうになる。
「わかった!!捜す!!だからもーやめてくれーー!!」
 俺は悲鳴交じりの声を出す。
「本当〜〜!ありがとう〜〜横島さん〜〜!!」
 冥子さんはそう言って俺に抱き着いてくる。俺は子供をあやすように冥子さんの頭をなでて落ち着かせることにした。効果は抜群のようでしばらくすると落ち着いていた。
 その後、俺を捜していたらしいおキヌちゃんが帰ってきた。何故か少し怒っていたが…


「それで、いなくなったっていう式神は何ですか?」
 おキヌちゃんも聞いてなかったらしく、質問する。
「マコラなのよ〜〜!!マコラには変身能力があるのを横島さんもおキヌちゃんも、知ってるでしょう〜〜?でも、放っておくと身を守るために周囲の人間に同化しちゃう習性があるのよ〜〜」
「マコラか……確かにやっかいだな……」
 そうか、このイベントが今来たか………ドクターカオスがまだ来てなかったから油断してたぞ。
「私〜〜心配で胸が張り裂けそうで〜〜他の式神のコントロールも出来なくて〜〜こーなったら横島さんとおキヌちゃんに頼むしか〜。お願い〜!!見つけてくれたら何でもするわ〜!!」
「そんな事しなくていいですよ。俺達はチームですよ!困った時はお互いさま、助け合うのが当然じゃないですか!ねっ、おキヌちゃん!」
「はい!そのとうりですよ、冥子さん!私達はチームです。……前からも……そして……これからも……」
 俺の言葉に同意してくれるおキヌちゃん。
「あ、ありがとう〜〜二人とも……私、嬉しいわ〜〜」



「……っとここいらに反応ありっス!」
 俺達は街を捜索していた。そして50分後に見鬼君に反応があった。
「あ〜〜!あの人がそうだって〜〜!クビラちゃんが言ってるわ〜〜!」
 そう言うと冥子さんはマコラに近づき抱きつく。だが、マコラは、ニュルリン!っと音を立てて体を伸ばし逃げていった。
「あ〜〜!待って〜〜マコラちゃん〜〜」 
「ちっ!追うぞ!」
 俺は呪縛ロープを持って先に行く。冥子さんもインダラを呼び出し乗って追う。おキヌちゃんは見失わないように空から追っていた。
 そして、俺達はマコラが入ったスケートリンク場に入った。どうやらそこではイベントがあってるらしく盛り上がっていた。
『さー盛り上がってまいりました!!ミス・リンクの妖精コンテスト!!次は飛び入り参加の超美人です!!』
 司会の人の声とともにスケート場に入ってくる美人たち……で、一番の前の奴がマコラなんだよな……少し不覚にも見惚れたぞ(笑)
「あいつがマコラだな、乱入するぞ!」
 俺はそう言ってスケート場に入る。だが滑る滑る……まともに立ってられんぞ……
「私にまかせてください!」
 そう言いながらおキヌちゃんは美人の格好をしたマコラを追う。だけどそれで……
『またも飛び入りのよーです!!巫女さんの衣装の少女、スケートテクもすごいっ!!』
 いや、スケートテクって飛んでるし……しかも審査員達が巫女服に興奮してる……
「優勝は決まりぢゃーーいっ!!」
『おーっと、審査員長ツルの一声!!優勝はあなたです!その衣装を選んだ理由は!?』
「へ?え、あの………」
 うわ……会場の人達におキヌちゃん囲まれてる。これは助けれんな……っとマコラが逃げてる……
「マコラは俺達が追う!そっちは自分でなんとかしてくれ!」
「頑張ってね〜〜おキヌちゃん〜〜!」
「え!よ、横島さ〜〜ん!!冥子さ〜〜ん!!」
 すまないおキヌちゃん……君の犠牲は無駄にはしない!


 俺達はマコラを追い、スケート場の外に出た。
「ふ……あそこか!いーかげん世話やかすな!!家に帰るぞ!!」
 俺はこの言葉を言ってしまい後悔した。そこにはじいさん、ばあさんの集団がいて……
「それがわかりませんのじゃ。」「ツアーの人ですかのー」「トイレは何所かのー」
「いや、あの……ちょっと……どわーー!!」
 俺はじいさん、ばあさんの集団に捕まってしまった。
「私が先に行くわ〜〜後は任せて〜〜」
 そして、冥子さんはマコラを追って行く。
 ……確かこの後、……あ!極悪会の屋敷が……
 俺は老人達にとりあえず、「捜索」の文殊でツアーの人を捜し出して後を任した。そして後を追っていった。


「マコラちゃ〜〜ん待って〜〜!!」
 だがマコラは止まらず、極悪会の屋敷の中に入っていった。冥子さんもインダラでジャンプして壁を超え、入った。


「気ィ抜くんじゃねえぞ!地獄組の鉄砲玉がいつ飛びこんでくるかわからん……!」
 マコラはヤクザに変身していた。そして、他のヤクザに声をかけられ声が出せないのでうなずいていた。
 だが、そこに……
「マコラちゃ〜〜ん!!」
 インダラに乗った六道冥子が現れ、そして……
「「「「「「「地獄組かーーー!!!!!」」」」」」」
 ヤクザ達が一斉に鉄砲や刀などを冥子に向ける……ふ、愚かな……
「ふ……ふえ……ふええ〜〜〜〜〜んんんん!!!!!!!!」
 ドコォオオオオオオオオオオオオオオオオンンンンンンン!!!!!!!!
 その日、極悪会の屋敷は消滅した。



「マコラちゃん……見つかりませんでしたね……」
 俺は何とか屋敷後から冥子さんを連れだし、途中で脱け出してきたおキヌちゃんと合流した。そして捜索を再開したが……見つからなかった……そして捜し疲れたのか冥子さんは俺の背中で眠っていた。
「また明日、捜せばいいさ!」
 おキヌちゃんの落ち込んだ声に俺は明るく言った。
「そうですね………」
 

 だが事務所に帰ると……マコラはいた。
「マコラちゃん〜〜なんで出ていったの〜〜〜!!」
 キーキー!!
「え〜〜?散歩したかったから行ったし〜この頃〜〜あまり呼び出されなくて〜〜寂しかったから拗ねたの?そうなの〜〜?ごめんね〜〜」
「マコラ……お前、散歩したかったのか……それなら、俺が連れてってやるよ。だから今度から一言相談しろ!」
 キーキーキー!!
 マコラは嬉しそうに鳴いていた。
 その日から俺の仕事に式神の散歩が加えられた。

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