ザ・グレート・展開予測ショー

GS美神 極楽大作戦!! サイレント・オブ・ジョーカー(その26)


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(02/12/24)

26回目にして、ようやく最終回です。
突然現れたキーやん。彼の目的は?
では、大団円を迎える「GS美神 極楽大作戦!! サイレント・オブ・ジョーカー」、どうぞお楽しみ下さい。(礼)
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GS美神 極楽大作戦!! サイレント・オブ・ジョーカー(その26)


『もう、許してやれ・・・・。』
そうキリストが言った。
彼の両腕には、目を閉じたままの少年が抱き上げられていた。
「み、美神さん・・・・。誰っスか?あの人・・・・・。」
横島は、震えた声でそう言った。
普通なら、痩せこけたヤツなどと言うはずだが、神々しい光と、すさまじい霊力によって、そう言うことも出来なかった。
「茨の冠、痩せこけた姿、長身・・・・。間違いないわ。神の最高指導者、イエス・キリストよ。」
「!! あのキリスト教の創始者の!?」
「えぇ・・・・・。横島クン、覚えてる?アシュタロスが放った最後の攻撃。」
「えぇ。確か、隊長たちの所に向かったはずですけど・・・・。」
「あのとき、アシュタロスの攻撃を防いでくれた1人が、あのキリストなの。」
「あれ?確か、あと一人、いたはずじゃ。」
「・・・・・・・・それは言わないでおくわ。そのせいで、唐巣神父、精神崩壊起こしちゃったし・・・。」
「?」



『美神どの・・・・。この者の罪、許してはくれませんか?』
そうキリストが言った。
「冗談言わないでくれる?ソイツのお陰で、こっちはえらい目に遭ったんだから。」
「み、美神さん・・・・・。」
神の最高指導者に向かっての美神の発言に、横島は冷や汗を流した。
『この者は、私への罪を償う方法を考えた末に、このような行動に出てしまったのです。』
「罪?」
『確かに、弱者だけの世界もいいかもしれません。しかし、結局は、意見の食い違いが起き、争いが始まり、そして、弱肉強食の時代が生まれる・・・・・・。こちらも、あの女の子に教えられましたよ。』
向こうで気絶しているタマモを見て、微笑むキリスト。
『今の世も、弱肉強食の時代です・・・。しかし、それによって、世界のバランスがとれているのも事実です。それに、弱者も、懸命に生き、生活している・・・・。強者も、弱者たちを守り、こちらも懸命に生きている・・・・・。』
そう言って、美神と横島を見るキリスト。
『貴方たちを見ると、強くそう思います。邪な心を持つ者でも、妖怪であったとしても、哀しい過去を持つ幽霊でも、モノとしてではなく、1人の仲間として見ている貴方たちを・・・・・。』
「・・・・・・・・・・。」
『そろそろ、行くとしましょうか・・・・・・。』
キリストがそう言うと、キリストの後ろに、「天国の門(ヘブンズゲート)」が出現する。
「その子をどうするの?」
少年を抱き上げているキリストに向かって、美神はそう言った。
『神の世界に連れて行き、私と生活を共に過ごさせようと思います。』
ギィィィィィ・・・・・・
ゆっくりと、天国の門が開かれる。
『美神どの・・・、横島どの・・・・・。ありがとうございました。』
キリストは、美神たちに礼を言った後、少年の顔を見る。
『さぁ、行こう。汝の罪、この私がすべて許そう・・・・・・・。』















『ユダ』



















「「!!」」
驚愕する美神と横島。
その瞬間、辺りを閃光が包んだ。
その閃光が収まったとき、少年とキリストの姿は無かった。
ユダ・・・・・・。
イエス・キリストを裏切った、十二使徒の一人である・・・・・・。



それから三日後・・・・・。
美神除霊事務所では、いつもと変わらぬ日常があった。
カタカタカタ・・・・・
ノートパソコンのキーを打ち続ける美神。
「結局、何だったんスかね・・・・・。」
窓から、外の景色を見ていた横島が言った。
「ユダは、十二使徒の中では、一番有名な使徒なの・・・・。裏切り者としてね。」
「・・・・・・。」
「でもね、他の使徒も、キリストを裏切ったの。」
「え?」
「キリストが捕まったと知った、残りの十一使徒は、ローマ帝国から逃げ続けたの。けど、処刑から三日後に復活したキリストに、十一使徒は、悔い改めたの。」
「・・・・・・ユダはどうしたんスか?」
「・・・・・・・・自殺したわ。自分の罪を、悔い改めることが出来ないまま・・・・・・。」
「・・・・・そうだったんスか。」
「・・・・・・・・まさか、あの少年が、そのユダだったとはね・・・・・。」
「・・・・・・・可哀想なヤツでしたね・・・・・。」
「・・・・・・・。」
暗い表情をする美神たちに、人工幽霊一号から報告が入る。
『美神オーナー。事務所の前に、不審な車が数台止まりましたが。』
「へ?」



その頃、神界では、キリスト、サタン、アラー、ブッダが、ゴルフをしていた。
キリストのキャディーは、少年・・・・・。
いや、青年の姿をしたユダがやっていた。
次のホールに移動するとき、ユダはキリストに言った。
『申し訳ありません、キリストさま。僕は、またしても罪を犯してしまいました。』
『・・・・・・・どういう罪です?』
『あの人にとっては、いい薬となると思いますよ。それはですね・・・・・。』


その頃、美神除霊事務所では・・・・・。
「実は昨日、電子メールが入り、貴方の所持している裏帳簿のデータが添付されていました。そして、密かに家宅調査した結果、大量の裏帳簿を押収しました。しかし、どうやら世界の危機を救ったということを聞きましたので、逮捕はしませんが、今回の「サイレント・オブ・ジョーカー事件」の報酬一千万両、約一兆円を没収させていただきます!」
国務庁の国税捜査局の職員が、そう美神に告げた。
「・・・・・ハハハハハハ。」
苦笑いすることしか出来ない横島、おキヌ、シロ。
その光景を見て、欠伸をするタマモ。
当の美神は、頭を両手でクシャクシャにしていた。
「あ、IT革命なんてキライ!!2000年問題もキライ!!コンピュータなんてキライ!!お金返してーーーーーーーー!!!」
泣き叫ぶ美神。
国務庁に電子メールを送った送り主の名前は、こういう名前だったという。

『Yuda』

終・・・・。

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【あとがき】
とまぁ、こういうオチになりましたが、いかがだったでしょうか?
少年の名前をどうしようか考えた結果、こうなってしまいました。
このサイレント・オブ・ジョーカーを書き始めて、3、4ヶ月。
ついに完結を迎えることが出来ました。
ここまで頑張れたのも、皆さんのお陰だと思います。
本当に、有難うございました。
では、次回の作品で、またお会いしましょう。
                      TAITAN

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