ザ・グレート・展開予測ショー

世界はいつも流れて……(6)


投稿者名:リュート
投稿日時:(02/12/24)

 おキヌちゃんが事務所に来て4ヶ月、俺達は無理難解(?)な事件をどんどん解決していった。
 たとえば、女子校に出る変態幽霊事件を解決………(この幽霊(思念体?)は、いきなり冥子さんに襲ってきた為、霊の気配に殺気立っていた式神達にボコられて消滅、除霊開始わずか10分後の出来事だった……)
 他にも銀行強盗の真似事をしたり………(これは銀行強盗をするまえに事故った幽霊を納得させる為に銀行に協力してもらい模擬銀行強盗をした。でも冥子さん……いくらなんでも式神で脅さんでも良かったんじゃ……「楽しそうだから〜出しますね〜」じゃな……銀行の人達怖がってたぞ……)
 人口衛星に住みついたグレムリンを退治したり……(これは幽体離脱した俺とおキヌちゃんが宇宙に上がって歌を歌って退治した……グレムリンの子供はおキヌちゃんがどっかで飼っている。幽体離脱する時は俺がまさかと思って作ってみた「チーズあんシメサババーガー」が効果抜群だった。これの味は……あまり話したくない………)
 そして今日も仕事を終え事務所に帰って来た。
 だが事務所の前には……
「モガちゃんを……あたしのモガちゃんを助けて!!」
 一人の女の子がいた。

「それで〜〜?モガちゃんを〜〜助けて欲しいって〜〜もしかして〜〜着せかえ人形の『モガちゃん』の事〜〜?」
「うん……私の大切な人形のモガちゃんが……夜に寝てる時に「助けて!」って……あたし、すぐ起きて捜したけどモガちゃんの姿がなくて………お願いお姉ちゃん!モガちゃんを助けてあげて!!お金ならあたしのお小遣いから出すから……」
 そう言って300円を出すアヤちゃん。この子ぐらいの年でこのお金は確かに大金だ…それだけモガちゃんが大事なのだろう。
「……どうします冥子さん?個人的にはこの仕事を受けたいんですけど……」
「もちろん〜〜受けるわよ〜〜私も人形が好きだし〜〜この子の気持ちが分かるもの〜〜アヤちゃん〜〜あなたの家に案内して〜〜?」
「うん!」
 アヤちゃんは嬉しそうに返事した。

「アヤちゃん、朝から何所行ってたの?出かける時はママに…あら?後ろの方達は誰?」
 アヤちゃんの家に入るとアヤちゃんの母親がリビングから玄関に出てきた。
「初めまして〜〜私は〜〜GSの六道冥子です〜〜今日は〜〜アヤちゃんの〜〜依頼を〜〜解決するために〜〜やってきました〜〜」
「今日は特別特価の300円で仕事するので、安心してください♪」
 おキヌちゃんはニコニコしながら言う。
「ゴーストスイーパー!?それじゃ、アヤの言ってたことは本当だったんですの!?」
「ええ、とりあえず現場をみたいのでアヤちゃんの部屋に移動します」
 そして俺達はアヤちゃんの部屋に来た。
「クビラちゃん〜〜お願いね〜〜」
 クビラは出てくると窓の方向に光線を放つ、すると空間に穴らしきものが見えた。
「異界へ通じる穴か……2、3日前に開いたようだな。まだ完全に塞がってないし……」
「異界って?」
 おキヌちゃんが質問してくる。
「異次元、霊界、亜空間……とにかくどこか別の世界。ひょっとしたら妖怪の巣かもな…とにかく、モガちゃんを救出してくる。ここで待ってるんだよアヤちゃん」
「うん!!」
 アヤちゃんは笑顔でうなずいた。
「それじゃ行くか!あまたの世界へ通じる扉よ……!!道を開き我らを迎い入れよ!!」
 そう言いながら、俺は手に隠し持っていた文殊「開門」を握り穴が開いた場所を殴りつける。
 ボヒュン!!と音を発して俺達は暗闇が支配する場所に移動していた。
「あら〜〜?六道冥子ちゃんじゃない〜〜!ひさしぶりね〜〜」
 俺達が辺りを見回してると後ろからのんびりした声が聞こえた。
「あれ〜?私の事を知ってる貴方は〜〜もしかして〜〜私のモガちゃん人形〜〜?」
 ……なんか同じ言葉使いが二人……いや一人と1人形……ややこしい……
「なんで〜〜?私の人形が〜〜ここにいるの〜〜?」
「私は〜〜冥子ちゃんの霊能力が〜〜少しずつしみこんで〜魂が宿ったの〜〜仲間も〜〜こんなに増やしたわ〜〜もうすぐ人間を滅ぼして〜〜冥子ちゃんが願った〜〜人形だけの世界を作ってあげるわ〜〜」
「へっ?私は〜〜そんな事〜〜願って無いわ〜〜」
 冥子さんは首を横にブンブン振って否定する。
「そんな事ないわ〜〜あなたが〜〜子供の頃に〜〜願ったもの〜〜『人形だけの〜〜世界で遊んでみたいわ〜〜』って〜……さあ〜〜貴方達も〜〜人形になりましょう〜〜」
 そう言って襲ってくる人形軍団!!
「くう……今回はフォーメーションD、攻撃は最小限だ!クビラ!お前は冥子の人形がどこにあるか捜せ!」
 冥子の肩に乗ってたクビラは光を走らせてサーチする。だが冥子の人形は冥子の霊能力が染み付いててクビラ自身が混乱し、分からない。
「インダラちゃん、メキラちゃん、出ておいで〜〜」
 バシュ!と音を立てインダラとメキラが出てくる。そしてインダラは俺を乗せ一気に人形の輪から脱出する。メキラも冥子さんとおキヌちゃんを輪の外にテレポートさせる。
 そして人形がまた俺達の所に来た所で……
「秘奥義!サイキック猫騙し!!」
 俺は手の霊破を放出させて人形達の目をくらませる。だが人形達はすぐ立ち直り襲ってくる。まずい……これは攻撃をしないとやられる。
「くっ…仕方ない、冥子さん攻撃を『だめー!!』……なっ!アヤちゃん何でここに!」
 そう、そこには俺達の後を追ってきたアヤちゃんがいた。
「だめー!!人形に攻撃しちゃだめ!……モガちゃん!あたしよ……アヤよ!モガちゃんを助けに来たよ!お願い!返事をして!」
 アヤちゃんが人形達に話しかける。すると……
「ア、アヤちゃん……私は……ここよ……助けに来てくれたのね……」
 人形達の中の一つから声が聞こえた。俺はその人形に……
「おい!アヤちゃんの人形!本体の人形は何所だ!教えてくれ!」
 俺の言葉にアヤちゃんの人形は2つ前の人形に抱きついた。
「そいつか!よし!塵は塵に!!土は土に!!人形は人形に戻れ!!」
 俺はその本体に向けて吸引札を使う。
 キャアアアア!!!
 シュイン!……よし、吸引成功、これで人形を傷つけずにすんだ。 
「モガちゃ〜〜ん!よ、よかった……無事だった……」
 アヤちゃんはモガちゃんを手にして喜んでる。
 そして、その直後、俺達はアヤちゃんの部屋に戻ってきた。

「あの人形達はもとの持ち主の場所に戻ったようだな。もちろん冥子さんの人形も…後でお札を巻いておかないと…っとそうだ!冥子さん、他にもあんな人形ありませんよね?」
 仕事が終わり事務所に帰る途中に俺が聞くと冥子さんは……
「え〜と、ジュンちゃんやパンダちゃんとか〜100体近くあるから〜わかんない〜〜」
「おいおい(汗)……」
「ひええ〜〜ん、怖いです〜〜!!」
 そこ頃、冥子の家でパンダの人形がひとりでに棚から落ち笑っていた……




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