ザ・グレート・展開予測ショー

GS美神 極楽大作戦! サイレント・オブ・ジョーカー(その20)


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(02/12/14)

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GS美神 極楽大作戦! サイレント・オブ・ジョーカー(その20)


電子記号で出来た剣を、美神の脇腹から抜き取る少年。
美神の傷口から、血が出始めた。
ゆっくりと倒れる美神。
「美神さん!!」
横島は、美神をおキヌたちのところへ運び、治療を始める。
「おキヌちゃん、シロ!!美神さんの治療を!!」
「「はいっ!」」
「タマモは、俺を援護してくれ!」
「わかったわ。」
そう言って前を向いた横島は、周りの変化に気が付いた。
ベッドが、テレビが、床が、壁が、すべてが無くなっていた。
辺りは、青色の空間になっており、そこには、「0」、「1」の電子記号が浮かんでいた。
「ここは・・・・・?」
「電子空間・・・・。」
少年はそう答えた。
「電子記号を使い、ボクが創り出した世界さ。
宇宙のタマゴを調べてね。」
「宇宙のタマゴだって!?」
「そう。南極に1コだけ、ミサイルの攻撃から、奇跡的に助かった宇宙のタマゴを、ボクが発見してね。それを研究して、構造を調べたんだ。
素晴しいモノだったよ。宇宙のタマゴは・・・・。
さまざまなデータが、精密に組まれていて、天候、時代、生命、それらがすべて自然的に起こり、進み、そして生まれる。
ボクは興奮したよ。今まで、こんな精密なモノは見たことがなかったからね。」
ヒュッ!
横島の横を、タマモの狐火が、少年目掛けて飛んでいく。
しかし少年は、それを電子の盾で防ぐ。
「ボクは創り上げた・・・・。この電子空間を・・・・。
そして、出来たんだ。宇宙のタマゴで、新しい世界を!!」
「なんの世界を創り上げたっていうの?」
横島は後ろを振り向いた。
美神がゆっくりと立ち上がった。
どうやら出血は止まったようだが、痛みが残っているのか、
一歩進むごとに、美神は顔を歪ませていた。
「どうせその世界は、自分の欲望のままに創り上げたモノじゃないの?」
「違う!!」
少年は叫んだ。
「貴様に分かるか!!神のために戦いに出たボク、いやボクたちが、強者の奴隷となり、苦しみながら息絶えていったことを!!」
「ボクたち・・・・?息絶え・・・・・?」
電子空間に、映像が映し出される。
首に縄をつけられた少年少女たちが、屈強な男に連れられ、船から出されていく様子が。
そして、その子供たちは、鎧を着ていた。
そこには、赤い十字架のマークが・・・・・。
「十字軍!?アンタ、まさか!!」
美神は叫んだ。
十字軍とは、ローマ帝国が、当時他の国の領地の中にあった聖地エレサレムを奪取すべく、送り出された軍のことである。
しかし、何回もの遠征を行ったが、結局失敗に終わった。
その十字軍には、子供たちで編成された、子供十字軍もあった。
しかし、その子供らは、遠征中に命を失ったり、大人に騙され、奴隷にされたりして、エレサレムに行くことは出来なかった。
「そうさ・・・・・。」
少年は、体をワナワナと震わせていた。
「ボクは・・・・、子供十字軍の1人の魂が、転生したものさ・・・・。」

続く・・・・。

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