ザ・グレート・展開予測ショー

ゴーストスイーパー六道忠夫、宇宙霊団大激突作戦!!! (モテモテ超戦士・六道忠夫)


投稿者名:ギャグレキスト後藤
投稿日時:(02/12/ 8)




コミケット主催者らは、毎年、シーズンごとの宇宙霊団来襲に頭を悩めていた。
そのコミケット現場へ、突如イギリスの新豪邸から六道忠夫らが家族でやって来た!
子供連れでのデートを兼ねた除霊が目的である。いや、逆か。
つまる本音としては、冥子が一度帰国したかったから。
それに、横島の娘…いや、忠夫との間に生まれた、六道家の娘・盟菜にも一目見せたかった。
しかし結局や、冥子が楽しみたいのが一番の理由だと推測される。
が、我等がコミケ主催者も断らず、すぐに許可を降ろした。
天の助けと言うか、悪魔の助けというのかはどっちか分からないが、実際にはいたほうが
助かるのがもっともな言い分だろう。

しかし、今回はこの実績とは異なる苦戦を強いられるのだ。

        ☆          ☆          ☆

「ちょっと、割り込みは禁止ざんす……」

と相変わらず、特別な存在と知らずイヤミそっくりの警備員は抑え付ける。
忠夫は、左手に娘の盟菜を抱えながらも、威張って鳥坂風に右手中指を突きたてる。
その中指の突き指す左腕に腕章がくくり付けられていた。

「この腕章が目に入らぬのか!?」
「だよーーん、だよーーん、馬鹿警備員!」
「んだとぉ?」

盟菜のいらない言葉に、警備員は目くじら。
思わず、その忠夫の着ているブルーのジーンズを掴み上げた。
…が、ふと腕章に目行って眼球をパチクリと広げて読み上げた。

「なになに?
 このマークは……あの国家国際認可のニュー・スコットランド・ヤード!!!
 シェーーーーーざんす!!」
「え、イ、イギリス警察ゥ!?」

とても、そんなに偉そうな格好をしていなくて、周りの群集はざわめ驚いた声を出した。
その場で、警備員は更に腕章に刻まれているネームを声に出して確認する。

「え、エスターク…いや、エクス・ターミ…ネーター・スペシャル……」

ココまで読んで、改めて頭に知識が集中した。
するとふと、思い出して帽子のツバ右に手を当てて敬礼をした!

「これは、特殊事象駆除課(ニュースコットランドヤード・エクスターミネィタースペシャル)
 の横島忠夫さん、本人でしたか。どうも、これは御無礼を!
 本日は見回りと監視、除霊を行ってくれるそうで……」
「べぇーーだぁ!」

ヘコヘコする警備員に、盟菜は舌を出してアカンベエをするが、警備員は無視を決め込む。
忠夫は盟菜を抱いたもう片手で、冥子の手をがっしりとっていた。
その顔を見て、イヤミは何かを思い出したように手を叩いた。
横で、冥子が盟菜に「駄目よ〜」と右手人差し指を立てていた。
警備員は思い出したように、突然SCOTCHの120分型ビデオテープを眼の前でちらつかせる。
ていうか、そんなでかいモノをどこにどうやって持っていたのかは敢えて突っ込まない。

「はぁ、これね、2000年4月8日の水曜午後7時からやってた時のテープでざんす。
 生中継で……冥子とニャンニャンしてるところも入ってるザンス。
 いつも持ち歩いて、家宝にしてるざますよーーーほほほ。」
「あ、そんなこともあったっけな‥‥」

突然の事で、頭を一瞬、前方に手を当てて下見る忠夫。
警備員は明石屋さんま風の出っ歯を広げてシェーのポーズを取っていた。

「やぁ〜〜〜ん〜〜〜〜、そんなとこ〜〜撮ってたのね〜〜〜。
 えへ〜〜〜、はじゅかちぃ〜〜〜〜‥」

冥子は、わざと目を照れ隠すように顔を手に覆わせる。
その姿は、数十秒ばかり顔をピンクに染め上げるのをカヴァーしていた。

「しかも、あの財政界の鬼神・紅井百合子と伝説のゴーストスイーパー・横島大樹との間の
 息子さんだったんですねーーー。どおりで。
 ぜ、是非ともサインを下さ……」
「ちょっと警備員!」
「それって、私利私欲と違います?」

いろいろとブツを出しては、話をして、挙句にサインを求めた警備員が、コミケ会場への門を
開ける直前に並んでいる人たちに問い詰められていた。
なんて良識のない警備員たちなのだろう。
とにかく、この隙に冥子と忠夫はいち早く内部へと入って行った。
にしても大出世だねえ忠夫クン。見鬼君は尊敬しちゃうぞ。
いよっ、日本一、世界一、宇宙一の幸せモノ!


『タイガーも、おだてりゃ、木に登る〜〜〜(ブゥッ!)』


と、今だ独身のタイガーがおだてブタに変装して木登りしたところで場面は冥子の背後を追っ。
そのバックを数センチのコストの事、会場内にビデオカメラが切り替わっていった。
撮影者は、云うまでもなく……そこにささやきリポーターが中継しているところを見ると…

「雲の上からこんにちは、世界最大のカメラマン・小山です!」

シビビン、ビィィ〜ン!
私・リポーターまでつい思わずシビビンしてしまいました。
しかもよく見ると、これはまた成長なさったようで、エベレストをも劈くようでした。

        ☆          ☆          ☆

ざわざわ。
忠夫の後ろを追うかのように、一般客はごった返して警備員を押しつぶして進んでいった。
それは芋掘りのような、お手洗いのような様。

忠夫は、冥子と盟菜の手を握り引き連れ、通路を抜けようとする。
東モールへと続く通路は、ガラス張りのバキュームカーのような、暑苦しさを
むさ苦しく見せ、それは手の感度を少し冷たいようで温かく湿らした。
お湯で言えば、ぬるま湯というところに当たるであろうか。
温かさが伝わる度、周囲の視線が気にする忠夫だが、冥子は相変わらず大福神のよう。
そんなルンルン気分で、顔をにっこりして手をぶんぶんと大げさに振る。

その光景を見る周りの女の子は、思わずひそひそと話し始める。
途端、大胆に明るくけたたましく鳴らせるように声が近づいて来て、行き成り忠夫の
体にボディプレスするかのようにぎっしりと、かつ図々しく抱きついた!
その抱きつきぶりは、冥子をも驚かせるほどだった。

「ねえねえねえねえねえねえねえ、ねえっ!?
 あの究極のゴーストスイーパー六道忠夫さんですよね、あのう、サインしてくれますぅ!?」
「あたしはねぇ、握手が欲しいなぁーーー」
「あたしが先よ!」
「違うわよ!ねぇ、キスしてぇーー。」
「いやーーー、照れちゃうなぁ。」

いつの間にやらワイワイ、ガヤガヤ、と忠夫を取り囲む集団。
それは、おだてブタが出る出番が無いとばかりに、通り廊下の窓外脇にジーと眺めるくらい。
その中で忠夫はひっきりなしに捕まれて質問・抱擁・愛撫を繰り返され攻められていた。
中には、こと細かに第二ボタンを奪おうとする人もいる。
外国での成果は日本ではテレビを通して一般人に知られていたのだろう。
しかし、それに対し冥子は盟菜を引き連れ、口を膨らましてのんびり先に行く。

「ち、ちょっとまって冥子。あと、あと3枚ですむからさぁ。」
「もう〜〜忠夫クンてば〜〜〜!」
「そういうな、冥子姫。あとでお姫様抱っこしてやるから……」

そこまで言いかけた矢先、冥子の怒った顔はまたノホホンとした。
その間ずるいとばかりに忠夫に女性が数人、びったりとウミツボのように張りめぐらされた。
聞くところ、この団体は六道忠夫非公認ファンクラブの会長、親衛隊、そう言った類の人たち。
で、大声を出さずに肩を叩いて中くらいの声で呼びかけていた。

「ここは東モールへの通路です。
 これ以上、騒ぎが大きくならないよう、速やかに移動してください。」
「いやーーすまなかったよ裕恵くん。今度デートでも……」
「忠夫クン〜〜〜〜!!!」

めらめらめらめらっ!
冥子のジェラジェラ心が噴火するように声に比例していた。
自分の親衛隊に手を出しかけた忠夫は、とにかくさり気無く話題を戻すのだった。

「ジョーダンだってば冥子。ほれ、お姫様抱っこしてやるよ。」
「きゃぁ〜〜ん、こんな所で〜〜〜ぇ。」
「あー、ずるぅい〜〜、冥子母さん〜!」

『ウソー!』
『ホントーー!』
『可ぁ愛ぃいーーー!』
『『『…ペッローーン』』』

もう勝手にやってろとばかりに周囲は元に戻って歩き出す。
今度は盟菜のほうが顔を膨らましていた。
が、中には大胆だとか思える顔、また、「私もやってもらいたい…」と思える顔の女性もいた。
その脇からは、何故か逆転イッパツマンの女子高生メカがありふれてペロンとシリを振って
直ぐに引っ込んでいった………。

忠夫も、とんだビッグスター・二枚目のゴーストスイーパーになったものだ。
今思うと、冥子の助けをしているうちに、霊に対する感覚やら覚えて霊力も成長していけた
ものだなーとばかり、冥子を両手に抱えながら考え込んでいた。
冥子の純な顔を見ているたび、つい、少しばかり抱擁をしたくなる。
いや、この場で抱擁してしまおうか…という思いも立ち込めてきたところ、通路を抜け、
東モール4ホールへのエスカレーターに差し掛かっていた。

ではここで緊迫する事態が巻き起こるのだが、次回を待とう!
女子高生の皆さん、及び老若男女の皆さん。

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa