ザ・グレート・展開予測ショー

魔人Y−19a


投稿者名:NAVA
投稿日時:(02/12/11)


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お詫びと訂正のお知らせ

実はワタクシ、昨日、一昨日と原作を一気に読破したのですが、
自分が原作の設定を無視している部分を発見いたしました。
どうも原作では、魔王>魔神っていう雰囲気ですね^^;
私の中では魔王=魔神という設定でしたが、魔界の最高指導者こそが魔王って感じでしたので、
今後、リリスに代表される6大魔王を6大魔神と訂正させていただきます。
ついでに言うと、デミアンもきっちりコスモプロセッサで復活してたりしてます。
この話では妙神山での戦いでも生き延びてたってことになってますが、
それは今更訂正のしようもないのでご容赦ください。
今後はそういうことは無いように気をつけます。
すいませんでした。

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 『一撃離脱』


 それが今回のミッションのコンセプトだ。



 小笠原エミなどに代表される呪術使いによる広範囲で大規模な攻撃によって、結界を一時中和。

 結界の中和に成功すると同時に美神率いる近接戦闘部隊が研究所を強襲。

 横島の確保と違法実験の資料集め。

 目的達成後に一斉脱出。



 時間がかかればかかるほど不利になる。

 よって、敵に反撃の時間を与えない。



 それが今回の美智恵プロデュースの作戦だった。






 「というわけでアタシの出番なワケ」

 小笠原エミはご機嫌だった。

 彼女を中心として増幅した攻性術式が作戦開始の合図となる。

 アシュタロスの乱ではここまで目立つことは出来なかった。

 よって、

 『久々の花道』

 である。

 機嫌が悪いはずも無かった。

 美神の丁稚救出がメインというのは気に食わないが。

 既に侵入部隊は結界の近くに布陣している。

 心地良い緊張感がエミの身体を包む。

 美神達が侵入した後は、結界に干渉して今度は結界外部からの侵入(敵の増援)を防ぐ手はずだ。




 ――――作戦決行まであと5分。




 そしてそれを観察する調査隊。

 「ふむ。美智恵殿らしくもない大雑把な作戦ですね」

 ジークが小竜姫とワルキューレに話し掛ける。

 「いえ。今回はこれで良いんですよ
  今回の彼女達の状況は無い無い尽くしです。
  正式な命令がない。
  大規模な援護部隊がない。
  研究所内部の詳細な情報がない。
  そして、私たちの援護も見込めない・・・。
  彼らにあるのは戦意と勢いだけですよ」

 ワルキューレが軽くため息を吐きながら言葉を継ぐ。

 「勢いによるダイナミズム。
  それを維持するためには守りに入るわけにはいかない。
  恐らく短期決戦を目論んでいるのだろうな」

 2人の解説にジークは躊躇いながらも尋ねた。

 「我々が手を貸すわけにはいきませんか?」

 「必要とあらばな」

 「なっ?!」

 「何を驚いている?そのために調査だ何だと大義名分を掲げ続けたのだろう?」

 「姉上・・・・」

 じーんと感動するジーク。

 ――――ああ、普段は冷静な姉上も戦友のために覚悟を決めたのだな。

 横島の現状を誰よりも憂う魔族ジークとしては「僕も付いてきますよー」と感動を禁じえない。

 一方、小竜姫の事情は違う。

 ワルキューレは自分と一緒に調査を纏めるだけで、実際に調査活動はしていなかったはず。

 にも関わらず、ワルキューレが持ってきた情報は正確性に富んだ。

 それが府に落ちない。



 「ワルキュ『ドーンッ!!!!!!』



 小竜姫が何かを言おうとした時、大規模な爆発が起きた。

 どうやら美智恵達が行動を開始したようだ。

 慌てて目を見やる小竜姫達。

 小竜姫の目には、少しづつ開いた結界の隙間を力づくで突破しつつある美神達の姿が見えた。





 「クッ!!時間がかかり過ぎる!!!」

 西条が聖剣ジャスティスを振るいながら吐き捨てる。

 結界を力づくで突破した強襲部隊を迎え撃ったのは魔物の一団だった。

 彼が今切り結んでいるのは死霊の一種のデュラハン(首なしの騎士)。

 かなりレアな魔物のはずなのに、隊列を組めるほどに数が多い。

 幸いなのは、それほど統率が取れていないことか。

 
 バババババババババッ!!!


 Gメンの銀の銃弾による斉射で、複数の敵に囲まれないように相手をリードし、常に有利に戦い続けている。

 しかし数が数だ。ここで時間を掛けすぎるわけにはいかない。



 「♪〜〜〜〜〜♪〜〜〜〜〜♪〜〜〜〜」



 ――――そうか?!ネクロマンサーの笛か!

 しかし、西条が期待するような変化は現れなかった。

 視線をおキヌに向けると狼狽した表情をしている。


 「み、美神さ〜ん!効きませ〜ん」


 泣きそうな声を出すおキヌ。

 ――――頼むから泣くな!士気が下がる!

 そう怒鳴りつけたくなるのを堪えて西条は言った。

 
 「こいつらは死霊魔術の産物じゃない!おそらく魔法兵鬼の一種だ!」

 
 ――――だから死霊の魂に干渉するネクロマンサーの笛に無反応なんだ。だがこのままでは・・・・。


 「令子ちゃん!!!ここはGメンに任せて先に・・・」


 先に進んでもらおうと振り返った戦場には、既に美神達の姿は無かった。

 泣きそうな声を出していたおキヌまでいない。

 敵部隊を挟んだ向こうで美神が手を振りながら走り去る姿が見える。


 「行ってるから頑張ってね〜♪西条さ〜ん♪」



 ――――あんまりだ(涙)



 西条輝彦。

 二枚目キャラとして存在するも、美神令子にかかれば三枚目。



 「西条ク〜ン!!ここはヨロシクね〜!!!!」



 訂正。美神親子にかかれば三枚目のダンディーなじぇんとるめ〜ん。



 「ちくしょ〜〜〜〜!!!!!!!!」








 

 

 

 「う〜ん。予定通り、ネクロマンサーの笛は効かないっと♪」

 モニターしつつ、戦況を分析し、魔法兵鬼の問題点をブラッシュアップするヤマサキ。

 美神達がここまで直接的な攻撃をしてくるとは予定外だった。

 「裏を書かれちゃったなぁ〜♪
  正面から来るねんてね〜♪
  てっきり隠密行動で侵入してくると思ったんだけどな〜♪」

 ――――ま、僕は専門家じゃないから仕方ないか。

 「さ、早く起動させちゃって〜♪
  さもないと起動前に壊されちゃうよ〜♪」

 そう言ってヤマサキ版究極の魔体を見やった。

 丁度、ハニワ(北辰さん)が頭部ユニットに組み込まれているところだった。。

 










 無事、研究所へ侵入を果たした美神達。

 そこで目にしたのは広大なエントランスだった。

 「かなり広そうだが・・・どうやって探す?」

 雪乃丞がうんざりしながら美智恵に問う。

 「シロ?タマモ?!」

 美神が期待して振り向く。

 「駄目。変な薬の臭いがするだけで横島の居場所は分からないわ」

 とはタマモ。

 「鼻が・・・鼻がぁ〜〜!!!」

 薬品の臭いに一時嗅覚を馬鹿にされつつあるシロ。

 それを見やりつつ美智恵が指示を出す。

 「時間がないわ。手分けして捜索しましょう!」

 「地下じゃ!地下室を探すんじゃ!!」

 突如ドクターカオスが叫ぶ。

 「なんで?」

 「決まっとる!科学者の浪漫だからじゃ!」

 ついに逝ったかこのジジィ。そんな哀れみの視線を向ける美神。

 「そ・・・そんな目でワシを見るなぁ〜!
  大丈夫じゃ!
  この薬品臭に包まれると頭がすっきりしてくるんじゃ!!」

 「OK。どうせ手がかりも何もあったもんじゃないわ。
  ここは1つ、マッド科学者の浪漫とやらに賭けてみましょう。
  どうせ・・・ここの連中もマッドでしょうから」

 頷くメンバー。


 Aチーム−美神・おキヌ・シロ・タマモ

 Bチーム−美智恵・唐巣神父・ピート・冥子

 Cチーム−雪乃丞・タイガー・ドクターカオス・マリア

 時間が経てば、西条率いるオカルトGメンチームも探索に加わるはずだ。


 とりあえずは、この3チームに分かれての探索が始まった。



 

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長くなったんで分割しちゃいました。
19bに続きます。

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