ザ・グレート・展開予測ショー

AFTER DAYS!!(3)<彼の霊体は>


投稿者名:ハルカ
投稿日時:(02/12/16)

<彼の霊体は>


ワルキューレが俺の頭に銃を付きつけていた。

・・・・・やばい!!
ワルキューレもマジで俺を殺す気だ!!

いったいみんなどうしちまったんだよ!?!?

「ま、待ってくれよ!!
 どうしたんだ二人とも!?俺だよ!横島だよ!!」

俺があたふたしながら声をかけるとワルキューレはニヤリの笑って
言葉を返した。

「そういう時、横島忠夫という男ならどう言うか知っているか?
 『悪魔はみんなそう言うんだ!だまされるか!!』と言うんだ。」

・・・・この時ほど俺は自分の言葉を後悔した時は無かった。



美神除霊事務所にて

「・・・・で、どう言うことなのか
はっきり説明してくれるかしら?ママ?」

美神さんが隊長に詰め寄って問い掛ける。

「いきなりやってきて
 凄い勢いで『横島クンを探してちょうだい』って言うから
 シロににおいを追わせて横島クンを探させたのに
 見つけたらいきなり発砲?
 私達が納得のいく説明をしてちょうだい。何かわけがあるんでしょう?」

美神さんは意外に冷静だ。
おそらく自分の母親として隊長のことを信頼しているからこそだろう。
その横では・・・・・

「せんせいが・・・・せんせいが・・・・拙者のせいで・・・・」

とシロがうわごとの様につぶやき続けていた。

「シ、シロちゃん!大丈夫だから。
 ね?横島さん、生きてたじゃない。横島さんのことだからきっと大丈夫よ!!」

おキヌちゃんがシロを励ましていた。
そこへ美神さんが声をかける。

「そのとおりよ。おキヌちゃん。
 多分あのバカのことだからほとんどケガはしてないと思うわ。」

「「どういうことですか?(でござるか?)」」

シロとおキヌちゃんが声をそろえて聞き返す。

「いくら横島クンが不死身といっても
 実弾を心臓に撃ちこまれて生きてるわけ無いじゃない。
 大方ママが何かしたんでしょ。
 ・・・・・まぁ、地面に激突したのはホントだろうけど。
 ちょうど、私がヘソクリしておいた
横島クンの文珠も一つ足りない様だしね。(ジロッ!)」

美神さんが隊長をジロッっと見ながら説明した。
それにも動じず隊長が聞き返す。

「フフッ。我が娘ながら鋭いわね。
 ひょっとして理由の方もだいたい分かってる?」

「だいたいね。
 横島クンの病院での検査の結果ってところかしら?
 ・・・・・・だってタイミングが良すぎるもの。」

「でも、病院のお医者様は先生の体は健康だったと言ってたでござるよ?」

シロが不思議そうに聞き返すと
隊長が真面目な顔になって人口幽霊壱号に話しかけた。

「ここから先はトップシークレットになるわ。
 人口幽霊壱号!!辺りに私達以外いないわね!?」

『は、はい。私達以外の生命反応、霊体反応はありません。』

人口幽霊壱号も少し緊張した感じで返事をしたが
隊長の詮索はまだ続く。

「じゃあ、盗聴機は!?
 あと、この事務所の結界の出力をを限界まで上げてちょうだい!!」

『盗聴機も私の確認する限りありません。
 結界の出力を限界まで上げました。』

過剰とも言えるチェックの後、ようやく隊長が口を開いた。

「・・・・どうやら話しても大丈夫のようね。
 だけどあの検査での本来の目的である
 アシュタロスのエネルギー結晶そのものは発見されなかったわ。
 それよりも問題は横島クン本人の霊体の方よ。

 ・・・・・・おそらく横島クンがとりこんだルシオラさんの霊体が
 アシュタロスのソレと非常に親和性が強かったためでしょうね。
 横島クンの霊体はエネルギー結晶を吸収して確実に
 魔族の霊体に近づいてるわ。
 ・・・・・・恐らくは半分近くにね。」

「「「!!!!!!!!!」」」

みんなに戦慄が走る。



再び妙神山にて

ワルキューレが銃の引き金に手をかけている。
そしてその引き金が引かれ、弾丸が発射!!



・・・・・・されない。

俺が『障』の文珠を発動させたからだ。
それにしても危ないところだった。
なんとか一つだけ文珠が間に合ってくれてよかった。
そういえば最近文珠の出が少しわるいな。

「な・・・・!!??文珠!!??」

ワルキューレは驚きの声を上げた。

「・・・・・文珠が出せることもそうですが
 さっきからの言動を見ているとひょっとして
 本当にこの人は横島さんじゃないのですか?」

さすが小竜姫様!!
ひょっとしたら助かるかもしれない。
嗚呼、小竜姫様が女神様に見える・・・・

「だからさっきからそう言ってるじゃないですかーーーーーーっ!!」

俺の叫び声も無視してワルキューレが言葉を続ける。

「いや、まだそう断定するのは早い。
 何らかの術で文珠に見せかけただけかもしれんし、
 暗示をかけて横島本人と錯覚させられているかもしれんからな。
 ・・・・・これからいくつか質問させてもらう。それに答えてもらおうか。」

「あ、ああ・・・」

ワルキューレが俺に質問?
答えなければどうなるんだろう?まさかこの場で死刑!?
そんなんイヤじゃーーーーっ!!!!
これは何が何でも答えなければ!!

「初めて貴様に会ったとき、私が名乗った人間としての名前は?」

(えっと、あれは確かおキヌちゃんが生き返ってすぐの時だったよな・・・・)
「は・・・・・春桐魔奈美?」

俺はおそるおそる答えた。
多分あってるとは思うが万が一のことを考えると恐ろしい。

「・・・・正解だ。では次の質問に移る。」




こんな感じでなんとか俺は全ての質問に答えることができた。

「・・・・・・ほぼ横島に間違いはなさそうだな。
 では最後の質問だ!!この質問で貴様が本当に横島かどうかが分かる!!!」

くそっ!!こうなったらどんな質問にだって答えてやる!!

「小竜姫が所有している下着の数は?」

ずるっ

小竜姫様がずっこけた。
真っ赤な顔をして『ななななな・・・・・』といった表情だ。

「12枚!!」

「これは横島だな。まちがいない。」

俺の答えにワルキューレが即答する。

しかし軍人としての性(さが)かあそこまで俺を疑っていたワルキューレが
この質問で俺を信用するとは・・・・・・・・(汗)

はっ!?
後ろから凄まじい殺気が!?

後ろを振り返ると『ゴゴゴゴゴゴゴ』と音をたて
憤怒の形相の小竜姫様が立っていた。
さっきまでは女神様に見えた小竜姫様が今は鬼神にすら見える。

「横島さん?なんでそんなことを知っているのでしょうか?
 さあ、逃げないで答えていただけます?」

「ああああ・・・・・
 小竜姫様、まずその神剣をしまってください!
 それからゆっくり話し合いましょう!!ね!!」

俺はイヤイヤしながら後ろに後ずさったが壁に阻まれ
逃げ場を失ってしまった。

「仏罰ですーーーーーーっ!!!!!」

「かんにんやーーーーーっ!!!!!」

ワルキューレは『やれやれ』といった感じでそれを見ていた。


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